29 ※ゲイルside


マリーとの生活はとても温かいものだ


静かな時間が流れているが、充実した毎日。


余り外出はしなかったが、マリーと過ごす時間はとても楽しかった。


ある日、カレンとエディが家に国からの使役としてやって来た。

2人とも相変わらず元気で良かった、と思っていたら

カレンが仲良くするつもりは無いし俺に迷惑を掛けるな、とマリーに言った。




マリーはとても傷付いた顔をしていた。




心がざわついた。




カレンは悪気があって言った訳では無い事は分かっている。

俺の事を考えて言った事だ…


だが、マリーが悲しんでいる。


俺の傍から今すぐにでも何処かに消えてしまう…


それはきっと今生の別れ、そんな気がした



マリーを大好きなアレンの毛に埋もれさせ

食べられそうな味付けの飯を作った。



やはりマリーはここを出て行きたいと言う。

だが、こんな素直過ぎる人間が一人暮らしなんて出来るか?


せめて、地盤を固めてやってからでなければ



心が乱れたり、考え事をしたい時

俺はあの湖に行く。


木々が生い茂り、水面が輝くあそこはお気に入りだ。



マリーにとっては余り良い思い出は無いかもしれないが…綺麗な場所だ。


連れて行ってやりたい


そう思い、マリーと昼食後に湖に向かった


マリーは湖に来ると

目を輝かせ、ここに確執は無い事が分かり安心した。


1年。と理由を付けてここに居るように言うと、マリーは納得したようだが

また嬉しかったのか、涙腺に来てしまったらしい。

だが、ここに来た時とは違い我慢している様に見えた。





そんなマリーを"愛しい"と感じていた



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