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その後も、2人で湖を眺めた


「魔力循環を教えるんだったな。

だが、今日は辞めておこう。休んだ方が良い」


「あ、気を使わせてごめんね?

少し休ませて貰ったから大丈夫だよ!

それに、あんまり先延ばしにしても………




って、ゲイル何か光ってるよ?」




「ん。あぁ、下級精霊だ」


ゲイルの周りを5つ程の光がふわふわと集まって来ていた

良く見ると小さな人型をしており、ニコニコと飛び回る


『きゃはは』


『ゲイル遊ぼー』


『遊ぼー』



「すまない、今からマリーとお勉強だ」



『『えー』』


『じゃあ、マリー遊ぼー』


『知ってるよ、あなた見えるんでしょ?』


『聞こえるんでしょー?』



「かっ……」



「『『かっ?』』」





「可愛いーーーーー!!!」



『可愛い?』


『私達可愛い?』


「はい、とっても!」



小さくて、手のひらサイズの精霊達はとても可愛かった。

そして、精霊と話すゲイルの素敵さは2割増だった…


いつの間にか増えた子達もいて

皆、私が褒めるととても嬉しそうに笑った。


「皆さん、仲良くして下さって嬉しいのですが…私は今からゲイルとお勉強しなければなりません」



キャッキャウフフを続けたい所だが

私は今日こそ魔力の事を本格的に始めたいのだ…

こちらでのお仕事が迫っている。

私の力でアロママッサージがより良くなるのでは?と思っているので試してみる価値があるのだ。


『え~』


『私達とも遊ぼうよー』


『何するのー?』


『何するのー?』





『こら、お前達。ゲイルとマリーを困らせるで無いわ』



『きゃーアレン様だー!』


『アレン様こんにちはー!』


『こんにちはー』



「アレンっ」


『折角良い所じゃったのに……

マリー、落ち着いたかの?2人とも遅いのでな、見に来てやったぞ』


最初らへんは上手く聞き取れなかったが、きっと私に気を使ってゲイルと2人にしてくれていたのだろう


アレンは下級精霊達を皆森に帰るよう促していた

精霊達は手を振り『今度は遊んでね』と口々に言っていたので私からもお願いした。



「…ありがとう、アレン。

私、少し焦ってたかも。もう大丈夫」


只々アレンの気持ちが嬉しくて、大きいアレンを抱き締めた


『くくっ。マリー、良かったの』


「うん!」



「アレン、」


『お?なんじゃ、ゲイル。ヤキモチかえ?』


「…何、言ってるんだ。

マリーに魔力循環を今から教えるんだ、アレンも見ててくれないか?」


『良いぞ』




「お願いしますっ!」


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