第11話 弟子入り条件
拗らせた高校生の軍神への道の第一歩
フィルが紹介する師匠がまさかベル爺だったとは
しかも元九軍神とは・・・
さて鍛冶屋ベルの目の前に立つフィルと哲人
灯りはまだ点いている 起きてるのか
フィルがいたら驚きそうだな・・・
「すまん ベル爺かなり遅くなった」
「おい 流石に遅すぎだろ どこをほっつき、、、 おいテツト」
「なに?」
「お前の隣にいる女の子はまさかフィルメニア殿下か?」
「おう よくわかったな!」
「久しぶりなのじゃ!ベルガルド 息災であったか?」
するとベル爺は跪き
「はっ! 殿下もご壮健でなによりでございます」
「うむ 皇帝陛下との約束も守っておるようじゃな やはりベルガルドをこの街に住ませたのは正解なのじゃ」
「殿下の計らいによって自分はこの街にいることができます このご恩は一生 忘れません」
「ん?約束?計らい?どゆこと?」
「あぁ それはじゃなベルガルドが九軍神を引退する際 皇帝陛下からぜひ帝都で鍛冶屋をしてくれと頼まれたのだが しかしベルガルドは生まれ故郷のこの城塞都市トルガルドで鍛冶屋を開きたかった それを誰にも言えずにおったところをわらわが気づいての それを皇帝陛下にどうにかならんかと相談したのじゃ」
「そうなのか さすがフィル でその約束っていうのは?」
「それは 皇帝陛下とベルガルドとの約束なのじゃ トルガルドにて後進の育成に励めとな」
「なるほど それで俺にカウザルギーを渡してきたってことか」
なんか 美味すぎる話だとは思ったけど そういう事情があったのね
「しかし殿下 そのテツトと殿下はどういう関係なのですか?」
「わらわと哲人か? それはもう決まっておるよ」
そういうとフィルはいきなり首筋に抱きついてきた た あ なんか柔らかい それにいい匂いが・・・へ?
「ふぉっ?!」
「ははっ哲人も 面白い声を出すな」
「あ いや うん いきなりでビックリしたから」
「殿下? あの これはいったい・・・」
「む 皆まで言わせるつもりか」
「い いえ察しました しかし殿下は正直 そういうことにあまり興味がないのかと、、、ういた話の一つも聞いたことがありませんし」
「それはもちろんじゃ わらわは哲人以外興味がないからの」
「・・・そうですか ですが殿下哲人とそういう関係になるためには 相当な困難が待ち受けております」
「それは もちろん 承知のうえだ そこで一つ頼みがある」
「なんなりと」
「哲人を九軍神にしてやってくれ」
「!!! そ それは」
そのベル爺の表情をみたとき その困難が容易に想像できた
そして その困難が己の想像をはるかに上回っていることも
「哲人 ちょっと殿下から離れろ」
フィルが露骨に嫌そうな顔をしている でも可愛い
「フィル 一旦はなれようか」
「む 哲人がいうのなら」
「哲人 おまえに問いたい おまえは九軍神を目指す覚悟はあるか?」
「・・・覚悟?」
「そうだ たとえ四肢が落とされようと 腹から臓腑が出ようと 口から血反吐を吐き出そうと
敵に立ち向かう覚悟はあるか 四肢が落とされ一秒後に死のうとしていても敵の喉元に食らいつく覚悟はあるか?」
「それは・・・・・」
「絶・対・に・勝・て・な・い・困・難・に・己・の・す・べ・て・を・賭・け・る・ ・覚・悟・は・あ・る・か・?・?」
「・・・・・・」
なにも いえない 覚悟ってこんなに重たい言葉だったんだな
「まあ こんなこと 急に言われても困るだけだわな そこでだ 一つ提案がある」
「提案?」
「俺と決闘しろ もちろん命を賭けたものだ 俺もお前を殺しにかかる お前も俺を殺す気でかかってこい 俺が 納得したら弟子にしてやる
納得しなかったら 俺がその場で殺してやる」
なんでだろうな 怖いはずだとんでもないことを言われているなのに
どこか安心している自分がいる
「な おい ベルガルド! それは「殿下は黙っていてください」!!」
「テツトどうだ? やるか?やらないか?」
あぁ 畜生こえェよ こえェよ 覚悟?できるわけないだろう そんなもん
けど!
「哲人・・・」
目の前の世界で一番 大切な女の子が俺をみている 不安そうな顔で
だったらやることは一つだろ 口角を無理やり吊り上げ
「や やる やぁやってやるよぉぉぉ」
ほとんど 泣きかけながら答える
すると ベル爺 否 鎚神ベルガルドは口角を吊り上げ
「よく言った!」
とこたえる
かくして少年の無謀な戦いは始まる
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