第7話 フィル・・・?
転移陣は発動し視界は真っ白に染まる。
この真っ白な視界が晴れれば間違いなくヤバい場所に行ってしまう! 。
しかし
(上等だ! おれはあきらめないぞ)
あきらめられない まだ死ねない 生きなければならない
フィルとの約束を果たしていない
覚悟を決める あの子との約束を果たすために
そうして覚悟をきめたとき 視界が晴れる
まず目の前にいたのは
骨隆々とした肉体 肌は黒く無数の傷跡がついている 背は2メートルくらいありそうだ
そして片手にハンマーをもち まさしく今
熱い剣に向かってハンマーを投げ下ろす筋肉がいた
目があった ここは鍛冶屋か?
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
お互いに 誰だこいつ? といった感じで顔を見つめあうこと一分
まぁ 取りあえず
「あの すみません もしよろしければこの紐を解いていただけませんか」
「あ あぁ 分かった」
そして ハンマーを置き俺の前まで来る
「ふんっ!」
なんと素手でこの紐を引きちぎった!
「まじか」
そういわずにはいれらない
「あ ありがとうございます あともう一つお伺いしたいのですが ここはどこですか?」
「ここ?この街か? この街の名はトルガルド リードルフ帝国の南に位置する城塞都市だ」
帝国?城塞都市?どういうことだ?
おれは大樹界に転移したはずでは・・・
「確認したいのですが ここは大樹界ではないですよね?」
「そりゃそうだろ 確かに大樹界は近いけどな」
ということは
「ざまぁねぇな あの王女ミスをしやがった」
「なに言ってんだ?お前 ところでお前何者だ?」
「あ えっと私は「敬語は無しだ」えっ「敬語じゃなくていい」そうですか」
「えっと 信じてもらえないと思うけど俺は異世界来たんだ」
これ信じてもらえるかな
「はぁ なに言ってんだ おめぇ」
これ 時間かかるな 事情を説明するの
そうしてなんとか事情を説明し終わると
「ふむ なるほど王国が勇者召喚か いつかやるかと思ってはいたが 早いな ところで一番大事なことを聞いていなかった お前さん 名前は?」
「黒鉄」と言いかけ言葉に詰まる
クロガネ この名前を名乗っていいのだろうか
あの王女さんは恨みがあると言っていた
あまり自分に不利になるようなことは言いたくない
「俺の名前は哲人だ 爺さんは?」
「ベルガルド 周りはベル爺と呼んでいるな 」
「ベル爺か・・・まずはありがとう」
そう言って頭を下げる
「おめぇ これからどうするんだ?」
「・・・それは・・・・」
言葉に詰まる 本当にどうしていいのかわからない
「なぁおめぇ 異世界転移したんだよなと いうことはそれなりの力はあるよな?」
なぜ それを? 今は聞かなくていいか・・・
「いや それが自分の体温を上げるあまり使えない魔法で...」
「ほう 面白いな ちょっと待ってろ」
そういうとベル爺は奥の部屋に行ってしまった
面白い?どういうことだ?
頭が混乱している そうしているとベル爺が戻ってきた 何かをもっている
「待たせたな」
「いやいや別にそれは 籠手?」
「おう これはカウザルギーって名前の籠手だな」
「カウザルギー、、、」不思議な響きだ
目の前に籠手を差し出される
「はめてみろ」
「えっ でも」
「いいから はめてみろ」
言われた通りにしてみる
サイズがピッタリだ
「よし目を瞑れ そして魔法を使え」
「いや けど」
「いいから やってみろ 」
しゃーない やってみるか
目を瞑る 集中し魔法を発動する そしてら体が熱く
熱く あつく、、、、ならない?
「えっ?」
目を開ける そして籠手を見ると
籠手にはめられた赤い石が紅く光っていた
「え これは?いったい?」
「その籠手 カウザルギーは魔力を集めることができるのさ しかもその魔力の性質を残したままな
よし目を瞑れ そしてイメージしろ 今 その籠手にお前の紅い魔力が集まっている その魔力をそこのコップに移すように触れてみろ」
コップの位置を確認し目を閉じ再びイメージする おれの紅い光が集まっている手 そしてその紅い光をコップに移すように 触れてみる
「はっはっはっ 上出来じゃあねえか 目を開けてみろ」
目を開けるとコップはドロドロに溶けていた
「!!!!!」
驚いた こんなことができるなんて
「哲人 取引しないか?」
「取引?」
「あぁ その籠手やる」
「えっいいのか!」
「勿論 条件付きでだ」
「・・・条件は?」
「簡単だ この街で冒険者をやれ」
「冒険者?」
「あぁ この街がリードルフ帝国の南にあることはいったな そして大樹界の脅威はこの街にもきている
帝国軍が大樹界に接する国境全体に大規模な戦線を構築している だが大樹界から出てくる魔獣を全部を討ち取ることはできない この街にも討ち漏らした魔獣が来るのさ それを打ち取れ」
「・・・危険だな 死人はでているのか?」
「当然だ 魔獣は強いだが哲人 お前には戦う力があるな」
「・・・そうだな もとよりこれ以外の選択肢はないだろう」
「生きろよ 元の世界に家族がいるんだろう 生きて帰らねぇとな」
「残念ながら おれの両親はいない 死んじまった」
「・・・ そうか それは悪いことをいったな」
「いや いいよ で冒険者になるためにはどうしたらいい?」
「冒険者組合 ギルドに登録してきな 誰でも登録できるし 大丈夫だろ」
「じゃあいって来る 場所は?」
「この店をでて右に真っ直ぐだ」
「そうか じゃあいって来るあっでもこの格好で大丈夫か?」
そうえば制服のままだ
「あぁそうだな 面倒ごとは避けたいな
そこのマント羽織っていきな」
「じゃあ いってくるな」
「おう!」
マントを羽織り店をでる
看板をみる 鍛冶屋ベル ね
今日はついてる なんて幸運なんだ 最高だ言われた通り右にいってみる
あっでもおれこの世界の文字・・
あれ さ・っ・き・ ・読・ん・だ・こ・と・の・な・い・文・字・が・読・め・た・
これも異世界転移の効果なのか?
「まぁいいや さて組合ギルドはあそこか」
そうやって組合ギルドに入ろうとした時
雷に打たれた そう錯覚した それほどの衝撃
数秒間 固まっていた 呼・吸・す・ら・忘・れ・て・
だってあそこにいるのは 忘れもしない
露草色の髪 驚くほど白い肌 ややけだるそうな紫紺の瞳
ローブを着ているためか 尻尾と角は見えないが
おれが探し求めた女の子幾ら絶望しようともあの子を思い出せば勇気が湧いてくる そうその子は
「フィル」
声をかけようでもなんて言えば そうこうしているうちに
「魔獣だーーー! 城塞都市に侵入してきた!逃げろ!」
その声と同時にその場はパニックに
「魔獣?こんなときに?」
や やばい フィルに声を掛けて逃げなくては
そう思った時 フィルのちょうど背後にある家の上に一匹の禍々しい狼のような獣がいた 黒いそして全身からこれまた黒い煙のようなものが出ている
ま まさかあいつ クソッ間に合うか!
魔獣がフィルに向かって飛びかかる態勢だ
「逃げろ!危ないぞ!」
声を張り上げる
しかし 群衆がパニックを起こしている フィルの下まで声が届かない!
しかし体がは動かない・・・
「なんで?」
手が震えている そして冷たくなっていた
哲人は現代日本で育った人間だ
田舎故に獣を見る機会はある
しかし
その狼のような魔獣はとにかく怖い 見た目からして禍々しい
哲人の心は極めて原始的な感情に支配されていた
即ち 恐怖
まぁ 無理もない この世界に飛ばされて間もない 戦闘の経験もない
誰も責めない むしろ魔獣相手に素人が突っ込むよいう愚を犯さなかった
極めて理性的な判断だ
で?
そんなことをすればほかでもない
哲人自身がそんなことを許すわけがないだろう
目の前の魔獣に目を凝らす
例え肉壁にしかなれなくてもフィルには指一本触れさせない
覚悟を決めたその時
何かが哲人の中に流れ込んできた
それはこの籠手の使い方
それを頭ではなく心で理解した哲人は
走る
「フィルに何すんだ!テメェ!」
魔獣の横顔に拳を叩き込む そしてそのまま籠手を通じてありったけの魔力も流し込む!
すると、、、魔獣が赤くなったと思ったら
弾けた
「はぁ はぁ はぁ はぁ はぁ」
い 息が落ちつかねぇ くそっフィルに声をかけることが・・・
あ あれ な なんか 頭がクラクラしてき
ドサッ あ 倒れた 道端の石が目の前にある
「大丈夫か!お お主 まさか!」
やばい聞き取れない 意識が、、、
組合ギルドの建物の前にて二人の少年少女がいた
少年は気絶 されど
少女は泣いていた 目を感情で一杯にしていた
感動で 嬉しさで 戸惑いで しかし
「うぅ て 哲人 な 、、、、のか、、、、お、、、主は、、、、、て 手当てを、、、、だ 誰か! 手を
貸してくれ!」
泣くのをやめ今は少年の手当てに集中する
そして少女に声をかける組合ギルド職員
「フィルメニア様!お怪我はありませんか?」
「バカモノ!わらわのことはいいからこの者を手当てせよ」
「その人はどなたですか?」
「命の恩人じゃ ほれそこの魔獣を狩ったのも この者じゃ」
「・・・・・・これ魔獣ですか?原型留めてないですけど」
「なんでもいい組合ギルドの建物の中に入れ治療せよ」
「了解しました」
こうして 少年は少女と再会した しかし
少年と少女の本当の戦いはこれからである
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