第6話 王国の現状

さて能力テストが終わり日も暮れてきたので

各々が部屋に入り休むことになった

勇者というだけあって凄まじく豪華な部屋が用意されていた しかも個室最高か

そんな部屋で乾いた笑いを放つ少年とその少年を案ずる少年が一人

ふっふっふっふっ 


「テツ大丈夫か?笑ったのは謝るだから普通に戻ってくれないか マジで悪かったから」


修二は何を言っているのか 全くアニメをもっと見ろ


「修二 俺は至って普通だぞ ふっふっふっ」


「・・・じゃあ なんで笑ってるんだ」


「簡単だ これが俺の真の力なのわけないからだ 

別にそんな珍しくないだろ アニメでよくある展開だ

しな」


「・・・・そうだな」

しかしまぁ


「はぁーーー 凹むな」


「ま まぁそのなんだ そんなに凹むな まだお前の力にも使い道が「ねぇよ」・・・」


「さっき実験しただろ それでどうなったよ汗はかくは 体温上がって体がクラクラするわ 死ぬかと思った

お・れ・自・身・も・熱・く・感・じ・る・ということは上げれる温度も限りがある人間の体温は40度くらいが限界40度なんてちょっと熱いお湯だ とても戦えない」


悲しきかなこれが現実 40度まで体温を高めてなんになる しかしもその時間はおれも熱く感じる即ち自殺行為


「はぁーーーハードモードは覚悟していたがここまでか 」


不味いな これではあの子に会えないかもしれない

割と本気で焦り始める


「テツ 一つ確認させてくれ 諦・め・な・い・よ・な・」


修二のそんな懸念を吹き飛ばすように胸を張り答える!


「当たり前だ 手は考えてみるが実質的には手詰まりだ でも この世界で待つあの子の そうフ・ィ・ル・のためにおれは諦めないぞ!」


「そうだな それでこそだ」


「けど ちょっと頭が煮詰まってきた 王城内を散歩してくる」


「そうか そんなに遅くなるなよ」


「おう」


あー威勢良く啖呵切ったはいいが全然策が思い浮かばん しかしアニメの主人公ならこういう時も足掻くだろう だったら自分も足掻くだけだ



王城内を散策して30分経った

そしておれは今 人生史上最大のピンチを迎えていた

早まる心臓の鼓動 荒い息 くそっなぜだ なんでこんなことに


「迷った・・・・」


この城まじで広い 灯りはあるけど薄暗いし やばい怖くなってきた ん?あの部屋灯りがついているぞ

しかもちょっと空いてる

助かった 部屋の場所を聞こう


「ぁいじ、ぶ な、で、ょか」


誰かなんか言ってるけど聞き取れないな


「大丈夫なのでしょうか 姫様」


おっ 聞き取れた あの姫様の部屋かこれはノックしたほうがいいな そうやって木の扉をノック仕掛けたとき


「勇者召喚は 明らかな条約違反 帝国との関係も更に悪化します 下手をすればこちらが宣戦布告される口実になりかねません」


はっ?


「それに帝国が攻めてくれば皇国も二帝同盟に従い参戦してきます そうなれば どこも我が国を援助してくれません」


えっ?


「しかも 現在王国は孤立しつつあります


おい!


「大丈夫よ リリンだって帝国はそんなことをしてこないから」


「確証はなんですか」


「簡単よ メリットがないから それに帝からしたら今の方がメリットが多い」


「メリットですか」


「そう だって今回 王国は なぜ?勇者を召喚したの」


「大樹界と接する王国領土があまりに広く戦力が不足しているからです・・・」


「そうね そしてそれは帝国もよ 彼らがもし王国に攻めてきてそして王国が降伏したとしましょう それで帝国はなにを得るの? 私たちがこれまで守ってきた大樹界に一番接している王国領土よ 即・ち・ ・こ・れ・ま・で・王・国・が・負・っ・て・き・た・負・担・を・帝・国・が・負・う・こ・と・に・な・る・ もはやデメリットよ これ」


「確かに・・・そうですね でもクーデターを起こさなくても良かったのでは 」


「無理よ お父様・・・前国王は勇者召喚に反対だった 守るべき民草がいるのに絶対にそんなことをしてはならないと でももう王国は現状では王国民を守りきれない 戦力が必要なのは四聖騎士のあなたなら痛いほどわかっているでしょう」


「はい・・・それはもちろん ですが前回のようにならないでしょうか 私はそれが心配で」


王女さんとあのリリンっているエルフはなにを言っているんだ・・・と とにかくみんなに知らせなくては

焦らず ゆっくりと動け「ゴツっ」足をぶつけた!


「! そこに誰かいるの? リリン見てきて」


「はい 姫様」


やばい見つかる よしこういう時は 逃げる!

そうして走ろうとした時


「あなたは! 」


見つかった!普通に振る舞うんだ 普通に


「あ そのどうもこんばんは えっとあの ま 迷子にな なりまして」


タジタジだー こっちの目を見て話しかけてくる


「聞いていました?今の話を」


「は 話 な なんのことでしょう じ 自分はここを 通りかかった だ だけですよ」


「なるほど 聞いていましたか 失礼します」


えっ 消えた そしてその瞬間後頭部から鈍痛が走ってくる そしてそのまま気を失った



う うんここはどこだ

おれはなにを

ここどこだ?てゆうかなんで足と手が縛られている

そ そうだおれは 気絶させられて


「お目覚めになりました 哲人様」


「!」


あの王女さんとエルフがいる!


「お おれをどうする気ですか、こ ころされるんです」


「大丈夫ですよ 私達は殺しません」


「そ そうですか」


「ですがあなたには死んでいただきます」


「えっ い いま殺さないって」


「私・達・は・ね・だってそんなことをしたら勇者様たちに気づかれるかもしれないでしょう」


「!」


「あなたの足元にある転移陣 最近誤作動が多いんですよ 転移先は大樹界の旧戦線です 今はもう大樹界の中ですかね」


「じゃ じゃあおれは」


「獣の餌ですね やはりクロガネというのは忌々しいものです」


「な なぁそれどういうことなんだ あんたたちはこやクロガネという名前に恨みでもあるのか」


「いえいえ 恨みしかありませんよ」


「ど どういうことだ」

「あなたはもう死ぬので関係のないことです

では サヨウナラ」


足元の転移陣が光り始める や やばい

ぬ ぬけられねぇ 死ぬ!このまま死んでしまう!

早く抜け出さ その瞬間

視界は真っ白になり転移陣が発動した





少年がいなくなった部屋で話す少女が二人

どちらもあまりに浮かない顔だ


「・・・ 姫様 これで良かったのでしょうか」


「仕方ないでしょうこれしかなかった 私もこれで地獄に落ちるわね 」


「姫様が地獄に落ちるなら 私もお伴します」


「ふふっ 頼もしいわね」


王国を守る 民草を守る そのためならなんでもしよう

悪魔にだってなる そう決めた

マルセール王国 第ニ王女 現国王リリアリス

齢 僅か19歳にして壮絶な覚悟を決めていた少女

そして それに付き従う

マルセール王国 四聖騎士が一人 光聖 リリン


そうして 彼女は一人の少年を殺めた されど


「?」


僅かに違和感を覚えた リリス王女


「どうされました 姫様?」


「いえ 《転移陣の光り方がいつもと違ったような》」


この二人は気づいていなかった この転移陣を発動したとき 同時に


かくして少年の運命は動き出す



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