15.招待客と言う名の見世物
「とにかく、妹の意図がわからない内は、当たり障りなく、参加しておくしかないな……」
サレズィオ様の仰る通りに、ひとりひとりの応対を、挨拶と日常会話程度にしておく。
大抵の人は愛想がよく、訊いてくる事は、サレズィオ様とはいつからのつきあいなのか、どれくらい親しくしているのかとか、なんだか誤解されてるような事が見えかくれする内容ばかりだった。
「エルヴィス様のご縁ですよ。私はエルヴィス様の学友の一人ですから。彼女を紹介していただいて、時折話し相手を務めさせていただいております」
「妹も、同年代の友人として、親しくさせていただいててね」
サレズィオ様の仰る事を聞きながら、頷いたりにっこり微笑むにとどめる。
茶会だというのに、少しもお茶を飲んだりお菓子を味わったり出来ない。
夜会ではないので、ダンスがないだけましだった。
サレニアーナ嬢が、華やかに優雅に近寄ってくる。
「リィナリッテ様、お話を聞かせてくださいな? 昨夜、エルヴィス様の腕の中でどんなお気持ちでしたの?」
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