14.ささやかなお茶会の見世物


 ささやかな身内のみのお茶会って、丸テーブル1つ2つで済む、こぢんまりとしたものではないかしら?


 これは、殆ど、夜会を昼に持ってきただけでは……


 7つある丸テーブルには、アフタヌーンティー用に、一口ケーキやタルト、チョコレートやビスキュイ、スコーンにサンドイッチ、一口大に切り分けられた果物が盛られたガラスボウルやヨーグルト、何種類ものハーヴティー、紅茶に香茶、ホットワインまで用意されている。


 公爵家の名に恥じない、まるで小ホールのようなサロン。

 様式がフランスやイギリスが混在してる……?


 また、知らない国の名前が普通に出て来た。

 その事にため息をつくと、憂鬱そうに見えたのだろう。

「本当に済まない。事前に知っていれば、断れるよう根回しをしておいたのだが」

 サレズィオ様が申し訳なさそうに、小声で謝罪してくる。

 事実、気分は晴れないけれど、何も彼のせいではない。


「ご存じなかったのでしょう? 先程も申し上げましたが、お気になさらず」

「恐らく、君に断られないよう、わざと、私には招待状を出した事を伝えなかったのだろう」



 ここで不思議なのは、


 私が断ると、サレズィオ様が思われている事。


 事前に知っていれば、断れるように手助けするつもりがあった事。


 ご自身の妹君よりも私の、味方?というかこちらの立場から見ての発言をされている事。



 サレズィオ様と寄り添うように立っている私は、今、間違いなく、このお茶会の参加者全員の好奇の目に晒されていた。

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