4.朝日は一日の始まりの活力
あれから寝なおして、朝、年嵩の侍女が窓と天蓋のカーテンをひいて差し込む陽光に、昨日のつらさが嘘のようにすっきりと目が覚めた。
夜ゆっくりと休み、朝、朝陽を浴びて体内時計が調整されて心地よく起きられるように設計された寝室なんだと、感心した。体内時計?
それとなく話にあげると、私の髪を丁寧にとかしながら、メリルが笑いながら答える。
「なに自画自賛されてるんですか。お嬢さまが、朝陽を浴びて目覚めたいと仰られたのではありませんか。朝陽で目覚めるのが体に良いのだとお聞きしましたよ?」
それも、7つくらいの時の話だという。現在の私は15歳のようだ。八年前にその話を聞いて、当時10才で私の世話を始めたばかりだったメリルは、三つも年下の子なのに賢い人なのだと感心したそうだ。
同じか年下だと思っていたメリルは、年上の18歳だった! そちらの方が衝撃である。
最初は遊び相手から始まり、身のまわりの世話をする小間使いに、私が正式にエルヴィス様の婚約者として社交デビューしたのを機会に、侍女へと昇格したらしい。
10才そこそこで奉公に出ることも、中学生くらいに見えたメリルが18歳だったことも、私には驚きだった……
中学生? また、よくわからない言葉が浮かんだ。
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