15.思い出せないのに、恋してる?
彼の言い分が本当なら、私たちは以前から両思いで結婚する間柄 という事になる。
「でも、その、具合もよくありませんし、ドキドキし過ぎて苦しいのです」
「ふふふ。具合はよくなくても、気持ち悪くはないんだね?
良かった。触れられたくない、気持ち悪いと言われたら、しばらく立ち直れないところだよ」
今は、落ち込んでくれてた方が、私の心臓や呼吸のためにはいいような気も……
「熱もあるようだし、真っ赤なままだね。……わかったよ、今は、おとなしくしてようか。でも、居場所はこのままだ。それは譲れないよ?」
あからさまに残念そうな表情をして、髪や耳元、首筋などにすり寄るのはやめて、ただ抱き寄せるだけになる。
それでも、
私の家につくまでの時間にして小一時間、約一名を除いて、居たたまれない空気が漂っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます