8.ここはお城、私達……結婚するの?
「いえ、譬えそうだとしても、自慢する事ではありませんから……」
「君は、昔からそうだね。派手な事や贅沢を好まない、貴族令嬢としては珍しくつましい、出過ぎず欲張らない、よくできた人だよ。自慢の
顔に集まった熱が下がらず、真っ赤で恥ずかしがる私に、多少は遠慮したのか、力は込めず、そっと抱き寄せられた。
「あ、あの!」
「うん、まだ少し熱が残ってるみたいだね、温かい……というより、熱いよ?」
メリルが慌てて、氷嚢を包んだ厚手の手拭いを差し出した。
「身仕度が完成間近に、ふらっと意識を失われて……だから、私はお止めしたのです。意識をなくされる程に体調がよくないのに、夜会に出るなんて危険すぎます、と……」
「そうだね。これでは、今夜は踊れないし、重ね着して重いドレスのせいで具合が益々よくなくなって、食事もまともに摂れないかもしれないね」
「え? あ、あの……きゃっ」
ますます熱量が上がりますよ、こんなの!
自称?
お姫さま抱っこ!! 乙女の憧れ、夢のお姫さま抱っこが現実に……!
しかも、私を抱え上げる青年は、まばゆい限りの、宝石細工のような整った容姿で、使用人がうかうか言葉をかける事は赦されない、とても高貴な身分の人!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます