6.ここはお城、あなたは……身分の高い方なのかしら?
心臓がうるさくてかなわない。
シャンデリアに負けないきらきら具合で微笑みかける青年。
年の頃は……白人は私たち日本人より大人びて見えるものだし、成人前……くらいかしら?
「リナ?」
「あ、あの……」
顔に熱が集まるのを感じる。きっと真っ赤だろう。青年も、困ったように微笑んで、背に回していた手をそっと離す。
「相変わらず、恥ずかしがり屋だね。母の前ではあんなにシャンとしているのに」
そ、それは、お母さまの前では緊張して固まってるのが、偶然うまい具合に、知的にお澄ましして見えるだけなのよ……!
ん? お母さまって? この流れだと、この青年の母親の事……よね?
私、この方の母上にお会いしたことがあるのかしら?
「お嬢様、やはり無理はなさらない方が……」
今まで気づかなかったけど、テラスへ出られる扉のそばのカーテンの影に小柄な女性がいて、声をかけてくる。
メイドのようなお仕着せっぽい紺色のエプロンドレスに、飾りをつけずに纏めただけのオレンジ色の髪。鼻の上に散らばったそばかすもチャーミングな、愛らしい少女だ。
「メリル。リナはどうかしたのかい?」
「直接話すご無礼、お許しください。
お嬢様は、夜会の準備中に一度お倒れになられたのです」
青年にメリルと呼ばれた少女は、目を合わさずに俯いたまま敬礼し、断りを入れてから答え始めた。
やはりこの青年は、身分の高い方なのだわ。
「どういうことかな? 詳しく話してくれないか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます