第九章二十四章 激戦
「何の策も無く正面から来るとは!」
「それは貴様も同じではないか?」
目にも止まらぬ速度で交差した2台は、互いに剣を振り抜く。
どちらの攻撃も命中していたが、
「ただの
「無論です。今の
「オーリカルクミア……リラの持っている、異国の希少金属か」
「流石は
オーリカルクミアとは、平たく言えば「非常に頑丈な金属」である。
だが、シュランメルトは即座に狙いを切り替えていた。
(闇雲に装甲を狙っても弾かれる……。ならば、関節を狙うか)
即座に
「ッ、硬いな! 関節ですらこの強度か!」
一撃は入れたものの、予想外の硬さに思わず叫んでしまう。
(だが、関節は装甲が無い以上、強度は多少劣る。狙うならそこだ……)
「シュランメルト、急上昇して!」
「むっ!」
と、突然のパトリツィアの指示に、シュランメルトは反射で応じる。
刹那、先ほどまで
「タケル達の援護か。多少被弾したところでどうにかなるものでもないが……助かった」
「いいの、それがボクの役割だから。ところでシュランメルト、フリューゲに当たったら流石にマズいよね?」
「そういう事か。確かにまずいな」
やり取りをしながら、
タケル達の放った光弾は命中していたが、大したダメージにはなっていない。
「だろうな。だが、注意はこれで
シュランメルトはあくまで冷静に、大剣の切っ先を
そして素早く、三連続で
速度を重視して放った
しかし
果たして――
「まだだ。行くぞ」
それだけにとどまらず、シュランメルトは
「させませんよ!」
だが、
と、シュランメルトがヘルムフリートに呼びかけた。
「聞こえているな、ヘルムフリート? タケル達を実験に用いて、その後はどうするつもりだった?」
「どうもしませんよ。生き延びたならまた使い、死んだらそれで終わりです」
「やはりな。貴様には倫理観が欠けている」
「倫理観はあるつもりですよ?」
「笑わせるな。アンデゼルデの者だろうがそうでない者だろうが、同じ人間だ」
互いに言葉を交わしている間も打ち合い続け、ついに
「そろそろ潮時だな、ヘルムフリート」
「そうですね。貴方が負けるという意味での潮時です」
「どういうことだ?」
「こういうことです!」
一瞬の隙を突き、
「む、動きが……」
「いくら神速を誇るその機体であっても、動けなければどうにもならないでしょう!」
ヘルムフリートは勝利を確信しながら、内側の手で拳を作り、構える。
「では、お覚悟を!」
「フッ、この程度で動きを封じたつもりか。笑止」
「む!?」
だがシュランメルトは、余裕の笑みを浮かべていた。
「シュランメルトー、腕動かないよー? どうするのー?」
「確かに
シュランメルトは自身の両手に触れる半球状の入力装置に思考を送り込みながら、告げる。
「ならば、機体全体を動かせば良い事だ。
「どういう意味……きゃあああああっ!?」
そして、
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