依頼13『仲間達から』

ロメイトとハイネウスは情報で得た啓示が悪魔デビルズの時間タイムの効果がなかったことを報告にアジトへと戻る。


そして




「おう、お前らからも報告があることは分かる……効かなかったんだろ? 啓示とかいう男にお前の能力が」




とアメナガスは入ってきて早々に2人に行った。


ロメイトは




「そうなんだよ!! 何なの!! 私達悪魔と契約した者が動くのは分かるけど何であんなのが動けるの!! 動かしてたのはあのレイミーとかいう女だけだったのに!! まあ時々止めて斬ってたけど……でもそれだけだよ!!」




と慌てながら言った。


ハイネウスも




「やっぱり一筋縄ではいかないのね……やっぱり私がサポートに回って良かったわ……分かっていなければ今頃ロメイトの正体がバレていた可能性があるかもしれなかったし……」




と冷静に言った。


ロメイトは




「ありがとうね! ハイネウス! 逃げられたかもしれなかったけど、ハイネウスがいたからこそ完璧に逃げることが出来たよ!」




と言って嬉しそうにハイネウスに抱き着く。


ハイネウスは顔を赤くして




「もう……嬉しいこと言わないで……」




と言った。


アメナガスは




「だがお前らの知っていることだけじゃない……勇者のもう1人の舞とかいう女までもがあの能力を回避している」


「!! はああ!! マジかよ!」


「……でも合点がいくわ……2人の共通点は勇者……つまり勇者は私達の悪魔から貰った能力の影響を受けないということね」




と言った。


アメナガスは




「まあそうだな……私達自身も悪魔と契約しているからこそ互いの能力の影響を受けないんだろう……一番分かりやすいのがロメイトの能力だしな……」




と言った。


そしてハイネウスは




「でもこれじゃあロメイトの能力を行使して暗殺が出来なくなったわね……」




と判断する。


するとアメナガスは




「いや、奴らはまだロメイト能力しか見ていない……それにあの王も多分我々のことを気づいてはいるが自分の過ちを気づかれたくない一心で私達のことを知らないふりをして魔王のせいにした、つまり分かるか?」




と2人に聞いた。


ロメイトは




「つまり私が能力を使えば仲間の誰かが殺されるのは分かるが誰がやったかまでは分からないから悪魔の時間の能力を使って全て魔王がやった事にすれば何も問題はない……それにテキパキと仲間だけを殺せば後は勇者だけを殺すだけで済むってわけだね!!」




と嬉しそうに言った。


アメナガスは




「まあそうなる、他の方法で殺すと複数人だということがバレる、確かにロメイトの能力は勇者側からしたらあからさまだがハイネウスが逃がす訳だからその方法を使っていけば逃げる方法までは分かることはない……なあ? ハイネウス?」




と聞くと




「そうね、私の能力自体はロメイトを逃すのに打って付けよ! あああ!! 私がロメイトの力になれるなんて!! 嬉しいわ!!」




と言って歓喜するハイネウス


ロメイトは




「まあそうだね!! まあ苦しいけど頑張るよ!」




と言って嬉しそうにする。


すると




ガチャ




とイナミが入ってきた。




「話聞かせて……何かあった?」




と静かに聞いた。




「おう、イナミ! 取り敢えず話していたことを伝える」




と言ってアメナガスはイナミに情報を共有する。




「なるほど……ロメイト? ……この作戦の意図気づいてる?」




と聞いた。


ロメイトは




「知ってるよ!! 私が首を持ち帰るのが増えるってことでしょ!」




と嬉しそうに言った。


イナミはアメナガスに




「こうなるの分かってて……ロメイトに……中途半端な説明しか……してないでしょ?」




と呆れながら言った。


アメナガスは




「まあね、イナミが来てからもっと詳しい話をしようかと、なあ? ロメイト? 私がいつお前が暗殺して良いって言った?」




とニヤ突きながら言った。


ロメイトは




「……どういうこと……私が殺すんじゃないの?」




と呆けながら聞いた。


アメナガスは




「いやいやいや……何言ってるんだ……お前も言ってたろ? テキパキと暗殺するって……」




それを聞いてロメイトはハッとする。




「まさか……私が時間を止めている間にイナミが殺すの……」




とガッカリとしたように聞いた。




「当たり前だろ……」




と言った。


それを聞いて




「ションナアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」




と泣きながらロメイトは膝をついた。




「あーあ……アメナガスが泣かした……」




とイナミは呆れながら言った。


アメナガスは




「まあいいじゃないか……今までだって絶望の顔を手に入れられなかったこともあったろ? 魔王はお前に任せるつもりだったからな、それで許してくれ」




と言うと




「了解した! 任せてくれ!! この任務は遂行する!!」




とキリッとした顔で敬礼をした。


それを聞いてイナミは




「まあ、魔王はロメイトに……任せた方が良いかも……」




と言った。


ハイネウスは




「確かに……でも魔王に能力は効くの?」




と言うと




「それも取得済みだ、ロメイトに事前に入って貰ってたんだ」




と言った。


ロメイトは




「イナミちゃんが四天王を殺す際に一緒に忍び込んだの私だよ!! 依頼の場所も近かったんだ! それで魔王のどこまで行けるかを確認した時に魔王も悪魔の時間の効果は効いてたよ!」




と嬉しそうに言った。


ハイネウスは




「本当! でもどうして私達や勇者は効かないのに魔王には効くの? おかしくない?」




と疑問に思うと




「まあデマフォス・レイザ・ハイドに話を聞いたんだが、まあ考えれば確かにそうかもなって思ったよ」




とアメナガスは言った。


ハイネウスは




「どういうことなの?」




と聞くと




「まあ昔兵士と現代の兵士ではどっちが勝つってことだ」




それを聞いてハイネウスは




「なるほどね、確かにただの棒や石では鎧を着た兵士には効かないわね、それに今は魔法を使える者もいるわけだし昔は死ぬような呪術だって現在では解除方法が分かってるぐらいだし悪魔も日々進化してるものね、古臭い悪魔が勝てるわけがないってことね」


「そういうこと! 分かってくれて嬉しいよ! なので魔王はロメイトに任せる! でもロメイトも油断はするな! 魔王は強敵ってことは分かっておけよ!」




と言うと




「了解! 絶望はさせるけど絶対に暗殺は成功させるから!」




と言って嬉しそうにする。


すると




「ただいまああ!」


「ただいま」




とナリアとノリアも帰ってきた。


それを見てロメイトは




「おお! 2人帰ってきた! 依頼お疲れええ!!」




と言って機嫌良さそうに言った。


2人は




「何? どうしたの?」


「何かあったの? ロメイト?」




と聞いた。


アメナガスは




「魔王を任せるって言ったから機嫌がよくなったんだ」




と言った。


2人は




「ちょ!! 何で!!」


「私達が暗殺する可能性はないの!!」




といきなり言われたことに驚いた。


するとアメナガスは




「お前らにもちゃんと報酬は払うから大丈夫だろ? 四天王もお前らのにも頼むし」




と言うと




「まあそれならいいか……別に私たちは人殺しがしたいわけじゃないし、金が欲しいだけだし」


「そうだね、この2人と違うしね」




と言ってナリアもノリアも納得した。


それを聞いて




「2人はお金以外興味無いの?」




とハイネウスが聞くと




「まあ、別に美味いもん喰って欲しいもんかったら別に」


「暗殺も儲けれるからって聞いてやってるだけだし……」




と言った。


それを聞いて




「まあ意外と普通の理由なのね」




とハイネウスが言うと


ナリアは




「まあ今してる仕事だけでは食っていけないしなあ、仕方ないよ」


「お姉ちゃんの言う通り、税金が高いんだよ……全く……ほとんど残らねえ」




と言って国事情について文句を言っていた。


そして、




「まあそういうことだから、お願いな、それに勇者を暗殺するにもお前らが依頼を受け持ってくれないと私達が動かなくなったことを勘付くかもしれないからそれも立派な仕事だ、ほら、報酬な」




と言って今回行ったナリアとノリアの報酬を貰った。




「やっほ!! 本当に全部言いの皆!!」




とノリアは嬉しそうに言った。


それを聞いてロメイトやハイネウスは




「まあそうだね! 皆で決めたことだし!! 私も勇者以外の奴らを暗殺していいってことで手を打ったし! それにお金なら鍛冶でも稼げてるし!」


「私も化粧品会社で稼げているから大丈夫よ」




と言った。


ナリアは




「アメナガスは平気なのか? 妹さんとか?」




と聞くと




「私ロメイトの鍛冶屋の受付だし結構貰ってるから大丈夫、税金は高いが何とか切り詰めてやってる」




と言った。




「え? そんなにたくさん渡してたっけ?」




と聞くと




「お前の金銭感覚おかしいからな……普通に2人姉妹暮らす分にはなるよ……」




と言った。


ナリアとノリアは




「なあ、ロメイト? 私らも雇ってくんね?」


「そうそう、雇って」




と聞くと




「受付はアメナガス1人でいいかな」




と言った。


2人は




「チ、糞」


「ケチ」




と悪態をつく。


するとアメナガスは




「はいはいはい! 勇者一行の1人を暗殺したから次あいつらも油断はなかなかしないだろうけど必ず1人になる時がある、その時が我々の実力を見せる、イナミ頼むぞ」




と言った。


イナミは




「了解……でも……いつになるか分からないよね……」


「まあそうだな……そこが問題だ……だがあいつらも武器をちゃんと新調しないと魔王退治に向かうことは出来ないだろう、情報だとあのレイミーというアイテム使いに見てもらって防具や武器を新調するつもりだろうからな」




とアメナガスが情報を言うと




「まあ私も忙しいからあいつらの武器や防具を見ることはないしね」




とロメイトが笑いながら言った。


イナミは




「そういや何で忙しいの?」




と聞くと




「魔王暗殺の為に武器を作ってるの」




と言った。


それを聞いてイナミは




「皮肉だね……勇者一行が使いそうな……武器を作ってるのに……」




と言った。




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その日


勇者一行は王の間から出た。


そして、




「レイミー……本当にすまない」




と言って啓示はレイミーの死体を降ろす。


舞も悔しそうに見ていた。


ベクレール王の計らいにより王城の庭にレイミーの死体を埋葬してもいいということになった。


そして、首が無くなっていた為完全ではないが手足を元あったところに置いて開けた穴に土を被せ始める。




「お別れなんだよな……」




とラベルは言った。


舞は




「そうだな……」




と言う。


リストアは




「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛……」




と涙をずっと流していた。


レジリアは背中を擦りリストアを慰める。


ダベダルドは




「レイミーは本当に良い奴だった……」




と俯きながら言った。


ラベルは




「俺はあんたたちといた時間が短いが……やはりつらいよ……」




と言った。


シャーレ―は




「私だって同じですよ……ラベルさん……昨日会ったばかりではありますが……どうしてこんなことがとあの時どうにか出来なかったのかという後悔ばかりです」




と言って同じように涙を流す。


そして、完全に埋め終り皆レイミーとの別れに涙を流した。


その後皆は部屋に戻るが




「取り敢えず皆今日は離れないように一緒にいよう……時間停止の能力がいつ来るか分からないからな」




と舞が提案する。


その言葉に誰も反論することはなかった。


その後皆離れることはなく同じ部屋で話し合った。




「レイミーが殺された……だが武器の新調をして挑まないと魔王に勝てることはない……レイミーの為にも魔王を必ず倒さないといけない……自分に合った武器を自分で探すしかない」




と言った。


ダベダルドは




「ワシは大丈夫だ、自分に合った斧ぐらいは分かる……しかし、レジリアは弓を使いが接近された際の剣とかラベルは自分に合った短剣とか分かるのか?」




と聞かれた。


レジリアは




「正直故郷では弓しか使っていなかったからレイミーに言われて初めて剣は使った……あいつに選んで貰っていたから正直分からない」




と言って


ラベルは




「俺も盗んだ剣ばっか使っていたから正直どうでもいいと考えているからな……だが魔王退治の際自分に合った武器が必要なのか持って思っている」




と言った。


それを聞いてリストアは




「ダベダルドが2人の武器を選んだら? 鍛冶のことは少しぐらい分かってるみたいだし」




と言ったが




「すまない……ワシは自分の斧の選び方は分かっておるが剣とかだと勝手が違うからな」




と言ってあまり役に立てないことを伝える。


それを聞いて舞は




「やはりあのロメイトと言う人にお願いするしかないのか……」




と言った。


ラベルは




「だがあいつは難しいんじゃねえか? だって俺ら今日作ってるものを台無しにしたって言って追い出したじゃねえか、多分滅茶苦茶気にしてると思うぜ?」




と意見を言った。


啓示は




「だがそれでも今の装備でいけるとも思わない……アイテム使いのレイミーが死んだ今……回復や強化を全てシャーレ―にお願いするしかない……ならば武器を整えないと今は難しいだろう……」




と言った。


すると




「ねえ、あの男の人はどう? だってお父さんが元鍛冶屋って言ってたでしょ、その受付のアメナガスさんが置いている場所をを開けてもらえれば選んでくれるかもしれないよ!」




とリストアが提案した。


それを聞いてランチェルは




「確かに……その手があるな……あいつだって独学ではあるが少しは分かるんじゃないか?」




と少し希望を持った。




「私もいいと思う、何にも分からない自分たちより見て来た人間に選んでもらった方が良いし」


「俺もいいぜ、どうせ見たって訳分からんし」




と言ってリストアとラベルは了承する。




「よし、取り敢えず明日行って選んでみよう!」




と言って予定が決まる。


すると舞は




「ちょっと出ていいか? 調べたいから誰かいっしょについて来てくれ」




と言う。


それを聞いてリストアが




「じゃあ私が行くよ!」


「気を付けろよ」


「何かあったらすぐに戻ってね」


「今持っている武器で対抗するから」




と言って皆心配した。


ランチェルは




「もし何かあったら俺が守るから」




と舞に伝える。


舞は




「ありがとう、気を付けるよ、行こうかリストア」


「はい!」




と言って舞はリストアと一緒に部屋を出る。


そして、書庫へと入って行った。


リストアは




「何を調べるの?」




と聞くと




「ちょっとこの国の犯罪歴を調べようと思って」




と言った。


リストアは




「何で? そんなことして何の意味が……」




と言いかけたがリストアは




「もしかして……レイミーが魔王ではなくて犯罪で殺されたってこと?」




と聞いた。


舞は




「ああ、時間停止は魔法として聞いたことがないと言われているがそれは表向きの話だと思ってな……」




と言った。


リストアは




「表向きって……どういう……」




と聞くと




「ああ、もしかしたらこの国に裏の部分があると思ってな……」




と答える。


リストアは




「裏ってどういうこと? 魔王以外にも悪い人たちがいるの?」




と聞いた。


舞は




「ああ、私と啓示の世界にも犯罪組織という物があってな……この世界に来て魔王退治の事に気を取られていたがそんな犯罪を起こして金を儲ける者達がいるのではないかと思う……もしかしたらレイミーはそれに巻き込まれたのではないかと思ってな……」




と考えを話す。


リストアは




「じゃあなんであんな殺され方を……あんな酷い殺し方にいったい何の意味が……」




と聞くと




「もしかしたらレイミーは快楽殺人者に殺されたのかもしれない……と考えただけだ……」




と言った。


リストアは




「快……楽……殺人者……」




と震えながら真っ青になる。


そんな時だった。




「さっさと歩け!」


「止めてくれ! 私は違うんだ……違うんだああああ……体が勝手に……本当なんだ信じてくれえええ!!」




と呻くような声が聞こえてきた。


その声を聞いて舞は




「すまない……ちょっと話を聞きたいから一緒に来てくれ……」




と言ってリストアに言った。


リストアは




「ドっどうするの……」




と不安そうに聞くと




「ちょっと話を聞こうと思ってな」




と話す。


リストアは




「これって……レイミーちゃんが殺された理由が……分かることなの?」




と聞くと




「多分だ……実際分からないがな……だが話を聞く価値があるかもしれない」




と言った。


それを聞いてリストアは




「分かった……一緒に行こう」




と言って書庫から一緒に出て行った。

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