依頼4『愛の敵討ち』

「ということで!! 今回の任務は! 依頼主の暗殺になりましたああ!!」


「イエエエエエエ!!」




アメナガスの言葉にノリアは声を上げて喜んだ。




「え!! つまり私は死なないでいいの!」




ロメイトは震えながら言った。


ノリアは




「依頼主だからね、今回は、元依頼主のあの女でいいってこと? 簡単じゃん!!」




そしてウキウキとしながらロメイトは




「誰が行くの! 今回も私でもいいけど!」




と殺る気満々だった。


するとハイネウスは




「今回は私でもいいんじゃない?」


「いやいやいや、我々姉妹でもいいんじゃ!」


「そうだよ! ナリア姉の言う通りだよ!」


「私……でもいいよ……」




とそれぞれも殺る気がある。


アメナガスは




「ロメイト」


「わーい!!」


「今回はお前はダメだ」


「な! 何でええええええ!!」




と言ってロメイトは不満そうだった。


するとアメナガスは




「女の依頼であの嫁を殺したからな、お前の証拠何て残ってはいないのは絶対だが念のためだ、お前は今回はダメだ」


「えええええ!!」




と言ってガッカリした。


すると




「じゃあ私達姉妹か!」




とナリアが身を乗り出して聞いたがアメナガスは




「お前らでもいいが……そうだな、ここはロメイト抜いてじゃんけんで決めようか?」




と提案する。


ハイネウスは




「そう、運も実力の内ってこと? なら問題ないわ!」




と嬉しそうに握り拳を作る。


イナミは




「私も問題ない……」




と言ってやる気満々だった。


するとノリアは




「私達はどうすれば?」




と聞いた。


ナリアとノリアは2人で行動するタイプの暗殺者の為、じゃんけんの仕方を聞いた。


するとアメナガスは




「どちらかが代表ですればいい」




と言った。


すると




「では2人でじゃんけんだ」


「OK! ナリア姉!!」




と言って2人は




「「じゃんけんポン!!」」




と言って真っ先にじゃんけんをした。


すると




「やって!! ノリア勝利!!」




とガッツポーズをした。


ナリアは




「さすがは妹だ……お前は私よりも運気がいい、お前がいたからこそ、ここまで来れたのだから」




と言ってノリアの頭を撫でた。


ノリアは




「ふふふ! ナリア姉は私より運がないと言うけど実力が凄いからね! 不運すらも好機に変えれる方が凄いよ!」




と言って互いに褒め合った。


そして




「おい、準備はいいか? さっさとやるぞ!」




と言って皆は構えた。




「ジャン!!」


「ケン!!」


「「「「ポオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」」」」




と皆で一斉に手を突き出す。


すると




「フフフ、私の勝ね」




と言ってハイネウスは嬉しそうにパーを出していた。


見ると皆グーだった。




「……リーダーやっぱり生まれた頃に不運を使い切ったんじゃない?」


「そうだね……」


「いや、それなら私達はどうなるんだ……」


「そうだそうだ!! ナリア姉と私だって不運だ!!」




それを聞いてハイネウスも




「まあ私もそれなりに……」




と互いに自分の不幸自慢が始まった。


がそんなことをしていたことに皆は顔を真っ赤にして




「止めよう……恥ずかしくなってきた」


「ああ、そうだな」


「うん、そうだね」




と3人は涙目になった。


イナミは




「皆が勝手にやってただけで私は関係ない」




と言って目の前のコーヒーを飲み干す。




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「デイル様? 奥様が見当たらないのですが? 知りませんか?」


「?? 知らないな?」




とデイルは執事に言った。


執事は




「そうですか……いったいどこへ行ったのでしょうか? もう一度探してみます」




と言って再び執事は探し始めた。


デイルは書斎で本を読んでいたが




「どうしたのだろうか……レクア……今日は出かける予定はなかったと聞いていたのに……」




と少し心配そうに言っていた。


デイルは本を読んでいたがやはり心配なのか足を位置を何度も変えて落ち着かない様子だった。


デイルは




「やはり私も探そう」




とすぐに立ち上がりレクアを捜索し始めた。




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レクアは少し悩んでいた。


理由は簡単、デイルがまだ塞ぎ込んでいるからだ。




「はあ、やっぱりあの女の影響がまだあるのね……可哀そうなデイル……糞豚女が!! よくも私のデイルをあんなにしてくれたな!! デイルが最初っから私と婚約していればこんなことにならなかったんだ!! 許さない!」




と言って癇癪を起していた。


すると




「はあ……少し顔を洗って頭を冷やしましょう……」




と言って井戸へと向かった。


そして、水を汲んでそれで顔を洗おうと桶を置いた。


すると置いてから少しした時




ボゴオ




と空気が出るように水が泡立った。




「?? 何かしら今の?? 少し揺れたから?? でも桶は置いてるしまだ手も入れてないのに?」




と疑問に思い桶を覗き込んだ。


すると水の中に人の顔があった。




「!!!」




その顔は不気味で片方の口が切れた後の様な痣があり、それを糸で縫いつけていた女の顔だった。




「ひいいい!!」




と言って桶から顔を引こうとすると




ズボオオオオオオオオオオオン!!




といきなり桶から手が生えて




ガシイ!!




と手がレクアの顔面を掴んだ。




「い!!……んん……」




叫ぶ前に口を手で覆われて声が出せなかった。


そしてそのまま




「ンンンンンン……」




と呻きながら桶の水の中に




ザブン!




と引きずり込まれた。




「ブウウウウブウウウウウウウ……」




ボゴゴゴゴゴゴゴゴボオゴゴッゴゴゴオゴオオ




と桶の水から大量の空気が出て来た。


そして、そのまま桶の中に肩も入り木製で出来ていた桶は




バギイイイ!!




と音を立てて壊れた。


その音に気づいてレクアは




(やった! これで助……)




と思ったがそれでも水の中から出ることが出来なかった。




(!! 何で!! 何でええええ!!)




とあまりの異様な状況でパニクッていた。


しかし地面に溜まった水の中に体ごと引きずり込まれた。




「ぐうううううううぼおおおお!!」




と大量の空気が口と鼻から排出される。


中は闇でほとんど何も見えなかったが、しかし自分を引きずり込んだ相手は綺麗な白いドレスを着ているが酷く不気味な顔で笑っており裂けた片方の口を縫っていた糸など全てが不気味だった。


だがそんなことも気にならなくなるぐらいの酸欠状態で目がクラクラして頭もボーッとしてきた。




(だめ……幸せに……なれた……の……に)




と意識が遠のいた。




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デイルは屋敷の中を探し続けていた。


しかし、レクアは見つからない。




「いったいどこへ……もしかして井戸の方か?」




と思い井戸の方へと向かった。


するとそこには壊れた桶が地面を濡らしていた。


そこは異様に泡立っていた。




「?? いったいなんなんだ? これは……」




と不気味な感触がした。


すると




ゴボオ




と音と共にレクアが地面から浮き出て来た。




「!! レクアああああああああああああああああああ!!」




と悲鳴を上げながらすぐさまレクアの傍へと向かった。




そして、近づいてよく見るとレクアの首筋は切り裂かれていた。




「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」




と悲鳴を上げながらレクアの頭を持ち上げた。




「レクア!! レクア!! しっかりしてくれえええええ!!」




と悲鳴を上げる。


その声に気づいて他の者も傍に寄った。




「いったい何が!! どうしてレクア様が!!」


「そんな!! 窒息してる上にこの出血!! これじゃあ!!」


「お願いだ!! 助けてくれ!! もう誰も失いたくないんだああああああああ!!」




と悲鳴を上げるようにデイルは泣き叫んだ。


するとレクアの服の上に何か紙があった。


そこにはおそらくレクアの血で




『依頼は達成した』




と書かれていた。


それを見たデイルは




「依頼……何で……まさか……ウソだろ……」




と真っ青になって




バタン!!




と倒れた。




「デイル様あああああアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」




と執事は心配そうにデイルを抱える。


しかし、デイルは完全に気を失っていた。




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そして、レクアは何者かに殺害されたとして埋葬された。


しかし、犯人が誰か分かることはなかった。


数日後


デイルは




「そんな……そんな……俺が……俺が……俺のせいで……」




と塞ぎ込んでいた。


愛する者を失った苦しみ


そして、自分がその元凶になった事


その罪悪感がデイルに襲い掛かっていた。


デイルは押しつぶされそうになっていた。


デイルはベッドの上でずっと震えて部屋から出てこなかった。




「デイル様……おいたわしや……」




と執事も辛そうに見て部屋を出た。




デイルは




「俺のせいで俺のせいで俺のせいで……」




とずっと苦しんでいた。


その時だった。


デイルはあることが頭に過った。




「本当に俺のせいなのか……そもそも俺が依頼したからってレクアが死んだわけではない……もしかしたら俺がした依頼とは違うのかもしれない……俺が依頼を人間はまだ殺されていないのか……ならばいったい誰が……」




と頭を抱えながら目を揺らしていた。


そして




「それにレイを殺したい動機がある者は他にもいた……つまりレクアはレイを殺す依頼などしていない……」




と考え始めた。


自分が愛する妻を殺したことを否定するために、


自分がレクアに騙されたと信じたくない一心で


デイル自身もおそらく本当はレクアが犯人だと気づいていたのだろうがそれを否定したくてたまらなかった。


すると




(待たせたな……殺す準備が出来た……)




と声がした。


その声を聞いて




「誰だ!!」




とデイルが聞くと




(お前が頼んだ暗殺だよ、依頼人を殺すんだろ? 大丈夫だ、お前は殺していない……殺してないぞ……)




と優しい声がする。


それを聞いてデイルは




「やはり!! やはり私は何も悪くないんだな!!」


(ああ……お前は何も悪くない)


「良かった!!」




と安堵の表情でやつれていた顔つきが少しマシになった。


デイルは




「では今からそいつを殺してくれるのか!! 金はちゃんと払うから! 頼む!!」




と言って頭を下げた。




(大丈夫だ、ちゃんと仕事はする、それが誇りだからな……)




と声がして




(お前はもう寝ておくんだ……疲れたろ? ろくに寝れてないんじゃないか?……大丈夫だ、敵は私が取る、だから安心して眠れ、次目覚めた時お前の目の前に依頼人が死んでるであろう)




とその声をすっかり信じて




「ありがとう……ありが……と」




とそのまま目蓋が閉じて眠りについた。




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(ウウ……)




デイルは眠りに入ってから数時間ぐらいが過ぎた。


デイル自身目がぼやけて背景が写って来た。




「何だ……酷いにおいだ……」




と言った。


デイルの鼻に着いたのは血の臭いだった。




「うう! 何だ! 血生臭いぞ……手にも何か血が……」




と思い手に着いた血を何か布でふき取った。


そして、背景がしっかりとしてきて、何か自分の下に誰かがいた。


それは自分の父親だった。


首が雑に切り裂かれていた。




「!! これは!!」




と思い血の気が引いて真っ青になった。


すると




(殺ったぞ……お前の望み通り……)




と声がした。


それを聞いてデイルは怒りが頂点に達した。




「お前が……お前が殺したのか……レイを!! レイをおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」




と言ってその死体を殴りつける。


死体は殴られるまま顔を揺らして歯が飛び散り血を飛ばしている。




「お前のせいで!! お前のせいで俺は不幸になった!!! お前が俺を苦しめたんだ!! 前々から気に入らなかったんだああああアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」




と言って今までの鬱憤を晴らすように殴りつけた。




自分を放って仕事ばかりだった父


勉強ばかりで遊ばせてくれなかった父


母を裏切り浮気をした父


自分の好きな人を紹介しても自分の評判を下げたくないという理由で反対した父


自分の利益の為だけに嫁を勝手に決めた父


様々な恨みが心から溢れ出てそれを全て晴らすかのように




ドガアア!! ドガアア! ドゴオオ!!




と殴り続ける。


そして、父親の顔は見れないぐらいに汚く飛び散った。




「はああはああはあああ……」




と言って気がすんだのか殴るのを止めるデイル


そして




「あいつらに感謝だな……俺の最愛の人を殺したこいつを殺してくれたことに……感謝だ……ありがとう」


(礼はいい、金を墓場に持って来い……)


「分かったよ!!」




そう言ってデイルは急いで墓場に向かった。




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「やっと来たか……遅かったな」


「そう言わないでくれ……これでも急いだんだ……」


「そうなのか?」




デイルはその言葉に苦しそうに答えた。


そして




「まあいいさ、こっちは報酬さえ払ってくれれば構わない」




と言って暗殺者は報酬金を要求した。


そして




「ああ!! 払うとも!! 君たちは俺を苦しめたあいつを殺してくれたんだから!」




と言って爽やかな笑顔で答えた。


そして




ドン!!




と大金の入った袋を3つ置いた。




「?? そんなにくれるのか?」


「ああ!! 君たちには感謝してもし足りないよ!!」




と言って嬉しそうにしていた。


それを聞いて




「まあこっちとしては貰える物は貰うけどな……」




と言って目の前の報酬が消えた。




「!! これは!!」


「ではさらばだ……またのご利……」


「待ってくれ!」


「……? まだ何か?」




帰ろうとしたところ呼び止められた。


デイルは




「私の妻を! レクアを殺した人間を殺して欲しいんだ!!」




と依頼をした。


それを聞いた暗殺者は




「いいのか? こっちとしては構わないが……」




と聞くと




「ああ! 構わない!! お願いだ!!」




と言った。


すると




「今からすぐに殺せるから今ここで報酬を貰いたいんだが?」




と聞くと




「ああ! 良いぞ!! 金は持ってきている!! これだけあればいいだろ!!」




と言って鞄から再び大金の入った袋を4つ置いた。




「これでお願いだ!! 殺してくれ!! レクアを! 我が妻を殺した依頼主を殺してくれえええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」




と言って願った。


そして暗殺者は




「了承した……それでは実行する……」




と言った。


すると




トントン




と背中を叩かれる感触がした。


デイルは振り向くとそこにはフードを着た少女がいた、




「君……今の聞いてたの?」


「うん、私とお姉ちゃんが今日担当するからたまたま来てたし」


「そうか」


「じゃ、始めるね」




と言っていきなり




シュパン!




と手を斬りつけた。




「え……」


「ナリア姉!」




と言って現れたのはタンクトップの上にコートを羽織った女だった。




「ノリア、血を」




と言って血の付いたナイフをナリアと呼ばれた女は舐めて手を握った。




グション!!




「うぐうう!!」




と声を鈍らせた。


心臓に激痛が走った。


そして、フラフラとしてその場で倒れた。




「な……ん……」




と言ってそのまま言い終わることもなく息絶えた。




「こいつ……何がしたかったんだろ……」


「さあ?」




と言ってナリアとノリアの2人は首を傾げた。


そして




「まあいいか、報酬は貰ったし」


「そうだね」




そう言って2人は大金の入った袋を持って帰って行った。




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暗殺者たちは皆目の前にある大金に目を輝かせていた。




「わーいわーい!!」


「はははは!! 大儲けじゃねえか!!」


「そりゃなあ、依頼を2つも達成した上に倍額以上の報酬を支払ってくれたんだから!」


「何だよ! その善人!! マジすげええええ!!」




と言ってロメイト、ナリア、ノリアが喜んでいた。


イナミは




「でも……何がしたかったんだろ、男の……依頼者……」


「さあ? 自分で殺せって言ったからいいんじゃない?」




とその疑問にハイネウスが答えた。


イナミは




「まあこっちは……報酬あれば……動く……」




と言って嬉しいのか少し言興奮気味だった。


アメナガスは




「はいはい、報酬分けるからな」


「今回はハイネウスと私達姉妹がかなり貰ってもいいんだよね!」


「ああ、そうだな、情報の分は引くが」




とナリアの言葉にアメナガスが言うと




「それはいいわ、こちらも文句ないわ」


「こっちもだ、こんだけありゃ問題ない」




とハイネウスとナリアが言った。


そして、報酬を分け始めた。


するとアメナガスが




「そう言えば、あの殺した男父親を殺したそうだぞ?」


「え? 何で?」




とその言葉にノリアが聞いた。


アメナガスは




「なんか誰かが目撃した話だと、我々に扮して殺したそうだ」


「へええ、でもそれって私たちに正体がばれるわけじゃないんでしょ?」


「まあそうだな」




とノリアの言葉にアメナガスは笑いながら言った。


するとロメイトは




「でも今回は嫁を殺して嫁を殺しての依頼だったね、なんか引き分けな感じで終わったねええ!」




と少し笑いながら言った。


アメナガスは




「確かに、男を奪った方は奪われた女に殺されて、男を奪い返した女は嫁を殺された敵として殺される……嫉妬とは哀れなものだな」


「アハハハハハハハ!! マジウケる!! しょうもな!」




とロメイトは笑う。


すると




「……これが本当の!! 愛×討ち! なんてね!!」




とテンションが高くなったのか、割と大きい声で言った。




「おお、時折出るな、そのダジャレ」


「上手い上手い」


「ああ、素晴らしい」


「イナミちゃんは可愛いわね」


「お前のそう言うところ私は好きだぞ」




とダジャレを聞いた皆に感想を言われた。




「ありがとう……」




イナミは軽く照れた。




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暗殺者に依頼をする墓場で高貴なマントを羽織っており、王冠を被った男がやって来た。




「ベクレール王よ、本当によろしいのでしょうか……やはり勇者の召喚を待った方が……」




と心配そうに隣にいた従者らしき男に言われた。


しかし、ベクレール王は




「何を言ってるんだ、だったらお前がこの状況を何とかしてくれるのか?」




と冷や汗を掻きながら言った。


その言葉にたじろいだ従者は




「いえ、申し訳ございません……しかし! こんなことを裏で生きる暗殺者たちに頼むなんて! それにそんな奴等に倒せるんですか!! いくら異様な殺し方とはいえ!」




と従者は心配そうに言うと




「確かにそうかもしれないが……だがお前も聞いただろ……証拠もなくあんなおぞましい殺し方が出来る物か!! 異様すぎるからこそ奴らには何かある! 恐らく勇者とは違い神とは正反対だろう、きっと悪魔との契約と等しい程の間違いかもしれない、しかしだ!! このままでは世界は支配される!! そんなことはさせない! ならば毒を持って毒を滅ぼすしかないだろ!」


「確かにそうかもしれないですが……」




と心配そうに従者は言いながらついて行った。


そして




「確かここで話しをして依頼だったか……しかしここで話すには準備が足りない、依頼書をここに置いて行く、奴らがもしこの依頼を受ける気があるならば城に来て貰う」


「そんな!! 城に違法な暗殺者どもを!! 呼ぶのですか!!」


「ここで依頼するよりもこちらの陣地で依頼した方が有利に話を進めやすい」




と言って王様は依頼書だけを墓場に置いて帰って行った。


従者は不安そうな顔をして一緒に帰って行った。


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