閑話6-4 『魔法鍛冶の授業』
とある日の午後。
私はまたしても、選択授業のリストと睨めっこしていた。
「んー…… 選り取り見取りで迷っちゃうわ」
「え、もう次を選んじゃうの? この前『近接戦闘部』を選んだばかりじゃ無い」
「んー? だって、リディとイングリットちゃんとは会えたし、どんなレベルの物を教えているか知れたから別に良いかなって。あ、でも2人が教える日はちょこちょこ顔を出そうかなって思ってるよ?」
「そうなの? なら良いんだけど……」
あの2人もちゃっかり婚約者候補なのは、知らないのは本人達くらいなもので、私の家族は皆承知している。だから、あまり私と会えないのは2人が可哀想だとソフィーは思ってるみたいね。
「ソフィーったら、優しいのね」
「そっ! そんなんじゃ、ないわよ……」
照れソフィー、カワイイ。
まあそれはそれとして、あの2人もシラユキちゃんの事、しっかり好きでいてくれてる雰囲気は感じてるんだけど、言うタイミングが中々ねー。授業中に押しかけて告げるのはナンセンスだし、宣言通りちゃんとデートを敢行して、そこで伝えるのがベストよね!
うんうん、ママの時は失敗したけど、ちゃんと雰囲気作りはしっかりしなきゃ!
「うーん……よし。うちのクラスの子達は、皆良い感じに基本となる4属性を習得出来ているし、そろそろ頃合いかな」
立ち上がると、皆が私に注目する。
このクラスの仲間達は皆、調合に関しては既に18以上。平均22の上級者で溢れている。作ったポーションの売上とかで、平民組も金銭的に困っていないみたいだし、懐も暖かい。
もうわざわざ、調合の選択授業を選んでまで練習せずとも、自前の環境でスキル上げをすることは難しく無い状態になっていた。
だからこそ、次のステップに進みたいんだと思う。
まあでも、何人かは先週選んだ『近接戦闘部』が気になってるみたいだけど。まあ、どちらを選んでも成長出来ると思うから、その判断は彼らに委ねるわ。
「それで、今日はどうするの?」
私の選択が何であれ、絶対に着いてくるという強い意志と共にソフィーが聞いてきた。
「今日は鍛治部に行くわ。鍛治スキル及び、炎魔法を成長させたい子達はついてきなさい!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
……うん、全員着いてきちゃった。しかも先生達まで。
「なーに不思議そうにしてるのよ」
「だってー」
「シラユキ姉様はもう少しご自身の影響力を顧みた方が良いかと」
「えー? でも鍛治だよ? 男子はさておき、女の子達皆来るとは思わないじゃん」
「確かにシラユキ様から鍛治という言葉が出てくるまでは、縁遠い存在だと思っておりましたわ。ですが、そんな事よりも私達は、シラユキ様が新しく始められるナニカの方が強く興味をそそられるのですわ」
「そーそー。私達はシラユキちゃんから直接教えてもらう事が、一番の成長に繋がる事を理解してるの。それが鍛治であれなんであれ、シラユキちゃんが教えてくれるならやってやれない事はないと思ってる。それだけよ」
「アリエンヌちゃん、テトラちゃん……えへ」
嬉しい事言ってくれるじゃない。それなら、期待に応えてあげないとね!
さて、ここが実習室ね。入口からして調合の教室とは違い、壁が分厚い。きっとこれは断熱の為の物ね。鍛治となれば火を扱うんだもの。換気や熱処理の対策は必須よね。
扉をノックして開くと、中に籠っていた熱気が襲いかかってきた。
『きゃっ』
『うっ』
鍛治場に設置された溶鉱炉付近に比べれば、なんて事ない物だけど、それでも慣れてない子達にはこの熱気は厳しいかもね。
熱気を防ぐ為に、並行して水と風の魔法スキルも育てられるかも……?
とりあえず今回はサービスとして、水のベールを全員に掛けてあげてから、中へとズンズン進む。
すると、教壇に立っていた男性がこちらへと気付いた。
「お? こんな時期に新規参加……って、あんたは!?」
「えーっと、貴方は確かガリスン先生でしたかしら」
魔法を先生方にまとめて教える際、顔合わせをした中に居た気がするわ。ちなみに生徒達に教える前に、まず先生と教授を先に指導することにした。だけど、全員を教えたわけではなくて、アリスちゃんを含めた元落ちこぼれの子達。もしくは平民の子なんかをいじめてた通称『激励員』の人達は対象外とした。
反省をしている人が中にはいたが、簡単に許すつもりもなかったので、数ヶ月は私の授業の対象外とした。
私がそういった活動を嫌うことはすぐに広まった。その為か、彼らはすぐに後ろ指を指される存在となった。そのような環境に耐えられなかったのか、半分以上の『激励員』所属の人達は学園を去ったようだ。
残った人たちは、肩身が狭い思いをしてでも私の魔法技術を身に付けなければ、この先生きのこれないと感じ取ったのだろう。
まあ恨みは買ったかもしれないけど、あの程度の連中が出来ることなんてたかが知れているし、知ったこっちゃないわね。
「ああ、そうだ。シラユキ……先生はどうしてここに? しかも兄貴やSクラスの生徒達を連れて」
「兄貴?」
「俺の事は良い。今日はシラユキに教えを乞う為に着いてきただけだからな」
そう言ってモリスン先生は、私に続きを促した。
あー、なんか名前や顔つきが似てるなと思ったら、兄弟だったのね。紹介してくれても良かったのに。
「兄弟の件は後で聞いておくとして、せっかく魔法技術が普及し始めたのだから、それを使った新しい鍛治技術。『魔鉱石』の作り方を広めにきたのよ」
『魔鉱石!?』
『魔鉱石?』
私の放った単語に、驚愕の声と疑問の声が重なった。
疑問は後方の一部だけで、それ以外は皆驚いてくれていたわね。
「シラユキさん、『魔鉱石』って何なのです?」
「そうね、知らない子も居るみたいだから説明するわ。まあ、私の部屋に遊びにきたことある子に簡単に説明すると、私がグニグニしてたアレよ」
『あぁー』
それだけで、友人達は理解してくれたみたい。
「ガリスン先生、今日の授業、私が頂いても宜しいかしら」
「ぜ、是非ともお願いします!!」
「はーい、頂きまーす」
教壇に立って見回すと、部屋の各所に小さめの溶鉱炉が設置されている、とても広い空間ではあるものの、勉強机らしきものがない。最低限、荷物や素材なんかを雑多に置くためだけのテーブルや、作業に使うための椅子がある程度で、教壇前で座らせる物などは一切無かった。
とりあえず、魔法で簡単な長椅子を幾つか生み出し、その間に先生には溶鉱炉の火を止めてもらう。
今日の授業では使わないし、部屋の温度を上げ続ける存在だから暑くて仕方がないのよね。
「それじゃ、まずは『魔鉱石』がどう言った存在かを伝えるわ。まず、鉱石を炉で溶かし精錬することでインゴットに出来るわ。そしてそのインゴットや他の素材なんかを使って、金属製の武器や防具、果ては魔道具や生活に必要な物を作り上げることが出来る。そのインゴットを作る際に術者の魔力を一定量込めることで、『魔鉱石』へと至るわ。『魔鉱石』の最たる特徴は、やっぱり武器や防具に特殊効果が付与されることね。そして自分で作った『魔鉱石』は、構成物質に自身の魔力が含まれているから、魔力を込めてコネコネする事で、形状の変化も可能となるわ。だから荒技になるけど、整形も思いのままなの。普通に鍛治をする分だと形を整えるのも一苦労だけど、『魔鉱石』ならその手間も省けちゃうのよ」
一通り説明はしたけれど、今ので理解できた人は一握りだろう。
という事で、早速実践してみせる。
「それじゃ、実演してみせるわ。ガリスン先生、銅の鉱石はありますか? サイズは半端な物で構いませんので、合わせて500グラムくらい欲しいのですが」
「どうぞ」
「ありがとう」
受け取った銅の鉱石を、説明しながら『灼熱の紅玉』へと放り込む。銅の鉱石は直ぐに融解し、ドロドロの液体となって溢れ出すが空中で浮かんだままとなる。
その異様な光景に誰もが目を離せずにいる中、唯一その光景を何度も見てきたアリシアは、理解を深める為に『魔力視』をフル活用していた。
「はい、出来上がり。これが『魔鉱石』よ。ガリスン先生」
ガリスン先生に鑑定してもらい、3つの『魔鉱石』が全て最高品質の物であると証明してもらう。
続けていつもの要領で、それら3つをこねくり合わせて、大剣の形に整え、魔力でコーティング。
そしてそれをまた鑑定してもらう。
「……『魔銅の大剣』。武器ランクは4だ」
『おおお!!』
「という訳で、魔法と鍛治の技量は大前提だけど、慣れてしまえばランク4程度はものの数分で生み出せたりしちゃうわ。今この王国では、高いお金と長い時間をかけてランク4の武器を作っているから、この技術がどれだけ必要な物なのかは理解してくれたと思う」
周りを見渡して、反応を伺う。
……うん、上々ね。
「それじゃ早速、と言いたいところだけど、何事も直ぐに出来る物じゃないわ。だからまずは下準備。皆がこれくらい出来るようになるための、土台作りから始めましょう」
そう言って、皆が座る長椅子を片付け、等間隔に椅子と、特殊な机を作り上げていく。普通の土魔法では生み出せない、耐熱性を極限まで高め、断熱性も抜群な大理石の机だ。錬金術で作った特殊な石材を使う事で、釜が無くても錬金術のような真似事が出来ちゃうのよね。
またしても便利なものを生み出してしまったわ……!
その磨き上げられた光沢は、見るものを魅了するほどの出来栄えだと思う。
最初は話を聞いてもらう為に、横の人との距離は気にせず座ってもらったけれど、今回は個別に炎魔法を使ってもらう。その為、熱気対策に前も後ろも左右も、最低でも3メートルは離れてもらったわ。
「ガリスン先生、インゴット用の鋳型は用意出来ますか?」
「こ、こちらに」
段々ガリスン先生の態度がへりくだって来たわね。
「うん……よし」
『パチン』
指を鳴らし、全ての机の中心に、穴付きの引き出しの機構を備え付ける。
「みんなー、机の真ん中にある取っ手を持って、引き上げて。そしたら、その鋳型を置く場所が出てくるから、鋳型を置いたら元に戻してねー」
全員が指示通り動いてくれたので、その機構の説明をする。
「まず、先ほど私が見せた『魔鉱石』を作るための技術だけど、まず専用の器具を使わないあの工法はまだ誰にも真似出来ないわ。炎は最低でも50。風は40。水も30は欲しい上に、全てが同時のマルチタスク。それなりのINTも要求されるから、アリシアでも出来ないと思うの。だから、それをせずに済むための器具が目の前にあるこれよ」
机の中心部。穴の周りとその機構に触れる。
「まず炎魔法スキル。これはどんな機構であれ絶対必須。結局、鉱石を溶かすことが出来なければ話にならないもの。でも、私のようにボール状にして浮かせる必要はないわ。ボール形態を維持するのも、空中に維持するのも、魔法を覚えたての時は意識が持っていかれてしまうから無理する必要はないわ。鉱石をこの中心点に置いて、全力で溶かすことだけに意識を割くの。それだけで、鉱石の構成に対する知識と、魔法技術の向上に繋がるわ。けど、ただ溶かすだけでは芸がないわね。可能な限り銅鉱石に含まれる銅とそれ以外を認識して分別することが大事よ。銅は溶かしてこの穴に流し込んで、余分な分は完全に蒸発させる。もしくは鋳型に流さないよう気をつけるの。そうする事でインゴットの純度が高まって品質は上がるわ。とりあえず、炎魔法スキルが10から15あれば、しっかりと融解させることができるはずよ」
続いて、中心点の穴を指す。
「次に水魔法スキル。これは、溶け出して液体状になった鉱石を流し込むための操作スキルよ。けど、今回はこの穴……。若干くぼみになっているから、穴の上で溶かせば勝手に穴の中へと落ちていくわ。だから、ここに魔法スキルは必要ないの。まあ余裕があれば、ドロドロに溶けた液体を操作して流し込めば練度が上がるわ」
取っ手を掴んで引き上げ、穴の先……鋳型を指す。
「最後に風魔法スキル。これは『ウィンドウォール』を使って自分の好きな形に鋳型を作って流し込んでいたわ。これも、器具を必要とせずにどこでも出来るただただ便利なだけで、必須スキルではないわ。だから、勝手に流れ落ちた先に、鋳型を置いたの。……さて、ここまでで質問はあるかしら? ……はい、ガリスン先生」
「まず何点かお聞きしたい。これが『魔鉱石』の作り方なのですか?」
「いいえ。このやり方だけでは『魔鉱石』は作れません。ただの、炎魔法を用いて銅のインゴットを作るだけの手法になります。ですが、このやり方をマスターしなければ高品質の『魔鉱石』は作れません」
溶鉱炉でも、魔力を流しながら作れば出来なくはないけれど……すっごい時間がかかる割に魔力の入りも悪くて、出来たとしても低品質。魔力の消費も半端じゃなくて、非効率すぎるのよね。
だからこの専用器具を使って溶かすことに慣れてもらい、そのあと魔力を流す方法も覚えてもらうほうがいいわ。
「それじゃ、他にはないようだし、皆。机の中心、窪んでいるところに銅の鉱石を置いて。そしてそれを全力で溶かしてごらんなさい。そして先ほども言ったけど、可能であれば銅以外の不純物は取り除くことが望ましいわ。炎は球体を描く必要も、宙に浮かべる必要もないわ。ただひたすらに、鉱石を溶かし尽くすことだけを考えなさい。炎魔法スキルだけが高くても鍛治スキルが低ければ鉱石と不純物の違いがわからないし、逆であれば溶かすことがままならない。両方足りていなければ両方の勉強になるわ。頑張って」
そう声をかけて発破をかける。
この前聞いてみたけど、やっぱりアリシアは鍛治スキルは0だったので、この中で『銅の魔鉱石』を作れる人材は居ない。
『魔鉱石』を扱える人が増えて欲しいけど、何もSクラスの全員に覚えて欲しいとも思っていない。国の発展には絶対繋がるけれど、人には向き不向きがあるもの。無理強いは出来ないわ。
だけど、鍛治に興味がなくてもこの方法であれば、炎魔法スキルは効率的に上げられると思う。
ただ、危ないから自室では絶対練習出来ないけどね。
さて、見回りを開始しますか。まずは……。
「はーい、そこの不安顔のテトラちゃん」
「あ、シラユキちゃん」
「そんなに深く気にしないで良いわ。テトラちゃんが覚えたいなら覚えてくれて構わないから」
「でも……」
「その情報を誰に伝えようと、その結果あなたの国全体に広がったとしても、私は構わないと思っているわ。技術は広がってこそ意味があるの。独占した結果どうなってしまうかなんて、少し前……。この国の魔法技術で、よく分かってるでしょ?」
「でも、それとこれとは」
「テトラちゃんったら心配性ね。私が良いって言ってるんだから、気にしないの。ね? それに、結局この技法だけじゃ意味を成さないわ。魔法が必須だもの」
「……そうだね、分かった。ありがと」
「どういたしまして」
テトラちゃんの国では、魔法技術はそれほど価値がないとされているので、魔法知識の普及はあまり問題にならないと思っていたみたいだけど、鍛治による鋳造技術の発展となれば話が違ってくる。
その技術の有無で、一体どれだけ国力の増強につながるか、テトラちゃんは理解しているからこそ、懸念してくれていたんだろう。本来エルドマキア王国で独占出来たはずの鍛造技術が他国に流出してしまったら、私への不利益に……。なんて、考えてくれているのね。
テトラちゃんの国は良く言えば脳筋の、力こそパワーな国ではあるけれど、悪い国ではない。周辺国から略奪なんてしないし、きちんと法整備はされているし、治安も良い。
どこぞの蛮族国家とは違うのだ。テトラちゃんの母国の事は、嫌いではないしむしろ好きな方だもの。発展して強くなってくれることに越した事はない。
まあでも、魔法が結局必須の魔鉱石が広まるかどうかは、テトラちゃんの手腕にかかっていると言っても過言では無いわね。
さーて、皆の進捗はどうかなーっと。
ボール維持をせず、形を持たない炎を出すことに困惑してる子。
銅鉱石を溶かすことに四苦八苦している子。
炎の威力を調整して、溶け出す基準を覚えようとする子。
銅とそれ以外の違いを探して様子見する子。
とりあえず全力で溶かして、違いは後から学ぼうとする子。
ふふ、これだけの子達がいるんだもの。そのアプローチの仕方は千差万別ね。
そうして最初に、1個目の銅鉱石を溶かし切ったのは、やっぱりと言うか一番炎魔法に長けていて、尚且つ魔力濃度の高いココナちゃんだった。
「シラユキさん、全部無くなったのです!」
「はやかったわねー」
『魔力視』で机の下に溜まっている鋳型の中身を視る。
「……うん、全部余す事なく流し込めたわね。不純物も結構取り除けてるし……ん?」
魔力も若干入ってるんじゃない? これ。
まだ教えてないのに……。
けど、不純物の取り除きは出来ていない。
これは鍛治スキルの練度の低さと、鉱石の知識の無さが原因だ。これはその内覚えてもらうとして、魔力の浸透具合と残っている不純物が上手い具合に噛み合って、ギリギリ魔鉱石たりえているわ。
これは褒めるべきかどうか……。考えものね。
「それじゃ、鋳型の中身が冷えてしまわないうちに、2個目の鉱石を溶かしていきましょうか。とりあえず鋳型から多少溢れても構わないから、まずはこの3つを全て溶かし切った時に、どれくらいの量になるか覚えたら良いわ」
「はいなのです!」
その後、ココナちゃんに次いで炎魔法スキルの高かったアリシアが1個目の鉱石を溶かし、更には不純物の取り除き、魔力の混入度共にほぼ完璧な状態で終えたので、全力で褒め倒した。
褒められて耳がぴこぴこするアリシアがカワイらしくて、ついつい愛で倒しちゃったわ。
だけどアリシアを愛ですぎて、鋳型に流れ込んでいた鉱石が固まってしまうハプニングが起きてしまった。申し訳なかったけど、褒められたことでやる気が上がったらしく、もう一度一からやり直してくれるみたい。ごめんね……。
あとは溶かし終わった子達から順番に、グツグツに燃え上がっている液体鉱石から、一気に熱を奪う急速冷却の方法を伝えたりした。
たった1日で全てをマスター出来た子はいなかったけれど、出だしとしては好調だったわ。まあ何日か様子を見つつ、両方のスキルが10を超え始めたら本格的に教えていきましょうか。
ちなみに、初日で魔鉱石を作り上げることができたのは、アリシアの『普通品質』とココナちゃんの『低品質』の2つだった。アリシアはまあそれで良いとして、ココナちゃんは無意識に魔力を注いでしまっているのが問題だったので、きちんと意識して魔力のオンオフを覚えさせなきゃね。
きっと、尻尾が増えたことで魔力の調節難易度が上がったんだと思うわ。しっかり面倒見てあげないと!
『スキルが上がる感覚、楽しそうね』
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