第190話 『その日、大物と相対した』

「オオオオオッ!」


 鬼気迫る勢いで、神丸様は魔物の群れを一刀両断にした。

 お嬢様との戦いでも使われたスキル『鬼神の構え』は、お嬢様曰く体力と気力を犠牲に膂力を増し、和国の神々の力をその身に降ろす秘儀中の秘儀であるとか。

 本来であればここぞという時に用いる奥の手のはずですが、お嬢様が作られた例のをお飲みになって以降、体力が有り余るらしく、ああでもしないと消費以上に回復量が高く、身体に負担がかかる様です。


 神丸様の様な体力を消耗する技やスキルは、普通の人は持ち合わせていないでしょうし、一般に出回れば劇薬になりかねませんね。

 それも含めて失敗作と仰られたのでしょう。納得です。


「あはははっ、たっのしいー!!」


 剣と槍の二刀流という、聞いたことのない型で暴れ回るは私のお嬢様。騎士でも苦労すると言われる魔物を相手に、一歩も引かず嬉々として立ち回っています。

 本当に、比類なき力と叡智と美貌を兼ね備えた、完全無欠のお方……。


 神丸様ほどではないにしろ、お嬢様も普段以上にはっちゃけておられます。服薬する前にお伺いしましたが、お嬢様が2回目に造られた物の効力は、ちょうど私が作った物と例の失敗作との中間に位置する物のようです。

 お嬢様はコレを市販するつもりの様でしたが、ここまでハイになられるのでしたら、少し考えないといけませんね。その分効果も、普通のスタミナポーションよりずっと強力ではありますが……。むむ。

 そう言えばダンジョン産のアイテムで、似た様な名前を見たことがありますが、まさか同様の物でしょうか……?


 帰ったらレポートをまとめて、検討しましょう。

 それはそれとして、お嬢様が楽しそうで何よりです。


 スピカ様は1層目で急激に成長された反動か、今はお嬢様のアクセサリーの中でお休み中です。魔物のレベルも数も、2層目に到着して更に増したのですが、それ以上にお二人の活躍が凄まじく、まるで問題になっていません。

 そして私は、相も変わらず素材採取に勤しんでいます。地面や壁に生えている素材も、本で見聞きしただけの珍しい物から、伝承の中に語られる秘薬まで。多様なラインナップで大忙しです。感動している余裕すらありませんね。


『アリシアのレベルが48になりました。各種上限が上昇しました』


 成長、ですか。先程感じたほどではありませんが、やはり困惑の感情が湧いて来ますね。ですが、仕方のないことだと割り切りましょう。

 お嬢様の言う様に素材を丁寧にかつ、それなりの速度を持って回収出来るのは、お嬢様を除けば私が一番であると自負しておりますし。そしてコレらの素材を、お嬢様は心からお望みになられていることも存じております。

 この仕事は、お嬢様からの信頼がなければ得られなかった物なのです。


 今はまだ、お嬢様や神丸様の様に前線で戦い、迫り来る魔物の群れを的確に蹴散らすことは出来ません。私が前回、苦労して倒した『バーゲスト』。それと同等やそれ以上の魔物が群れを成して襲い掛かって来ているのですから。

 私がお嬢様と位置を変えれば、ダンジョン進捗は遅々として進まないどころか、足を引っ張ってしまうでしょう。


 今はまだこれ以上の仕事は出来ませんが、もっと成長して、お役に立てれる様にならなければ。今はその時のため、我慢の時なのです。


「アリシア、おめでとうー!」

「ありがとうございま、んんっ」


 お薬の影響がここにも。

 いつも以上に情熱的で激しいキス。


「ん、おじょう、さ……んんんっ!?」


 す、吸われる!?


「んっ。ふふ、アリシア……カワイイわ」

「お、おじょうしゃま……」


 まるで、魂ごと吸われてしまうのではと錯覚するほど、激しい物でした。こんなお嬢様、初めてです。


「ひゃあっ! み、みみはっ!」

「ちゅっ。れろ……あー、だめ。アリシアが愛おしくてたまらないわ。1回だけじゃ全然物足りない」

「おじょ、んひゅっ」


 情欲が止まらないお嬢様……!

 それだけでこの薬は一考の価値がありますね!!


 ですが、ダンジョンでの服用は考え物のようです。

 何故なら、お嬢様の熱意はそこで止まらず、戦いが終わるたびに足を止めては私を求められたのですから。……嬉しいですけど。


 結局、一戦ごとに進める歩数が劇的に減少してしまい、その後もまた道中で2回ほどレベルが上がってしまいました。レベル50の限界点に到達した喜びよりも、お嬢様に愛でられたことに対する想いが強かったです。

 何故なら私にしてみれば、お嬢様とキスを繰り返していたらいつの間にか上がっていたようなものなのですから……。


「はぁ……」


 ……ふふっ。少し前までは考えられなかった、幸せな悩みですね。



◇◇◇◇◇◇◇◇



 むん?

 アリシアが、ため息をついてる。

 でも、ちょっと嬉しそう?


「ご、ごめんねアリシア」

「もう、何に対して謝っておられるのです。お嬢様に愛されて、激しく求められて、嫌な気持ちになるなど有り得ません」

「そ、そう?」

「ただ、時と場面は考えていただきたいところでしたが」

「あう……」

「ふふ」


 道中で激しくしすぎちゃったかな。ついさっき、アリシアのレベルが50に上がった瞬間に薬の効果が切れて、高揚の効果も消えて素面になれたんだけど……割とヤバいお薬だったわ。昂る気持ちを戦闘で発散しきれず、アリシアへの愛情に変換したんだけど、それでも抑え切れなかった。

 高揚でこれなら、高揚+暴走の狂走薬を飲んだら一体どうなってしまうのやら。怖くて試せないわ。


 神丸は、上手いこと高揚と暴走の効果を戦闘だけで発散出来ている様に思える。それを思えば、私はまだまだ感情に振り回されているわ。精神面が未熟なのね。

 でも、楽しいんだもん。仕方がないわよ。


 位置はまだ、7フロア目の途中。随分とのんびり時間をかけすぎてしまった様だし、ここからは巻きで行かないと。

 連戦特化型から、速度重視型に切り替えましょう。あ、でも地面や壁の素材はなるべく傷つけない様にね。


 剣と槍の形を模していたモノを魔力へと戻し、新しい2本の武器を作り上げる。属性は広がる風と、伝播する雷ね。


「アリシア、今からこの短剣と短刀で暴れるわ。ちょっとペースを上げるから、しっかりついていらっしゃい」

「はい、お嬢様っ!」



◇◇◇◇◇◇◇◇



「ようやくボス部屋ね」

「……ふぅ、その様であるな」

「神丸、ちょうど薬の効果時間が解けたみたいね。どうだったかしら」


 あの後、1時間ほどで残りのフロアを駆け抜けた。アリシアにもスタミナポーションを作らせておいてよかったわ。あれがなければ、流石のアリシアでも途中でバテていたでしょうし。


「夢のようなひとときであった。倒しても倒しても現れる手強い相手、無尽蔵に湧いてくる体力、怪我が一瞬で完治する環境。某は幸福を感じている」

「もう、満足しちゃダメよ? 今から締めのボスが待っているんだから」

「くく、忘れてはおらぬよ。このように長く、強敵揃いの迷宮に現れる大物。一体どれほどの怪物が出るか……」

「まぁ、間違いなく外に現れたら騒ぎになるレベルのが来るわね」

「であろうな」


 神丸は昂っているみたい。今すぐにでも戦いに赴きたいみたいだけど……ちょっと気が逸りすぎね。アリシアもボス前だから気が張り詰めてるし、良くないわ。


「お嬢様、次の戦い、私はいかが致しましょう」

「アリシア。ボスのことなんかより、もっと大事なことがあるわ」

「大事な事ですか? それは一体……」


 アリシアだけでなく、神丸も気になるようでボス部屋から目を離した。


「お腹が空いたわ!」

「「……」」


 一瞬何を言われたのか理解出来ず、2人ともフリーズした。


「2人とも少しは落ち着きなさい。ボスが目前に迫って気になる気持ちもわかるけど、自分の身体のことを少しは労ってあげなさいな」


 2人は思い出したかのようにお腹をさする。

 

「……お嬢様に言われるまで気付きませんでした。もうそのような時間だったのですね。それに私も、意識してみれば空腹を感じております」

「神丸もよ。腹が減っては?」

「……戦が出来ぬ。確かに、万全の状態で挑むべきであるな」

「そういう事。アリシア、折角だからさっき取った素材を使って、この場で夕食にしましょ」

「かしこまりました。では先程の戦いで得た『レッドホーンディア』のお肉で香草焼きにしましょうか。王都にも中々出回らない高級食材ですし、豪快に行きましょう」

「わーい! ……あ、でも私の分はちょっと少なめでお願いして良いかしら。あんまり食べ過ぎると眠たくなっちゃうもの」

「ふふ、承知しました。では大きめに切り取って、私と半分に分けましょうか」

「うん、そうするー!」

「神丸様は、これくらいのサイズで構いませんか?」

「うむ。ありがたく頂戴しよう」



◇◇◇◇◇◇◇◇



 お腹を満たし、満足したところで疲労が顔を出し始めた。

 アリシアも神丸も、改めて自身が気付かぬうちに疲れ切っていることを認識したようで、誰からともなく休憩を申し出た。

 当然許可したわ。


 私と神丸はマジックテントを取り出し、全員で小一時間仮眠を取る事にした。思いの外私も疲れていたみたいで、アリシアとベッドで抱き合っていると、すぐに意識を手放した。


 目が覚めると2時間ほど経過していたわ。

 アリシアも十分に休めたみたいで、外に出ると神丸は準備体操をしていた。


「寝過ごしたかしら」

「問題はない。某も先程起きたばかりだ」

「体調は?」

「うむ、万全であるな」

「それは良かった。……待ってる間、ボスが気になりすぎて扉を開けていないか、ちょっと心配だったのよね」

「そのような愚行は起こさぬさ。強いボスは、一度開けたら時間経過で外にという話を聞いたことがある故」

「そうなのですか?」

「強い自我を持つ魔物限定だけどね」


 神丸に倣って、準備体操をしながら答えた。

 よし、身体もいい感じにほぐれたし、作戦会議ね!


「さて、作戦は敵の姿を見てから決めるわ。相手によっては立ち回りも変わってくるでしょうし。でも3人しかいない以上、出来る事なんて限られてくるし、結局はこれまでの道中と同じでいいと思うのよね。アリシアは接近戦は避けて、安全な位置から魔法を使うように。行けると判断した場合は前に出ても良いわ。ただ、その判断が下される前に、私と神丸相手に魔物が生き残っていればだけど」


 私の一言にアリシアも神丸も笑みをこぼす。

 うん、疲労も取れたし緊張もしすぎていない、ちょうど良い感じね。


 さてと。ここに出てくるボスの平均的な強さは、割とピンキリだ。

 それでも一応、弱くてもオークキングクラスは出てくるんじゃないかしら? ただ、ひとえにオークキングと言っても、あの豚よりは弱いわ。アイツは魔人の力で本来のオークキングよりは強くなっていたからね。

 多分、普通のオークキングが出てきたら、神丸1人でも勝てちゃうんじゃないかしら。


 いやほんと、強さ上限の竜クラスが出ないと速攻で終わりかねないのよね。ボスなのに。


 ……一応念のために、防御魔法使っておこうかな。今の考えでフラグが立ってないか心配になったわ。

 念のため、ね?


「『プロテクション』『マジックシールド』『デバフアーマー』」


 強敵対策の魔法を自分、アリシア、神丸の順番にかける。

 一瞬輝いた自分の身体を見て、神丸が面白そうに顔を歪めた。


「……知らぬ魔法だな。シラユキよ、それはどういう効果なのだ」

「ん? これはねー……って待って!? 今、名前で呼んだ?」

「うむ。……間違っていたか?」

「覚え間違いの心配? いや合ってるけど、アンタが人の名前を覚えるなんて……明日は氷雨かしら」

「ふっ、かもしれぬな」


 いやービックリした。神丸は冗談でも人の名前は覚えない。まさか名前を覚えてもらえる程度に認めてもらえていたとは。

 これはあれね、対決や共闘を経て、覚えるに値する人間として認められたってことかな。


 神丸のその辺の判断基準ってゲーム時代でも謎だったのよね。

 単に神丸よりも強かったとしても、それだけでは決して名前では呼ばれないし。確かこいつの師匠も、名前では全く覚えていなくて、呼び方はいつも師匠とか師範代とかそんな感じだった気がするわ。


 ……ま、悪くはないわね。


「……おほん。魔法の効果だったわね。順番に、物理防御力アップ、魔法抵抗率アップ、状態異常一定レベル無効化よ」

「流石シラユキの扱う特異な魔法だ。破格の性能だが、最後のは常軌を逸しておるな」

「お嬢様、今ならその魔法……私でも覚えられますか?」

「2種の軽減魔法なら可能よ。今度用意しておくわ。けど、私が使う方が効果は高いから、アリシアが使うことは滅多に無いかもだけど」

「構いません。の勉強にもなりますから」

「それもそうね」


 魔法書は、必要スキルを満たしてさえいれば魔法の行使方法を覚えることが出来るツールだ。それは言うなれば、魔力をどのように操作すれば、そういったがもたらされるのかを教えてくれるとも言う。


「準備は出来たか?」

「ええ。ボス部屋の扉を開ける権利を神丸、貴方にあげるわ」

「ありがたく」

「ご迷惑をおかけしないよう戦います」


 アリシアの頭を撫でる。良い子良い子。

 流石にこのダンジョンのボスは多種多様だけど、それでもどんなにレアな相手でも中位竜クラスの怪物……ピシャーチャ級は出ない。もし出会ってしまったとしたら、私ソロでなら時間をかけて討伐することは出来るけど、2人をカバーしながらとなると無理だ。

 だろう。

 上級と銘打ってはいるが、そういう意味でもココは、学園内にある以上、出てくるボスの強さの上限も。安全なダンジョンであることに変わりはないだろう。


「それでは、いざ参る!」

「かいもーん! ……おお?」

「「……!!」」


**********

名前:暗黒竜ヴィクター

レベル:55

説明:人前には滅多に姿を現さない、色を冠する黒竜の中でも、さらに希少な変異種。その鱗は魔を弾き、爪は鋼鉄を容易く切り裂き、叫びは人を狂乱に陥れる。

**********


「うーん、流石シラユキちゃん。なぁ」


 フラグ回収が早すぎてビックリしちゃうわ。

 それにしても竜で。色付きの。さらには変異種。名前付き。

 こんなの、強さ上限ギリッギリ! 出現確率小数点以下よ。SSスクリーンショット付きで載せればその日のワールドニュースは頂きね。


『グルルル』


 竜はこちらを認識して、ゆっくりと立ち上がる。

 ダンジョンボスはダンジョンの魔素から生まれた幻影の様な存在だ。本物の竜とは違い、ダンジョンのルール通りにしか動けない。

 本物であればこの近距離で邂逅したら、真っ先に咆哮が飛んでくるところだ。でもコイツは起き上がるだけで何のアクションも起こさない。


 それにしても、戦闘特化の黒竜となると良い体格してるわね。邪素に塗れて骨張った邪竜や、毒に特化しすぎてスリムなウナギもどきの毒竜とはまるで違う。

 筋肉隆々の脚に、凶悪な爪と翼。竜の本懐とも言えるブレス器官を内包したずっしりとした胴体。

 寝そべっている時ですら、その体躯の巨大さに縮尺がバグって見えたけど、立ち上がるとそのデカさがよくわかるわね。四足歩行形態にも関わらず、高さは5メートル近くあるわ。


「黒竜は、いつ見てもカッコいいわねー」

 

 ゲームで見るより迫力満点だわ。


 一応分類としては下位竜だけど、レベルも高いし変異種と来れば、中位に片足突っ込んでるか……いや、そこまででもないかな?

 中位ではない事は、アリシアが戦意喪失していないことからも読み取れるわ。……多少震えてはいるけども。


「お、お嬢様……。アレは、どれほどの強さでしょうか」

「んー……。私が戦って来た邪竜や毒竜より数段は上かな。ピシャーチャに比べれば見劣りするけど」

「なるほど……。あの怪物より下と言うのはわかりますが、少なくとも私は、アレの正面には立ちたくはないですね」

「某もだ。これは勘だが、万全の状態で挑んだとして、某の力だけでは効果時間内に殺し切れる気がしない」


 効果時間ってのは、鬼神と夜叉の並列使用時の事かな?

 まあ、竜ってほんと体力お化けだから、神丸の予想は間違っていない。


「そうね、黒竜のさらに変異種ともなれば、魔法系の攻撃を3から4割は無効化レジストしてくるはずだから、濁竜剣も本来の威力は出しきれないはずだわ」


 名前付きだけどネームドモンスターではないから、変異種特有の魔法ダメージカットだけで済んで良かったわ。ピシャーチャのように吸収されたら敵わないもの。

 ただどの属性でも魔法ダメージはカットしてしまうでしょうから、魔力で編んだシラユキちゃんお得意の魔法剣は、持ち味が潰された様な物なのよね。攻撃力が半減くらいはしちゃうんじゃないかしら。

 まあ、だからといって効かないわけではないので、ゴリ押ししてしまえばその内倒せるんだけど。


「ならばシラユキよ、そのような相手にどう戦う」

「まずはアリシア」

「はい」

「伝えていた通り後方から援護。というより神丸の後ろを陣取るように動いて。注意するのは奴の魔法と視線。目が合ったと思ったらすぐさま回避行動。黒竜の視線から直角に曲がるように走って距離を置きなさい」

「承知いたしました」

「弱点は神聖属性だけど、魔法ダメージ軽減の効果は適用されるわ。だからダメージはあまり期待出来ないけど、他よりはマシだと思うから攻撃のチャンスがあれば積極的に使って。けど、通りにくいと言っても連発すればその分怒りは買うわ。使い過ぎには注意するように立ち回って」

「はい」

「奴は魔法を使うのか?」

「ええ。アイツの目を見なさいな。暴力的なまでの殺意と知性が混じっているでしょ?」


 動き出す様子はまだ無いが、その瞳は明らかにこちらに向けられていた。神丸はより一層警戒を強めたようだった。


「神丸は左脚から腹当たりに陣取ってヒットアンドアウェイ。気をつけるのは視線と脚。それから尻尾よ。顔が向いたらブレスがくるわ。その時は死ぬ気で避けてみなさい」

「承知した」

「それから『極光流』は使える?」

「伍の太刀までなら」

「刀の技量だけでそこまで出来るなら十分よ、それを主体に攻めなさい。私は正面で派手に注意を引くわ。鱗は魔法を弾きやすいと言っても効かないわけじゃないし、鱗が剥がれれば攻撃も通りやすくなる。私は広範囲にばら撒くけど、貴方達は鱗を剥ぎ取れるよう、一点集中して」


 2人が頷くのを見届け、武具を用意する。

 作り出すのは神聖属性で構成された光の剣。そしてマジックバッグからは『精霊銀』を用いて気まぐれに作った騎士用の盾。そこに神聖属性の力を流せば、光の盾に早変わり。

 ミカちゃんの装備には劣るけど、なんちゃって光の武具の完成だ。


「さあ、行くわよ!」

「はい!」

「応!」


『久々の強敵ね!』

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