第18章 神魔大戦編・序章

第309話 すぐそこですっ!

「無事、帰還っ!!」


 戦闘に一切参加しなかったフォルクレスに事後処理を押し付け。

 無事にクレーターは消え去り、軍事施設が復元され、拠点である豪邸に戻って来たわけですが。


「「「「「「「お帰りなさいませ」」」」」」」


 扉を開くと、ズラッと整列したナイトメアのメイド軍団。

 うん、実に壮観ですね。


「むふふ、出迎えご苦労様です!

 任務は無事に達成しました」


 そして……僕はこれから暫くは働かずに自堕落なスローライフを送るのですっ!!

 ベッドでくるまり、ゲームをしながらお菓子を食べて、惰眠を貪る。

 むふふ、ニヤニヤが止まりませんっ!!


「コレール様。

 ナイトメア本部守護隊、総司令官であるリーナ様とミーナ様より緊急連絡が入っております」


「分かりました」


 何かあったのでしょうか?

 う〜ん、気になりますね……でもまぁ、本当にヤバイ事態ならコレールが教えてくれるでしょう。

 うん、今はお風呂に入ってゴロゴロするのが先決ですねっ!!


「じゃあ、僕達は先にお風呂に行ってますね!」


 一仕事終えた後のお風呂、そしてお風呂上がりに瓶のコーヒー牛乳を一気飲み!!

 ふっふっふ、実に楽しみです!!


「かしこまりました。

 では、あちらで聞きましょう」


「ふふふ、では我々はお風呂に向かいましょうね」


 さっきやっとアヴァリスが下ろしてくれたと思ったら、次はメルヴィーですか。

 皆んなこうも容易く、僕に感知させずに抱っこするなんて……


 やっぱり皆んなに比べればまだまだですね。

 もっともっと皆んなの主人として相応しい様に強くならねば!

 まっ、今はお風呂が何よりも先決ですけどねっ!!


「おぉ!」


 昨日は寝落ちしてしまったので、この豪邸のお風呂を使うのは初めてですけど。


「これは想像以上ですっ!」


 プールかと見間違う程に広大な浴槽。

 露天風呂にサウナに岩盤浴っ!

 そして極め付けは神水を使ったこのジャグジー!!

 自宅にこんな設備のお風呂を持っている人は居ないのではないでしょうか?


「さぁ、お嬢様。

 まずはお髪とお身体を洗いましょう」


「か、体は自分で……」


「っ! やはり私などに洗われるのは嫌ですよね……」


「そ、そそそんな事は無いですよっ!?」


 体を洗われるのは恥ずかしいですけど……いつもクールビューティーなメルヴィーにしゅんとされると弱い!!


「本当ですか?」


「本当です! メルヴィーになら髪でも体でも洗って貰っても嫌じゃありませんよ!!」


「な、なら、私がお嬢様のお身体をお洗いしても……」


「勿論構いませんよ!!」


「お嬢様! このメルヴィー、見に余る光栄です」


 お、大袈裟ですね。


「ふふふ、ではまずはお髪から洗いましょう」


「分かりました!」


 まぁ、メルヴィーも元気になったみたいですし、結果オーライです!!

 メルヴィーに全身入念に洗われて、湯船に浸かる。

 脱衣所で動きやすいワンピースを着せられて……


「ぷはぁ……お風呂上がりコーヒー牛乳。

 これこそがお風呂の醍醐味です!!」


「ふふふ、お嬢様、お口の周りに付いていらっしゃいますよ」


「む、ありがとうございます」


 僕とした事が忘れていましたね。

 コーヒー牛乳を飲んで、口の周りに髭を作る所までが醍醐味です!


「ぐぅ……メルヴィー……」


「オルグイユ……これは仕方ありません。

 今日はメルヴィーがルーミエルお嬢様をお世話する日なのですから」


「分かってはいますけど……」


 何やらオルグイユとアヴァリスが悔しがってますね。

 どうかしたのでしょうか?


「エル、早く行こ?」


「う〜ん、そうですね。

 ゴロゴロする為に存在する楽園! 寝室向かってレッツゴーです!!」


 ふっふっふ、自堕落スローライフはすぐそこです!!

 フェルに手を引かれて、脱衣所の扉を押し開く!


「お嬢様、緊急事態です。

 アニクスに存在する、多数の拠点が襲撃されました」


 扉の前に控えていたコレールが一礼と共に言い放った。

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