第310話 意地悪です!

*20年6月14日


前回のお休みから約1月。

雨の日も、風邪の日も毎日更新を続けて来ましたが……ついに限界がやって参りました。


と言うのも、最近遂に近畿が梅雨入りしたのはご存知でしょうか?

偏頭痛持ちの僕にとっては地獄のような日々の始まりという訳でして……


そんな訳で本日の更新はお休みします!

また明日から頑張るから、皆さん応援してください! 梅雨で憂鬱な僕のメンタルを助けて下さいっ!!


因みに、だいぶ前に最強幼女の前書きに書いたと思うのですが、新作の構想を2つ練っています。

いつ公開するかは未定ですが、公開したらそちらも応援してください!!




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「リーナ! ミーナ! 大丈夫ですかっ!?」


「「お嬢様っ!?」」


 リーナとミーナからの緊急連絡。

 それは僕達がゼサータレンと対峙している間に多数のナイトメア拠点に襲撃を受けたと言うもの。

 コレールに事の次第を聞いて、即座に2人の座標を特定。

 転移で帰還したわけですけど……


「……やってくれましてね」


 僕達ナイトメア相手に襲撃をする愚か者はこのアニクスにはまずいない。

 そもそも、ナイトメアの拠点を襲撃できる存在なんて限られてます。


 それなのにこうして多数の拠点が襲撃受けた。

 それも、僕達がいない時を狙って……それが意味する事は……


「くそっ!」


 ヴィスデロビアめ……まさか既にゼサータレンと接触していたなんて。

 魔導科学衛星の爆撃前に、既に情報を流されていたって訳ですか。


「お嬢様……申し訳ありません」


「私達はお嬢様達のお留守を任されていたのに……申し訳ありません」


「っ! 2人が謝る必要なんてありません!」


 ヴィスデロビアは元シングルの神。

 到達者であっても超越者でない2人には荷が重い。

 それにどうやらヴィスデロビアは既に仲間と合流を果たしている様ですし。


「ヴィスデロビアが既に勢力を回復させている事まで読めなかった僕の責任です。

 そんな包帯塗れになって……2人が無事で本当に良かったです」


 僕が大局を読み切れなかったせいで、もし2人が死んだらしたら怒り狂う自信があります。


「リリアーナとハールトはどうしてますか?」


「え、えっと……父様と叔母様は私達に代わって全体の指揮を取っています」


「恐らく今は、帝都のリーヴ商会支部にいると思います」


「ふふふ、分かりました」


 恥ずかしがりながらもハールトの事を父様、リリアーナの事を叔母様って呼ぶミーナ。

 ミーナが言ってるのにリーナも恥ずかしそうにしてますし。

 2人とも実に愛くるしい!

 後で2人にはケーキを食べさせてあげましょう!!


「コレール、取り敢えずリリアーナ達に合流して現場の指揮を」


「承知致しました」


 一礼と共にコレールの姿が掻き消える。


「アヴァリスは本部の結界を念のために強化して下さい」


「かしこまりました」


 聖母のような微笑みを浮かべてアヴァリスが転移で瞬時に立ち去る。


「オルグイユとフェルは一緒に負傷者の対応をお願いします」


「ん、任せて」


「承知致しました」


「エンヴィーとグラトニーは先程と同様、潜んだら目を潰して下さい」


「了解」


「お任せ下さい」


 今回はさっきの地球とは違って、確実に目がいるでしょう。

 元々、敵対していたようなものですが。

 ここからはネルヴィア様にお願いされてのお手伝いではなく、全面戦争です。


「任せましたよ。

 僕は奴の痕跡を……」


「お嬢様」


「ひゃ!」


 こ、この声は……いつもよりもドスが効いていて明らかに怒っていそうなこの声は!!


「メ、メルヴィー?」


「襲撃の報せを受けて、心配なのは分かりますが……突然、転移しないで下さい!

 もしもの事があったらどうするのです!」


「だ、だって……」


「だってじゃありません。

 突然飛び出して行かれて……私共もご心配したのですよ?」


 キツイ声音だったのが、優しい声に変わって抱っこするように抱き締められる。


「ごめんなさい……」


 また心配をかけてしまいました。

 しかも今回はヴィスデロビア絡みだから、特にでしょう。


「お嬢様は本部でお留守番です」


「そ、それは……」


「お嬢様、もっと我々を信じて下さい。

 私達、お嬢様の眷属だけではありません。

 お嬢様の元に集った私達の力を信じて下さいませ」


「うぅ……分かりました。

 でも、僕は皆んな事を信じていなかった訳ではありませんからね!!」


 これだけは言っておかなければ!!


「ふふふ、勿論存じております。

 お嬢様が私達を大事に思って下さっているから、私達を危険な目に合わせたく無いとお考えなのは皆分かっておりますよ」


「えっと……」


「お嬢様に納得して頂く為に言っただけです」


「うぅ、メルヴィーは意地悪です!」


「ふふふ、はい。

 メルヴィーは意地悪ですよ」


 むぅ、メルヴィーも僕の事を心配して言ってる事って分かるから言い返せない!


「では、参りましょう」


「うぅ……分かりました、僕に二言はありません!

 こうなったら待ってる間にケーキをやけ食いしてやりますっ!! 」


「かしこまりました」


 むぅ……余裕ですね。

 せめて、ネルヴィア様に連絡を入れておくとしましょう。

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