第113話 死んで下さいっ!!

 久しく身を置いていなかった、薄暗い空間。

 馬鹿みたいに広く、そして周囲には僕を食い殺そうと殺意をばら撒く異形の存在。


 闇を見通す僕の視界に収まるのは、数える事が不可能な程の魔物。

 〝無制限転移〟の権能を持ってしても、この空間内に蠢くのは僕を省いて魔物のみ。


「こうしていると、昔を思い出しますね〜。

 まぁ、昔と言っても、まだ一年も経ってませんけど……」


 何故、僕がこんな場所にいるのかと言うと、勿論修行の為です。

 そして、何を隠そうこの場所は深淵の試練に他なりません。


 深部200階層にあるナイトメア本部の下には、研究機関などが9階層にわたって存在し。

 その更に下に最下層である、僕たちの家が存在するわけですが。


 この場所は、その家の更に下。

 今回、この為だけに態々追加で迷宮を拡大しました。

 そして、神様達にお願いして僕と同程度のレベル帯の魔物を作り出してもらった訳です。


「やっぱりレベル上げと言えばダンジョンですね。

 僕がダンジョンマスターなのである程度の融通は通りますし、何より効率が良い」


「グオォッッ!!」


「煩いです」


 ライオンの様な魔物が襲いかかって来たので、滅光魔法で頭を消し飛ばしてやりました。

 これで、周囲の魔物達も多少は警戒して暫くは襲ってこないでしょう。


「さてと、取り敢えず今の僕のステータスはっ……と」




  名前:ルーミエル

 性別:女

 種族:???

 年齢:???

 レベル:1650

 二つ名:「最強の幼女姫」「カジノの幼天使」

 加護:神々の加護


 ステータス

 生命力:2,800,000

 魔力 :4,500,000,000

 力  :4,100,000

 敏捷 :6,400,000

 体力 :5,700,000



 ・ユニークスキル

「等価交換」「無限収納」「神眼」「刀魔闘術」「超高速再生」「無制限転移」


 ・魔法スキル

「全属性魔法LV10」「全上位属性魔法LV10」「空間魔法LV10」「滅光魔法」「重力魔法」「氷結魔法」「星天魔法」


 ・通常スキル

「格闘術LV10」「魔闘術LV10」「刀術LV10」「魔力制御LV10」「物理・魔法完全耐性LV10」「魔力自動回復LV10」「状態異常無効」「偽装LV10」「夜目」「飛翔」


 称号

「転移者」「到達者」「神獣達の主」「ダンジョンマスター」




「久しぶりに見ましたけど……やっぱり魔力だけがズバ抜けてますね」


 因みに〝ユニークスキル・超高速再生〟は、レベルが1000を超えた時に〝称号・到達者〟と共に獲得しました。


 到達者は、超越者に至る道の半ばまで達した存在に送られる称号。

 つまりは、レベルが2000を超えれば超越者となるわけです。


 超越者とは、この世界の楔から解放された者の事を言い。

 神獣と称されるコレール達も超越者です。

 と言うか、かつて超越者に至った存在が神獣と呼ばれる様になったそうです。


 僕はサボっ……忙しかったので、超越者には至っていませんが。

 メルヴィー、ノア、シアの3人は、僕の眷属となり迷宮を活用し超越者に至っています。


 超越者は、この世界の法則から解放され、謂わば神と同列の存在になるのですが。

 この世界のスキルなどが消えてしまいます。


 ステータスは神にも存在するので、超越者になっても残りますが。

 出てくるのは名前と性別、種族にレベルと言った個人情報。

 それに加えて〝神能〟と言うユニークスキルより更に上位にあたる権能だけです。


 魔力などの表示は無くなるわけですけど……まぁ、そっちの方が見やすくなって僕的には嬉しいですね。

 尤も、個人情報は無くならないので、あの二つ名は残る訳ですが……


「ギャオォッン!!」


「滅光結界」


 どうやら時間稼ぎも限界の様ですね。

 ケロベロスが涎を垂らしながら、炎を吹いてきました。


「はぁ、ノアとシアに包まれて寝たいですが……仕方ありません、頑張るとしましょう」


 改めて周囲を見渡すと、ケロベロスだけでは無く。

 蠢いている魔物達も、もう我慢出来ないとばかりに殺気を垂れ流しています。


 まぁ、僕としても早く終わらせて皆んなの所に帰りたいですし。

 いくらレベルが同程度とは言え、この程度の奴らが僕に勝てると思っているのは不愉快です。


「早く僕が自堕落生活に戻る為に。

僕の為に、死んで下さいっ!!」

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