白昼夢な旅〜⑦〜

“ソレ”は座り込む様な仕草をし

鞄の中をガサゴソと漁り始めた


中に入ってある物を取り出し

一つ一つ床に置いていく


刺激しない様に私はただ凝視するしか無かった


空っぽになった鞄の中身を

“ソレ”はじっと見つめている


ぽたっと何かが落ちる音

鞄に伝う水色の水滴


“ソレ”が恐らく眼のある部分であろう所から

ポタポタと空の鞄を濡らしている


絶えない涙?を落としながら

“ソレ”は立ち上がり私の方を向く


雫をこぼしながら見つめてくる黒い顔

不気味さと恐怖で動悸が高まる 


ゆっくり伸びてくる黒い腕が私の頭を掴んだ












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