白昼夢な旅〜③〜

中心部の巨大な車輪が轟音を上げ回り続け

水飛沫が飛び散っている


暑い砂漠地帯に備えられた水資源なのか

絶えず車輪が水車の様に水を巡らせていた


周辺を散策しながら建造物の全体像を見る

そして気づいた、、、


おかしい事に人の姿が確認出来ない

居るのは一人虚しく佇む自分だけ、、、


深い砂地の暖かさに身を委ね座り込み

回る車輪をじっと眺める


、、、何時の時が過ぎたのか

突然、車輪がこれまでに無い程の轟音を立てた


車輪がガタガタと鈍い動きを最後に止まり

水路の水は徐々に無くなり枯渇していく


停止した建造物は崩れていき

外れ落ちた車輪の中心部には寂れた扉が一枚


一体何だったのか、、、朽ち果てた建造物に

ただ哀れで何処か虚しい蟠(わだかま)りだけを残し


次の“寂れた扉”を開き踏み入れた










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