第7話


参ったなぁ……。

彼女の事を白百合のように美しいと思っていたのに……。

まさかこれ程まで僕の想像の上をいくなんて……。



返り血に赤く染まってこちらに殺意を向け睨む楓の姿を見ながら思っていた。


素晴らしいな、本当になお美しい……。


そして面白い……。


……そうか。

これが本当の彼女の姿か。


いつも笑顔で従順で人懐こい子猫のような愛くるしさの反面


この蔑んだ目に言葉遣い。


これは僕がきっかけで生まれた君かい……?

それとも元々ひそんでいた君なのかい……?


なんにせよ、僕の目に狂いは無かったんだ。


美しいものが壊れた時、また新しい美しさがある。


もっと僕を見てよ。


あぁ……でもまだ死にたくないな……。


君に刺されてしまったアソコがじんじんするよ……。



うん……?


そうか。

君はやっぱり……。

力が欲しいんだね。


もっと強欲に僕から奪っていくといいのに、なんだい……??


またそうやって僕を疑って。

僕は君に嘘なんか言わないよ。


そんな所も可愛いんだけどね。愛しいよ。


僕が君を消す……?

そんな事は絶対にするわけないじゃないか。

だって、君は僕の大事な女神じゃないないか。


なにがあっても守り通してせるよ。


……だけど目が霞んできたな……。

楓ちゃんが二重に重なって見えるよ…。


これは非常にまずい展開だ……。


このままでは僕が死んでしまうな……。

せっかく出逢えたのに。


僕が死んでしまったら……。

君に汚名が残ってしまうね……。

それは出来たら避けたいから……。

僕を信じてくれないかな……。



まぁ……どうなったとしても僕は受け入れるよ。

どんな結末だろうとね……。


さぁ……君はどうするのかな……?


このスマホであいつに電話してくれれば僕も助かる可能性もあるし、この状況を打破出来る。



もし……生きて僕が目覚めたら、その時は誓うよ。


楓ちゃん、君のために生きようと。














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