第57話:あの日から……

彩乃を泣かせてしまったあの日。ホワイトデーのお返しは別のものでということになったので取り敢えずウィンブレは俺が一緒に選んだり、何が悪かったのか自分なりに考察をし、それを現在進行形で行動に移すことによって別に答え合わせをしたわけではないが彩乃の彼氏として一歩成長したのは確かである。


だってこの前彩乃に『最近ひーくんが私の彼氏として色々頑張ってくれているからご褒美』って言いながら頭を撫でられたもん。


ということで本日3月14日は部活が休みになったので急遽予定を変更し、午前中から彩乃とデートをしていた。


………実は誘うだけで精一杯だったため正直にノープランであることを白状し『じゃあ丁度いいしお互いの春物の洋服でも買いに行こうか』と提案してもらったのは内緒である。


(でも今日1日楽しかったもん)


(お昼ご飯の場所を決める時も彩乃と倉科がよく行くっていうパンケーキ屋に連れて行ってもらったけど、苺のパンケーキ美味しかったもん!)


(デートに誘ったはいいもののこれに関してはマジでどうすればいいか分からなかったから助かったとか思ってないもん‼)


(でもここからは俺のターンだから。………多分1時間くらいでそれも終わるけど)


「最後に一ヵ所だけ行きたい場所があるんだけど、まだ時間ある?」


「元々ひーくんとの約束はこれくらいの時間からだった全然大丈夫だけど、どこに行くの?」


そんな彩乃の問いに答える代わりに俺は彼女の手を握り目的地へと向かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る