第30話:その頃彩乃は

夏休み明け以降私は一日一回以上一之瀬君に話しかけるようにしているのだが、中々こっちが振った話題以外のことは滅多に喋らないので仲良くなるにはまだまだ時間が掛かりそうである。


しかし一ヶ月以上も毎日何かしらの話をしていれば色々と分かってくることもあるわけで、日を追うごとに話しかけやすくなってきているのは事実である。


ということで丁度明日香がいなくて暇&今日はラノベ以外の本を読んでいるようだからそれについて話を振って大丈夫なことはチェック済みの私は


「ねえねえ、一之瀬君。今日は何読んでるの?」


「東野○吾の真夏○方程式だけど、えーと、昔ドラマでやってたガ○レオの続き的なやつ」


(最初の頃こっちの質問にだけ答えることが多かったせいで明日香の助けがないと会話にすらならなかったけど、最近はこういう風にちょっとだけとはいえプラスα喋ってくれるようになったんだよね)


「あー、ガ○レオなら私も知ってる、というか再放送を見てたお母さんの影響で私も一緒に見てたし。ちなみに他になにか好きなドラマとかってあるの? さっきも言ったけど私のお母さんってよくドラマの再放送とかを見てたから古い作品でも結構分かる自信はあるよ」


「ド○ゴン桜 (当時3歳)・結○できない男 (当時4歳)・まだ結○できない男 (現在放送中)・白○春 (当時7歳)・美女○野獣 (当時1歳)・ガ○レオシリーズ (当時5歳・11歳)・ア○フェア (当時4歳)・流星○絆 (当時6歳)……かな」


「ぷっ、ぷはははは。あはははは」


(どれも古すぎってのもあるけど、カッコいいおじさんが出てる作品ばっかりの流れで最後に流星○絆を出してくるのはズルいでしょ! そんなの予想外すぎるって! ちょっ、笑いすぎておなか痛い)


その後、私もそれらの作品は全て見たことがあるので色々と話を振ってみたところ、どこか嬉しそうな顔をしながら一緒にお喋りしてくれた。

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