うちの科学部は色々とヤバいです。

@lion0226

第1話

6月21日

本日は初夏ということもあってか少し暑い。


そして、この学園では少し涼しくなるような噂話が飛び交っていた。

「ねぇ、聞いた吉田理科室の話ぃ~?」

放課後の教室で同じ掃除当番の中村がそんな、噂を話そうとしていた。


僕にとってその話はみんなとは違う意味で冷える話であることは確かだった。

僕は固唾を呑み込み中村に知らないふりをして聞く。

「なにそれ?」

「3年の吉田先輩っているでしょ一人で科学部やってる人」

「あぁ……いるね」


僕もそうなんだけど………


「その先輩がこの前、実験室で何かの実験中に爆発事故を起こして部屋中、血まみれになったっていう話。あと……そのあとから、いないはずの先輩の声が研究室からするっていうの」


「へぇ~知らなかったな」

え⁉何それ大事件じゃん!警察とか普通に来る大事件じゃん!

「大丈夫?汗すごいよ。まぁ今日暑いからわかるけど」

気付かないうちに凄い量の汗が噴き出ていた。

「よし!掃除終わり!面白い話が聞けて楽しかったよ。ありがとう悪いけど俺、急用があるから」


教室から出た後、人目が無くなった途端、僕はその事故現場へと全力で走っていった。

「先輩!」

勢いよく誰も見えない部屋の扉を開けた

「やぁ!君かどうしたの?さっきから凄い勢いで何かが近づいていると思ったら」

「それより手伝ってくれ今から試作品第15号を使うんだ。」

「それも大事ですけど、変な誤解の噂が学園内で広まってます!」

「西岡君、噂というのはいつでもそういうもの……だぞ☆」

「うるせぇ!この先薬ができなかったらどうするんだ!」

危機感が全くない先輩に僕は憤りとでもいうのだろうかそういう感情が高まってつい怒鳴ってしまった。

「そ……そうだね、でも感情的になってはどうしようもないよ」

「すみません。つい……」

お辞儀をしながら謝罪をすると先輩は僕の尻を撫でまわす

「私はそっちにはいないぞー、ふふ透明って便利だ。」

「だからさ……先輩っ……もっと危機感持ったらどうなんですか!?」

「あと、ほんと止めろよセクハラ透明人間がぁぁぁ」


あぁほんとにどうしてこうなったんだろう。


原因は遡ること一週間前になる

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