第2話 ちーちゃんはゆーくんが大好き!

「それでね!ゆーくんを思い出しちゃって!なかなか寝付けなくて!

SNSでゆーくんが写ってる画像いっぱいダウンロードしてね!~~~」


こいつずっと喋ってるんだが。あと情報量が多すぎる。

一回助けられただけなのに俺のこと好きなの?

そんなんで好きになってもすぐ冷めるだろ。知らんけど。


「ゆーくんの後ろ姿も見てるとドキドキしちゃう。

これが恋なのかな?~~~」


これ俺いなくても喋ってんじゃね?


ちなみに天然水はもらいました。

くれるって言ってるのにもらわないのもあれかなって。

昨日助けたしそれくらいいいかなって。


ちなみにうちには冷蔵庫がない。

だから飲む分を都度都度買っている。

料理もしない。常温で保存できるものか、食べきれるものしか買わない。


「少しいいか?」


「何?ゆーくん?」


「会話をしよう」


「してるよ?」


なんということだろう。

あれだけ話してきて。

あれだけ主導権を握っていて。

それで会話だとこいつは思っているのか?

こいつは不思議ちゃんだ。間違いない。


「……そうか」


「そうだよ。変なゆーくん」


俺は変だったのか。

まあ天然水ばっかり買ってるしな。

少しくらい天然なのかも。

ってちょいちょいちょい。

別に変じゃねーよ。

天然水ばっか買ってるから天然ってないから!


……あんまりおもしろくないな。

自己採点21点。

もっとひねったノリ突っ込みできるよう練習します。


まあ見ての通りだが俺はあまり物怖じしない性格だ。

変なことを言われても大体ふーんそっかと受け流してしまう。

きっと彼女は自分の妄想を話すことが好きなのだろう。そうなのだろうと。

勝手に自己解決している。

別に相手の心情に特別鈍いとかはなく、

こいつが俺に好意を抱いていることは察する。


けど面倒くさい。

とにかく面倒くさい。

一人の人間に縛られて生きるなんて考えられん。


仕事と私どっちが大事。

50%50%だろ何言ってんだよみたいなタイプである。

なぜに優先順位が必要なんだ。

全てを捨ててもお前と一緒にいるよ<ドヤッ

みたいなことか?状況によるだろ。知らんけど。


そんな少しひねくれてるせいか、恋愛感情が沸かない。

過去に付き合ったこともあるが、

俺があまりにも連絡しないからそのまま別かれてしまった。

……別れてたよな多分。


そうやって思考をあっちこっち飛ばしながら、

学校につくまでの間ちーちゃんの話を受け流した。



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