助けた女の子がストーカーになったんですが!?

ソルタン

第1話 ゆーくんとちーちゃんのはじまり

「ゆーくん!お、おはよう!11時間32分ぶりだね」


「……ほんとにその時間は合っているのか?あとなんで俺の家の前にいるんだ」


俺の名前は北本雄太。

ただの男子高校生だ。

目の前のよくわからんJKに絡まれている。


「あの……、昨日はありがとうっ!本当にたすかったよ!」


「あー、いや気にするな、昨日礼はもらってる」


彼女の出会いを説明しよう。


昨日コンビニに天然水を購入しようと出かけていたところ、

不良に絡まれているJKを発見。

割って入って話を聞いてみるとJKがぶつかってしまったと。

アーそうですかすいませんねはいじゃあこれで、

JKの手をつかんで逃走しようとするも失敗。

不良は俺の肩をつかんでいたのである。


「誰に断って俺の肩つかんでんだよ」


彼女に見えないように相手の顎をばこっと殴る

多分彼疲れてたんだよ、俺何もしてないし。

ただ顎殴っただけだし。


倒れてる不良を無視して彼女を人通りが多い道に誘導。


ありがとうございました。

いえそれほどでも。

お礼させてください。

いや別に結構です。

お名前教えてください。

名乗るほどのものではありません。


面倒になった俺はそいつを放置し逃走。


結局天然水も買ってないから、さっきの道戻って。

不良のズボン剥いで身分証明書出して

写メ取ってから起こした。


ねぇわかるよな


そのあとコンビニ行って、天然水買って、家帰って寝ると。


こんなやりとりがあって今に至る以上。


うーん、なんでこいつ俺の家知ってるんだよ。

てかゆーくんて呼ぶなよ。名前教えてないぞ。


「どうやって俺の名前と住所を知った?」


「……言わなきゃダメかな?」


「言え」


知り合いに教えてもらったとかか?


「……昨日助けてもらったあと、ゆーくんのことを探してて、

偶然見つかったから後ろからついていったんだ。

そうしたらゆーくんコンビニでお水買ってたから、

家に帰って飲むのかなって、そうしたら案の定おうちに帰ったから、

住所分かった!嬉しいなって。

今度は表札で苗字わかったしSNSでたくさん検索したんだ。

ゆーくん自体のアカウントはなかったけど、

クラス名簿とかクラス風景とか上げてる人いたからそれでわかったかな」


背中がゾクッてした。

ゾクッてする感覚は嫌いじゃないが。

これはあんまりではないか?

このおなごが怖いのだが。


「あーと、えっと、お前の名前を知らないわ。何さんだ」


「えっあの!申し遅れました!吉見千鶴と申します。よろしくお願いいたします!」


「じゃあ、ちーちゃん礼はもういいから学校行け」


「ゆーくん!ちーちゃんって呼んでくれるの!?

ありがとう!仲良しだね!」


ゆーくんって呼ばれてるから相手をそれに習って呼ぶようにしている俺。

なんか好感度が上がった音が聞こえた。やってられん。


「わかったから学校行けって」


「ゆーくんも一緒に行こう!」


「俺は天然水をコンビニで買ってから行くの」


「あっ!それでしたら!」


ちーちゃんはカバンを漁りだした。

嫌な予感がする。


「どうぞ!天然水です!一緒に学校に行きましょう!」


目の前が真っ暗になった。



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