第178話 友子の想い

インフルエンザが原因ではなく、単純に過労死だった。

素出川は必死に生きていた。

必死に。


生きる事が必死過ぎて、自分の体の事などお構いなし。

素出川らしい。

真っ直ぐで、純粋で、バカ。


バカ……。

………バカ。

バカだ。

本当っバカだ。


遺体は自治体の方で葬儀、埋葬された。

学校の人たちも葬式に参列したらしい。


私は行く事は出来なかった。

まだ何もかも、信じられず、部屋に引きこもっていた。



数日後。


「いつまで、寝ているんだい? 夏が終わってしまうよ?」

「まだバリバリ夏じゃん」


布団の中から答える。

相手は陽太郎だ。


「豚草さんとこの前 " からおけ " に行ったよ」

「うそ!」


私はベッドから飛び起きた。


「本当さ………瞳楽、痩せたね」

「……うん。でも水分は摂っているから大丈夫っしょ?」

「辛いの?」

「……辛いのかも分からない。友子は大丈夫なの?」

「豚草さんはこう言ってたさ。スーくんが頑張って生きて、死んだなら、私もそうする。強く生きて、笑顔で死ねる様に。素敵だね。素出川くんが惚れるのも分かるさ」


本当、友子は素敵だ。


続く。

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