第176話 素出川失踪の謎を追えⅡ

確実に中で、物音がした。

何かが、動いた音だ。


陽太郎が間髪入れず、またドンドンと扉が壊れそうな位に扉を叩いた。


まただ。

確実に中に何か居る。


「裏に行こう」


陽太郎が凄いスピードで動いた。

でも、素出川のアパートは2階だ。

裏に回って、草ボーボーで2階には行けない。

友子と私は、遅れながら裏に回ると陽太郎は、身軽に雨水を流すパイプにぶら下がり2階のベランダに侵入した。


「メロンの彼ピ、すげぇ」

「彼ピじゃないし。幼馴染」

「アニメかよ」

「うっせ」


そんなやり取りをしている間に、陽太郎はベランダから顔を出した。


「ベランダの鍵、開いてる。しかも少し開いているよ? 中に入ってもいいよね? 君等は玄関から来なよ」

「オッケー」


何故か友子が答えた。


なんか、この感じだと素出川はいない。

少し開いていたって事は、風?

いや、違う。" ヤマ " だ

素出川は猫と同居していた。

そのヤマが居たんだ。


私と友子は、急いで玄関に向かう。

しばらくすると、解錠された音がして、私は急いで扉を開けた。


続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る