第34話 解読方法
「なんでクルにピアノを教えることになったの?」
美鈴の部屋に移動してからの事。
まだ練習がしたいとのことでクルはまだピアノを弾くらしく、ボク等はいったん自室に戻ることにした。
だが自分の部屋に入ろうとしたとき美鈴に呼ばれて今は美鈴の部屋に居る。
「クルに図書館を案内してもらったんですが、その時に代わりにピアノの弾くコツ等を教えてほしいと言われたので、教えていたんですよ」
ベッドに凭れ、イスに座って話している美鈴を見ていた。
「ここって図書館あったんだすごい設備があるんだな。でもなんで図書館に?」
「お兄ちゃんも私もこの世界の文字を知らないので少し勉強を、と思って図書館へ行ってきたんです」
どうやら美鈴もボクと同じらしい。
この世界の誰かにボク等が別から来たと言っても大丈夫なのかどうかという疑問。巫女さんに事を聞いていなかったのが仇になったんだ。
それに連絡手段は今のところない。というのも貰ったスマホで巫女さんにかけれそうな番号が無かった。
電話は美鈴にしかかけられない。
でもあんまり他人にスマホを持っているところを見られたくないから極力電話はかけない。そもそも最近はほとんど自室に置いたままが多い。
「結果は」
訊ねると美鈴はドヤ顔をし、椅子の空いたスペースに両手をついて足を揺らす。
「解読完了です! 完璧なはずですよ♪」
「おぉすごい流石美鈴。因みにどう解読したの?」
人差し指を立てる。
「簡単に言うと文字の出現率ですよあとは照らし合わせですね。本を数冊読めば理解出来ました」
だんだん美鈴の頭の良さに実感が湧きづらくなってきてる。
「偉いな。ついでに聞くけど所要した時間は如何程で?」
「ざっと15分程です。本自体眺めるのは久々で時間がかかりました」
「はぇーそれでも早すぎると思うんだけど」
美鈴はボクのもとへ来て隣に座ってベッドに凭れた。
「そんなことよりお兄ちゃん私も頑張ったので――――」
「はいはい」
美鈴が何を言おうとしたのかわかったボクは美鈴が言い終わる前に返答し、頭を撫でる。
気づけば満面の笑みが返ってきていた。
「相も変わらずだね」
「これでいいんですよ」
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