「バレンタイン・デーの朝に下駄箱を開けると、半分に割れたハート型のチョコレートが置いてある」
それは或る高等学校に伝わる七不思議のうちの、ひとつ。
さらに、
「放課後までに、他の誰にも見られずにもう片方のチョコレートを見つけないと、永遠に恋が実らない」
しかし、
「逆に見つけられたら永遠の愛が叶うらしい」
と聞くと、
カタワレチョコも悪くないと思えるのが不思議。
学校の七不思議を軸に展開する少年少女たちの甘い季節。
流れるように美しい筆致で著される「チョコに塗り込められた謎」を
是非、あなたの瞳で、ご確認ください。