第59話 『VIPルームの知り合い』

俺達はホテルからホテルに併設された円形状の建物に移動してきた。

高さ15メートル広さ直径25メートルの円形状の吹き抜けのホール

手前の横幅15メートル縦7メートルの舞台を囲むように円形状に席が設けられている。

もう席は貴族の豪華な服に身を包んだ男女で満員の状態熱気がこっちの方まで伝わってくるようだ。


そして丁度舞台の斜め上の2階部分にVIP席がもうけられ俺達はその部屋に通された。

VIP席には・・・

王族らしき服装の男女が

ユリアナはその2人を知っているらしく

「チャーリー国王様、そしてエリザベス王妃様ご無沙汰しておりますストレイア公爵家のユリアナでございます。今回はお子様の出産祝いにお招きありがとうございました」


とカーテシーをとるユリアナ


するとユリアナがチャーリー国王様と言った男性の方が

「おおひさしぶりじゃな。血塗られ・・いや失礼したユリアナ姫。今回は子供連れでオークションとは優雅じゃな今回のオークションで落札したい物でもおありのかな?」

と言葉をかけられると

「いえ今回は『宝石のダンジョン』をこのキリスと一緒に攻略致しましたのでダンジョンでドロップした品をオークションに出品する為に来ました」


と言うと

「な・・何と、有史以来どこのダンジョンも一度も攻略された事が無かったのに、今回ダンジョン攻略をしたと言うのか・・・」


と口を大きく開けたままチャーリー国王は


『固まった!!』


そんなチャーリー国王の様子を見て


「貴方!!大丈夫ですか?」


とエリザベス王妃に心配をされてしまっている。

ダンジョン攻略したって事がそんなに衝撃的な事なのか?

チャーリー国王は俺達が『宝石のダンジョン』を攻略した事を知らなかったのか・・

それにしても、ダンジョン全て今まで攻略した人間が一人も居なかったって事は初めて知ったぜ!!

何処のダンジョンも同じレベルだとすると、まあ30階層目以降の怒涛の攻撃を凌ぐのは普通の人間じゃ到底むりだろうな。

ある程度の深さまでは行けるだろうが、ダンジョン攻略はむつかしそうだ。


「お・・おう済まぬ済まぬ。呆けてしまっておった。あの『宝石のダンジョン』を攻略したとはビックリじゃ。お~そういえばユリアナ姫のそのネックレスは・・・」


と言いかけて


『またまた固まった?』


「貴方!!貴方!!大丈夫ですか~~?」


とエリザベス王妃に揺り動かされて・・


「そ・・・そのネックレス・・既に値段が付けれない物のなっておるでは無いか!!何処で買ったものなんじゃ?教えてくれ」

とチャーリー国王が挙動不審になりながらユリアナに聞いてくる。

チャーリー国王は鑑定持ちだったのか・・・

ユリアナのネックレスの金額がすでに算定できない金額になっているのを見て固まったか。


エリザベス王妃もやっとユリアナのネックレスと髪飾りに気が付いたみたいで


「なんと綺麗なネックレスと髪飾りなんでしょう。こんな綺麗なジュエリーは見た事もありません、ぜひ私にも何処で買ったか教えて頂けないでしょうか?」


となんとエリザベス王妃がユリアナの手を握って頭を下げてくる。


ユリアナもビックリして

「エリザベス王妃頭をお上げ下さい。このネックレスと髪飾りは何処にも売っていません。」

と言うと

「売ってないとはどういう事じゃ?」

「売って無いのであれば何方が作ったののなのでしょう?是非教えてくださいませんか!!私もその方に是非素晴らしいジュエリーをお願いしようと思います」


とユリアナの顔にエリザベス王妃の顔がくっつく位顔を寄せてくる。


ユリアナは困ったように俺に視線を向けてくる。

そして同じようにエリザベス王妃とチャーリー国王が同時にユリアナの視線を辿って俺に視線を向けてくる。


『皆して俺をそんな目で見ないでくれ~~居心地悪いぞ~~』


「まさか、この赤ちゃんが作ったなどと冗談は言うまいな?」

「そうですよ。絶対に秘密にしますから教えていただけないでしょうか?」

とエリザベス王妃とチャーリー国王


俺は

「ユリアナ明日渡すはずの贈り物今日でも良いんじゃないのか?」

と話すと

エリザベス王妃とチャーリー国王があんぐりと口を開いたまま俺を見て


『固まった!!』


よく固まる国王様だな!!

それに王妃も!!


まあ・・生まれたばかりの赤ちゃんが喋るとは思ってもみなかったろうからな

驚くのも無理は無いか・・



「エリザベス王妃様、チャーリー国王様これで解ったと思いますがキリスは普通の子供じゃありません、このネックレスと髪飾りはダンジョンの中の宝石を使ってキリスが作ってくれた物です。明日の王宮での誕生祝いにお渡しする心算でキリスが作ったジュエリーですが此処でお渡ししてもよろしいでしょうか?」

とユリアナが言うと

「やはりこの赤ちゃんが・・・」

と・・・

なので王妃の為に作ったティアラとネックレスを俺は異空間収納から取り出してユリアナに渡す。

「エリザベス王妃様これはキリスからの今回のお祝いの品ですお受け取り下さい」


とエリザベス王妃に手渡すと・・・


それを手に取ったエリザベス王妃は・・・


『気絶した』


「王妃様~~~~」

「奥方様~~~~」

「エリザベス~~」

国王様やお付きの人達や執事さんお悲痛な悲鳴が響いたのであった。


つづく・・・・

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