第54話 『ケツから死ね!!』

ダントの街のライトムーンの宿屋での朝食は超~豪華な食事だった。

支配人としては、管理不行き届きって感じで不快な思いをさせたんじゃないかと気にしてたんだろうな。

結局宿泊費は宝石泥棒が10人も出たという事で宿屋の方で受け取ってはくれなかった。

まあお金が掛からないのは良い事なんだが、泊まってお金を払わないってのも変な感じがする。

昨晩の宝石泥棒は10人全員が死亡に関わらず高額な報奨金がかかった賞金首だった。

依頼主は多分アトリシア王国


朝の7時全員が馬車に乗り込み、騎馬5騎が馬車の前、馬車を挟むように騎馬5騎が馬車の後ろからと昨日と同じ編隊を組んで1時間に1回休憩を挟みながら馬車は爽快に街道を浸走る。


昨日の馬車での走行が50キロ

今日は次の直近の宿場町人口5000人の宿場町デザイルで泊まる予定なので今日は70キロを走行しなければならない。

それはここから30キロを過ぎた辺りからデザルス山を挟んで南北40キロの山岳地帯が続くからであり宿場町デザイルはデザルス山を超えた森林地帯を抜けた場所にある為だ。

今日は昨日の距離にプラス20キロを走行しなければならない計算になる。

宿場町デザイルに着く頃には日もドップリと暮れて真っ暗になった頃だろう。

もしも50キロ地点で宿泊なんていってたら山岳地帯で野宿しなきゃならなくなってしまうからな!!絶対にそれは避けたい。



父親のダリウスと長男のエドワードは馬車に乗り込むなりリバーシのボードゲームを取り出してリバーシで夢中で遊んでいる。


ユリアナとミシェルは当然宝石ぬいぐるみの『キーちゃん』と『リスちゃん』とで楽しそうに遊んでいる。


俺はと言えば・・・

アトリシア王国のエリザベス王妃に送るティアラとネックレスを現在作成中なのだ。

30階層で怒涛のように襲ってきた宝石の花園の花を加工してティアラとネックレスを作っている。

そして40階層で眩しいばかりに光を放っていた壁を切り取った時の破片が大量にあった為にティアラの要所要所にこの40階層のボス部屋の眩しいく光を放っている宝石を埋め込んでゆく。


この宝石もう名前は決めている

『龍の涙』

という名前を付けたんだが・・・

俺に討たれた龍が泣いて落とした涙?

って感じで良いだろう!!


って自己満足


『目を開けていられないくらい眩しく光る壁が綺麗で切り取った時に出来た破片』

っていうのも夢が無いと思わないか?

言わなければ誰にも解らないし


俺がそんな名前を付けたならば


『本当に龍が流した涙なんだ』


と納得するんでね?

何事も


『真実を知れば夢が無くなる』


って事よ!!

精々そんな夢のある名前だけでも付けたら夢があって良いじゃん!!

宝石の花園の小さな宝石の花々が荘厳な感じを醸し出し、ティアラに散りばめられた『龍の涙』が眩しく光を放って幻想的な雰囲気を出している。


そしてネックレスはこれも30階層の宝石の花園の小さく可愛い花をポイントに『龍の涙』の宝石を一個埋め込んでネックレスのチェーンも宝石というシンプルな物。


だが其れだけに、宝石の花と『龍の涙』の宝石がが強調されて凄く目立つ。

ユリアナとミシェルが俺の作業をいつの間にか見ていたようで


ユリアナが

「キリスそのティアラとネックレスは物凄く綺麗なんだけど・・・」

と自分に作ってくれた物?

と思ったのだろうか・・・

俺は即行

「ユリアナ悪いなこれはアトリシア王国のエリザベス王妃に送るティアラとネックレスなんだ。国王のチャーリー国王は武器収集家ってユリアナが言ってたから50階層でドロップしたオリハルコンの雷・炎・氷属性の3つの属性を同時に使える魔剣をプレゼントで良いかなって思ってる。何も手土産無しって言うのも悪いだろ?」


って言うと

「そうよね~今回魔素結晶石を献上するので良いかなって思ってたんだけど・・『宝石のダンジョン』攻略も大々的に知れ渡ってるしやっぱりキリスの言うようにプレゼントは必要よね」

と少しがっかりしているぽい?言い方?


「解った!!解ったからユリアナ泣くなよ今のネックレスに手を加えてやるからさ~」

って言うと

「ホント?嬉しい~~!!」

と言って俺を胸の中に抱き締めるユリアナ。


当然ぽよんぽよんの豊満な胸に飲み込まれ

「く・・苦しい・・死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!~~」

となる訳で・・

「あ~ごめんね~気持ちよかったでしょ?」


『ユリアナ解っててやってるだろ!!』


ユリアナに抱き締められている状態なので、速攻ユリアナのネックレスの花に『龍の涙』の宝石を細かく散りばめてやる。

『エリザベス王妃のネックレスとまた違って宝石の花がキラキラと輝いて幻想的な位綺麗だ』


ユリアナに鏡に映ったネックレス姿のユリアナの姿を見せると


「うふっ綺麗~~これはこれでエリザベス王妃様のネックレスと違った綺麗さがあるわね。キリスありがとう~~~」

と言ってまた胸に抱き締めようとするから

「ストップ!ストップ!ストーーープ!!息が出来なくなるからそのまま!そのままで良い!」

そういうと

「そう・・」

と少し残念そう?

『残念そうでも、ユリアナの胸は俺にとっては凶器なんだよ!!』


今度はミシェルが・・


どうしてこう女の子は宝石が好きなんだ!!


しょうがないのでミシェルのは『つぼみ』の小さな花をモチーフに『龍の涙』の一欠けらをワンポイントにコーデ、そしてミシェルにネックレスをつけてやると・・・

「キリスありがとう~~~~~」

とぺったんこのお胸に抱き締められ

「く・・苦しい・・死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!~~」

となる訳で・・

どう足掻いてもこの状況から逃れられないのか・・?


『アリシアにあった時の為にこっそりとアリシアの分までネックレスを作ったのは秘密だ』


・・・

横を見るとメイドのレイラが・・

俺を見て・・・

「私も・・・」

と言いかけたので


「レイラお前死にたいか?」


と脅してやると


「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ~~~なんで殺されるんですか~~?」


と意味が解らないみたいだ。

なので

「あのな~レイラ、ユリアナがしているネックレスだけどな!!あれだけで金貨500億枚くらいするんだぞ!!そんなものレイラが着けて歩いてみろそく首を切られて奪い取られるぞ?良いのか?」


と半ば本当の事を言ってやる。

『多分ユリアナのネックレス値段がすでに付けれないだろうな』


レイラは真っ青になって

「そ・・そんな高価な物だなんてしりませんでした。私まだ殺されたくありませんから良いです」

と震えている?

まあ可愛そうなので、ダイヤを三日月形に加工してネックレスをつくって付けてやる。

「レイラこれで我慢しろ。此れだったら殺されるようなことは無いはずだ」

と言ってやると

「キリシュしゃま~~ありがとうごじゃいましゅ~~」

と抱き締められて・・・

当然ぽよんぽよんの豊満な胸に飲み込まれ

「く・・苦しい・・死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!~~」

となる訳で・・


くっそ!!俺はそうすれば良いんだ~~!!

そんな感じで俺達の旅は進んでゆき、辺りは夕刻にさしかかりいつの間にかデザルス山の木々が鬱蒼と茂る森林地帯を後10キロ程で抜ける所まで来ていた。


すると急に前方を先に進む騎馬の馬達が


「ヒヒヒヒーーーーン」

「ヒヒヒヒーーーーン」

「ヒヒヒヒーーーーン」

「ヒヒヒヒーーーーン」

「ヒヒヒヒーーーーン」


と急に奇声を上げて立ち止まる。

俺の気配感知に危険を感じ40階層目のボス部屋で攻撃された透明な宝石の礫を10個ほど掴んで窓の外に投げる。

それは止まった騎馬の前方で薄いシールドを形成

俺は馬車から直ぐに飛び出て騎馬の前に飛行魔法で飛び出ると・・


手前の街道からぞろぞろと武装した一段が森から這い出して来る。

敵影およそ500!!

なんでこんな山の中にこんな武装した一団が?


と思ったら

「血塗られ姫よ積年の恨み晴らしに来たぞ!!我はサドレイン公爵家騎士団、騎士団長のレイドリックであるその首貰い受ける!!いざ参る」


と言い放った瞬間後方から怒涛のような一瞬で空が黒くなるほどの弓矢の攻撃

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

・・・

騎馬に乗った騎士達は突然の事で動けない

一気に馬車を襲う大量の弓矢?

と思った瞬間不可視の何かに遮られて弓矢がボロボロと一気に地面に落ちてゆく。

俺は8色の宝石の礫を空中に投げて武器に変形させ敵に向かって突っ込ませる!!


「カッ」

「カッ」

「カッ」

「カッ」

「カッ」

「カッ」

「カッ」

「カッ」

「カッ」

「カッ」

「カッ」

「カッ」

「カッ」

「カッ」

「カッ」

・・

なんど攻撃しても兵士の体の直前で不可視の何かに弾かれて切り裂く事が出来ない!!

その間にも次の弓矢が

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

・・・

っと撃ち込まれるがそれはさっきと同じように不可視の何かに幅慣れてボトボトト地面に矢が落ちてゆく。

俺が馬車から放り投げた透明な宝石の礫10個が不可視の薄いシールドを形成して賊の攻撃を防いでいる。

いつの間にか出てきたユリアナが

「これは一体何?」

と俺に聞いてくるので


「サドレイン公爵家の残党がユリアナを殺そうと準備していたミタイだぞ」

と言うと

「え~~~~なんで奴らをやっつけないの?」

「あのな~相手は魔道具を使っているみたいで攻撃が直前で跳ね返されるんだ!!」

って言うと

「え~~~そんなの卑怯だ~~」

と泣きべそをかいているユリアナ

可愛いけど今はそんな時じゃ無いぞ!!


ユリアナが俺のシールドを避けて炎球を数10個出現させて敵に攻撃

でも!!

敵に当たる前に見えない何かに当って消滅してしまう


「嘘~~何で当たらないのよ~~」


「ドーーン」

「ドーーン」

「ドーーン」

「ドーーン」

「ドーーン」

「ドーーン」

「ドーーン」

「ドーーン」

っと凄い数の火球を打ち出すが敵に当たる前に消滅してしまう。

敵の弓矢の攻撃も

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

・・・

っと撃ち込まれるがそれはさっきと同じように不可視の何かに幅慣れてボトボトト地面に矢が落ちてゆく。

サドレイン公爵家残党達も刀で不可視のシールドに切りつけるが

「カツン」

「カツン」

「カツン」

「カツン」

「カツン」

「カツン」

「カツン」

「カツン」

「カツン」

っと弾かれてこっちに来ることが出来ない!!





・・・・


・・・・

1時間くらいそんな攻防戦が続いたころ・・


ふと・・


騎士団長のレイドリックと言ったか・・

アイツが持っている魔道具なんだと思うんだけど・・・

それを壊さない限りあの不可視の防御を抜ける事は出来ないな!!


でもどうやって?

真横からのダメ

真上からもダメ

でも!!

何か弱点が有るはず!!

現にああやって動けているって事は・・

ちゃんと歩けてるって事だろ?

じゃ~下はもしかして無防備?


俺は宝石の礫を地面に高速で突っ込ませ



「ケツから死ね!!」


と言った瞬間


騎士団長のレイドリックの真下の地面から一気に排出


『一気にケツから体の中を通って頭に8個の宝石の礫が貫通』


「ぐわーーーーーーーー」

っと悲鳴を上げた瞬間騎士団長のレイドリックの体が地面に落ちる。

それを見てユリアナは宝石の礫をサドレイン公爵家の残党の眉間に目掛けて自動追尾させ次々にサドレイン公爵家の残党の頭を8個の宝石の礫で撃ち抜いてゆく。


騎士団長のレイドリックが起動していただろう魔道具が停止した後は30分近くで500人程いたサドレイン公爵家の残党の頭はユリアナの宝石の礫の攻撃で全員撃ち抜かれ戦いはあっけなく終了した。


俺はサドレイン公爵家の残党の500体の死体を異空間収納に収納し、馬車に帰ると・・・・


父親のダリウスと長男のエドワードは延々とリバーシのボードゲームに熱中していてサドレイン公爵家の残党の襲撃に全く気づかずに延々と宿場町デザイルに着くまでボードゲームに熱中していたのである。


俺とユリアナはそんな2人を見て


「幸せな人達だな」


といって


「はぁ~」

「はぁ~」

とふか~~いため息をつくのであった。


つづく・・・

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