第55話 『王都アトリシアのギルド本部』
デザルス山を抜けて木々が鬱蒼と茂る森林地帯が続く街道を後10キロ程で抜ける所で旧サドレイン公爵家の残党の襲撃があったもののひもどっぷりと暮れ真っ暗になった夜の8時頃宿場町人口5000人の宿場町デザイルのダンドールという宿屋に着くことが出来た。
本来は宿場町デザイルは旧サドレイン公爵家の領地だった所だ。
ストレイア公爵家に滅ぼされた事もあり、デザイルの街の宿屋ダンドールでの接客はあまり良くないだろうと思っていたのだが・・・
結果は大歓迎を受けて大量の食事で出迎えてくれた。
旧サドレイン公爵家が治めていた頃は、重税で相当に苦しめられていたらしく、ストレイア公爵家が治めるようになって楽になったと相当に喜んでくれたのだ。
翌朝7時デザイルの宿屋を後にし旧サドレイン公爵家の領地へと入ってゆく
50キロ地点で一日目の宿ダントの街のライトムーンの宿屋で一泊
2日目70キロ走破したエレノアから120キロ地点のデザイルの街の宿屋ダンドールで一泊
本当はもう一泊する予定だったのだが、此処からあと80キロで王都アトレシアまで行ける距離
此処から40キロは旧サドレイン公爵家の小麦の穀倉地帯で見通しが良く、40キロ辺りから旧サドレイン公爵家の都サトレアを巻き込んだ人口2000万人の王都の街並みが王城まで40キロにも渡って続だけで安全だとの判断。
一日予定では50キロ
今日は30キロ王都アトレシアの街並みを走破すれば、ストレイア公爵家が王都に持つ屋敷に着ける。
良くも飽きないものだ。
俺とユリアナとミシェルはそんなダリウスとエドワードを見ながら呆れて
「よく飽きないわね」
「そうだな」
「そうですわ」
と言って顔を見合わせて
「くすっ」
「あははっ」
「くすっ」
っと笑い合ってしまう。
馬車がストレイア公爵家の王都に持つ屋敷が建つ貴族街の入口の前に着いた。
衛兵の検問を受ける為に馬車の扉を開けて初めてダリウスと長男のエドワードはやっと気がついて顔を上げた。
衛兵が
「失礼ですがストレイア公爵家当主ダリウス様でお間違いないでしょうか?」
と聞いてくる。
父親のダリウスは上着の内ポケットから国王から賜った銀色のメダリオンを提示して
「これで良いかな?」
と問うと
「確認出来ましたのでどうぞお通り下さいませ」
といって衛兵は一礼をする。
しかしエレノアが
「王都のギルドに用事が有るのですが大事な話が有るので後で行くと伝えてはもらえ
ないでしょうか?」
とお願いをしている。
衛兵は
「承知しました」
と一礼して馬車のドアを閉める。
それから5分後、王都アトレシアのストレイア公爵家が王都に持つ屋敷に着くと
「お待ちもう下げておりました」
と言って王都の使用人とメイド、侍女が一列に並んでお辞儀をしてくる。
一人の老紳士が早速歩み寄り
「ダリウス様、ユリアナ様、そしてお連れの方々お疲れ様でした。どうぞ中にお入り
下さいませ」
と声をかけて屋敷の中に案内しようとする。
するとユリアナが
「ネルソン、ギルド本部に行くので準備してちょうだい」
と執事さんらしき老紳士に指示。
「承知しました奥様」
と一礼をして早速従者の所に走って行って従者に指示を出す。
そしてユリアナの所に帰ってきて
「それではアトリシアのギルド本部へご一緒致します」
と言ってユリアナを馬車に案内しユリアナを先に馬車に乗り込ませ、自分も最後に乗
り込んで
「馬車を出してくれ」
と指示
すると馬車はゆっくりと王都のストレイア公爵家の屋敷から引き返し王城の正門から2キロ程離れたアトリシアのギルド本部へと向かって進み出す。
そして5分くらい経った頃、王都アトリシアのギルド本部の前に馬車は止まり執事のネルソンさんは先に降りてユリアナを降ろす。
そしてネルソンさんは一礼して馬車を駐馬場へと連れて行った。
ユリアナ俺はそのままギルド本部の入口に行くと、既にガタイの良い40くらいの紳士が門の前で待っており
「ユリアナ様よくぞおいでくださいました。私はここのギルド長を申しつかっておりますニクラウスと申しますどうぞ中へお入りくださいませ」
と一礼をして俺達を案内してくれる。
王都アトリシアのギルド本部の館内に入ると、夜も遅いのに人でごった返していて、一斉に俺達を見て、若い冒険者は色欲に溺れた視線で全身を舐めまわすように見、30位から上の冒険者は恐怖に引きつった顔でユリアナを見ている。
ギルド長直々の案内の為に誰も声をかけて来ようとしないよう。
『王都のギルド本部は24時間営業眠らない街って感じだ』
向こうの併設された飲食ブースでは食事をしている冒険者も多い。
2階はお酒を出せるブースとなっているみたいで席に座って乾杯をしている冒険者も多い。
そんなギルドの館内をとおってギルド長室に通されて、席を進められる。
「衛兵から、『』大事な話が有るので後で行く』と連絡が有りましたが何かございましたでしょうか?」
とニクラウスギルド長が早速聞いてくる。
「内密でお願いしたいのですが、今日夕方デザルス山の木々が鬱蒼と茂る森林地帯を後10キロ程で抜ける所で旧サドレイン公爵家の残党500人に襲われましたが殲滅致しました。今日はそれのご報告に伺った次第です」
「な・・・何とあの旧サドレイン公爵家の残党ですと!!あの賞金首の元騎士団長レイドリックも居たのですか?」
「え~魔道具を使ってしぶとく攻撃してきましたから少々時間はかかりましたが500人全員私の方で殲滅しました」
「それで旧サドレイン公爵家の残党500人の死体はどうされたのでしょう?」
「それならこの子がもって帰ってきてるわ」
「またご冗談を。まだ赤ちゃんではございませんか」
「ニクラウスさんはご存知無かったでしょうか?『宝石のダンジョン』を攻略したの
は殆どこの子がやったようなものよ?」
「ではあの噂は本当だったのですか?」
「本当よ?あ~そうね手土産に15階層で出たダイヤモンドタイガーが有ったのあげましょう。キリス出してあげて」
とユリアナ
「良いのか?」
「良いのよ。昔お世話になった事だしプレゼントしとけば後から色々と融通してくれ
るでしょうね~ニクラウスさん?」
とユリアナさんそれ脅してませんか?
俺はユリアナが言った通りダイヤモンドタイガーをギルド長室に出す。
一瞬でギルド長室の部屋の殆どを埋めたそれ!!
体長5メートル
高さ3メートル
キラキラと光り輝くダイヤモンドの虎
「こ・・此れは・・凄い!!こんな物がダンジョンの中に居るのか?」
「うふっこんなので驚いちゃダメよ?50階層のボスなんて高さ100メートル、長さ300メートルの巨大な龍よ?そんな岩山みたいなのが襲ってくるのよ?まあ~そのダイヤモンドタイガーをオークションにかけたら金貨2000万枚くらいにはなるんじゃない?一生遊んでくらせるかもね」
ユリアナがそう言うと
「あはははぁ~」
とギルド長は乾いた笑いを浮かべハンカチを取り出して汗を拭き拭き
そんあギルド長は話を変えようとしたのか
「それで旧サドレイン公爵家の元騎士団長レイドリックはユリアナ様が本当に討伐したのでしょうか?」
「私は元騎士団長レイドリックは討伐していないわよ?討伐したのはこの子キリスよ?」
『ニクラウスさん信じていないって感じですね』
「信じていないみたいね。解体場借りせるかしら?」
「ええ~解体場にだして頂けるならば私も是非とも確認したい所です」
という事で
ユリアナと俺とニクラウスギルド長はだだっ広い解体場に着くと旧サドレイン公爵家の元騎士団長レイドリックの仕留めた死体を異空間収納から解体場ぼ床に取り出す。
「おお~確かに旧サドレイン公爵家の元騎士団長レイドリックに間違いはありませんな」
「して他の残党達は?」
と惚けたような事を言うから、この解体場一杯の200体あまりを一気に出すと
「おおおおおおおおおおおおおおお~K・・此れはなんじゃ~~」
と・・
あわあわとなってしまってるニクラウスギルド長
ユリアナは追い打ちを掛けるように
「あらもうこれで一杯ね~あと300体の残党の死体が有るんだけどあと300体どこに出
しましょう?」
とシレっとギルド長に聞いている。
『お主も悪じゃのう』
といってやりたいぞユリアナ
そんなニクラウスギルド長は流石に青くなりながら
「信じて居なかった私が悪う御座いました。これくらいで許してくださいユリアナ様~」
と泣き言を言いだした。
「でもどうしましょ?国王様にも報告しなければいけないんでしょ?」
とユリアナが聞くと
「流石にこの量を置いて帰られますと私共も困ります。信憑性を高める為旧サドレイン公爵家の元騎士団長レイドリックの死体だけお預かりおするという事でどうでしょう」
というニクラウスギルド長の提案通り他に死体は一旦引き上げた。
後日時間を取って検証しようという事になった。
一応、ニクラウスギルド長の方から国王には報告するそうだ。
つづく・・・
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