第53話 『お約束は守られる!!宝石ぬいぐるみに目が眩んだ泥棒達』
俺達は休憩場所で休憩をしていた商人や商隊、駅馬車の乗客、歩きの旅人達に好奇の視線を向けられながら片付けて、馬車に乗り込み再度休憩場所を後にした。
好奇の視線を向けられていたのは確実に宝石のぬいぐるみ2体
薄ピンクのキラキラした宝石の見た事もないぬいぐるみが踊ったり歩いたりしていたのだ。
『でも・・宝石のぬいぐるみ狙ってくる泥棒居るんだろうな』
まあ注意しておくしか無いか・・
狙ってくるとしたら?
『宿泊予定のダントの街のライトムーンの宿屋』
だな!!
また球ちゃんが撃退してくれるだろう。
焼きすぎないようにお願いしとくかな!!
馬車は爽快に街道を進んでゆくが・・・
ユリアナとミシェルは宝石のぬいぐるみで一緒に遊んでいるから退屈していないみたいだが、流石に5歳のエドワードにとっては動けない馬車の中は退屈で我慢の限界みたいだ。
「父上~~馬車の中はつまらないです~~何か無いのですか~」
と父親のダリウスにオネダリするのだが、馬車の中で出来ることは限られる。
「短い間なのだ我慢しなさい」
とダリウスから叱責を受けるエドワード
5歳のエドワードにじっとしていろというのは難しい事なんだろうけど、馬車を降りて歩いていく訳にもいかないだろう。
俺はそんな退屈そうなエドワードと父親のダリウス用にある物を作り始めた。
異空間収納の中から
エメラルド
ムーンストーン
オニキス
それぞれを取り出して
エメラルドを盤状に切り出して8×8のマス目状に黒いオニキスの宝石をエメラルド盤に埋め込込む。
後は駒となる宝石を円盤状にオニキスとムーンストーンを切り出して裏表一枚に裏が
白表が黒というふうに貼りるける。
それを複数枚作成
宝石を使ったリバーシの出来上がりだ。
売ったらいったい幾らの金額になるのやら・・・
そしてダリウスとダニエルに遊び方を教えると一気に熱中し宿泊予定のダントの街のライトムーンの宿屋に着くまで終わることはなかった。
これで4日、いや残り3日はこのボードゲームで退屈せずに済むだろう。
ダントの街のライトムーンの宿屋は4階建ての石造りの重厚な建物で各窓や庭には色取り取りの花が植えられたプランターが設置され花に囲まれた宿的な感じを醸し出している。
ライトムーンの宿屋の駐馬場へ馬車を停め騎馬10騎を入れた後、厩舎へ馬を繋ぎ4階の最上階の部屋に泊まった。
部屋は
ダリウス、エドワード でひと部屋
ユリアナ、ミシェル、俺、メイドのレイラでひと部屋
後は騎士 4人でひと部屋×2部屋
残りを騎士2人と従者2人となった。
食事は・・・
下の大食堂で食べることも出来るが、公爵家お抱えの料理人が腕によりをかけて作った食事が俺の異空間収納にわんさと入っている為に、各部屋に人数分テーブルと椅子を出して人数分そ食事をおいて来た。
メニューは
オードブル
シチュー
そして2頭龍の首の部分の最高級のステーキ肉
そして焼きたてのパンとチーズ
それのメイドのレイラが各部屋を回って準備してくれた紅茶
食事の後全室をメイドのレイラに抱き抱えられた俺が回って回収
俺がレイラに抱き抱えられて部屋に帰ると・・・
ユリアナが早速
「キリス~~あの攻略祭の時に出してくれたフルーツ今日も出して~~」
と早速オネダリをしてくる。
『ヤバイヤバイヤバイ~~~』
あれは超~~危険なフルーツなんだ!!
俺にとってだけど!!
「ユリアナもう眠る時間だぞ!」
と話を振るが・・・
「い~や~~~~~だ~~~~~ほ~~~しい~~~い~~」
と甘い~~~声で余計にオネダリをしてくるユリアナ
そんなユリアナをメイドのレイラの援護射撃が襲う
「あ~~あの侍女の言っていたフルーツですか~~凄く美味しくってもう体がとろける様だったって言ってましたよ!!わたしななんて食べさせてもらってません。是非お願いします~~~」
とレイラは両手を合わせて拝み倒してくる。
それを見てミシェルは
「皆さんなんでキリスにそんなにお願いしているのですか~?」
と不思議そうな表情で聞いているが
『聞かないでください姉さま~』
と是非とも言いたい!!
言いたいんだが・・
言えない事情が有るんだ!!
隠し通さなきゃいけない辛い事情が~~
俺の願いは虚しく
ユリアナが空かさず
「キリスはね~凄いの何でも出来るの!!色んなものも持ってるのよミシェル!!キリスが持ってるフルーツでね物凄く~~もう体が蕩けるくらい美味しいフルーツを持ってるのよ!!それを出してってキリスにお願いしてるのよぉ~」
とダメ出しの一言を打っ放してくれる。
「そんな美味しいフルーツ私も食べたいです。キリス私にも出して下さいませ」
と何で可愛くお願いしてくるんだミシェルよ~
これで出さなきゃ俺が悪者みたいじゃんか・・・
「はい出します出します出せばいいんでしょ」
と言ってカットした例のブツをお皿に山盛り盛って出し
「もうこれだけ食べたら寝るんだぞ!!」
と釘を刺しておく。
「おいひぃ~~~」
「う~~~~~んやっぱり蕩けちゃいそう~~」
「美味しいです美味しいです美味しいです美味しいです美味しいです美味しいです美味しいです美味しいです美味しいです美味しいです美味しいです美味しいです美味しいです美味しいです~~」
「レイラ喋るか食べるかどっちかにしろ!!」
「こんにゃ~おいひいもにょ食べたことみゃいでしうゅ~~~~」
「ミシェル酔っちゃったのか~?言葉が変だぞ~~」
と・・
またまたヤバイ連中が増えた気がするんだ・・・
『恋愛成就の果実』
効果:食べさせた相手を恋に落とす
ううう~~ミシェルにレイラお前達・・
「いやぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
「死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!~~~」
俺は2人に抱き締められたまま窒息して天国に旅立って逝くのであった・・・
危うく死にそうな所を球ちゃんが俺の体の中から出てきて空間を作ってくれたから何とか死なずに済んだ俺
ユリアナは・・・もう手遅れだし・・
侍女40人ももうあれはダメだな・・
それにミシェルが増えて
メイドのレイラも落ちたみたいだし・・
『俺はどうすりゃ良いんだ~~』
・・・
・・・
そして夜も寝静まった頃・・・部屋のドアが
『カチッ』
っと音がした後・・・
「ギギギギギ・・・ギーーー」
っと開く音がして誰かが入ってくるよう・・
「へへっあったぜお宝がよ~」
と言って宝石のぬいぐるみに近づいた瞬間
「バンッ」
「バンッ」
と往復ビンタを喰らわされ
「ドンッ」
「ドンッ」
っと鳩尾を2回も高速連打
うめき声も出せないほどの早業で意識を刈り取る。
やった犯人はなんと宝石ぬいぐるみの『キーちゃん』
俺は即効で捕縛の魔道具を泥棒にかける。
そしてまた部屋の鍵をかけて
暫くすると
「バンッ」
「バンッ」
と往復ビンタ
そして
「ドンッ」
「ドンッ」
っと鳩尾を2回も高速連打しうめき声も出せないまま意識を刈り取ってゆく。
そして俺は即効で捕縛の魔道具を泥棒にかけてゆく。
結局朝起きるまでに10人の宝石泥棒が俺達の部屋に入り込んで即行宝石ぬいぐるみの『キーちゃん』にサンドバックにされてボコボコにされボロボロになった10人のボロ雑巾が出来上がった。
そして朝!!
「えええええええええええええええええええええええええええ何これ~~」
「な・・・なんですか~~~このボロボロの人達は~~」
「この汚いゴミの塊は何ですの?」
と朝一番で大声を張り上げる同室の住人達
その声にびっくりして駆け上がってきた支配人が俺達の部屋でボロボロになった縛られた盗賊を見て
「ひ・・姫様~申し訳ございません。まさかこのような高額の賞金首になっている盗賊ばかりが忍び込んでこようとは思ってもみませんでした。今回の宿泊費は要りませんのでご容赦お願い出来ないでしょうか?
しかし『血塗られ姫』の伝説ここで見ようとはおもってもみませんでした」
と頭を下げている。
そんなユリアナは
「え・・何?・・何?・・これやったのキリス?」
と俺を見るから
『コイツ』
『コイツ』
とユリアナを見ながら指で『キーちゃん』を指差してやる。
「うそぉ~」
と驚きの声を上げたユリアナは自分の口を思わず手で覆い隠す。
捕まえた盗賊は全員手配書が回っている賞金首で1人金貨100枚以上はする大物ばかり。
後でギルド経由で報奨金を貰えるように手配するという事で、支配人が従業員に気絶している盗賊達を運ばせていった。
宝石ぬいぐるみの材料になった50階層目のボス部屋ドロップの宝石の槍
『本当にヤバイものなんじゃ?』
と一抹の不安を覚える俺であった。
つづく・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます