第46話 『攻略祭大盛況すぎて肉がない』
ここで一つの問題が発生
人口500万の人都市エストレイアの中を東西に抜ける道路を封鎖してしまった為に西門東門の両方で大混乱が起きてしまった。
急遽、エストレイアの街の西門と東門を入って10キロ地点でストレイア城を迂回するように変更、これによりエストレイアの街を通る旅人達の混乱は収まったがのだが、ユリアナと俺が『宝石のダンジョン』を攻略した為に『攻略祭』が催され飲食無料という事が大々的に知れ渡り、エストレイアの街は今までにない賑わいとなった。
またそれは、今まで難攻不落の超難易度『宝石のダンジョン』の珍しい宝石をストレイア公爵家が持ち帰ったという事を意味する。
一階層に出てくるエメラルド蜂1匹を狩るだけで冒険者パーティーが1年間遊んで暮らせる位のお金が転がり込んでくる。
たった1匹狩るだけでだ!!
だが、宝石は石だ!!
魔力を纏わせたミスリルの剣でタイミングを合わせて斬らなければ斬る事が出来ない!!普通の冒険者が刀で斬るのは不可能に近い!!
それに魔法も程んど通らない!!
普通の魔物ではない超~硬い魔物
超強力魔道士でもなければ2階層が限界のダンジョン!!
それを有史以来一度も攻略された事のない前代未聞の50階層全攻略
そして金貨10枚はくだらないというS級魔獣エルドザランの肉がストレイア城の中央広場で無料で振舞われているという驚愕の事実と共に『宝石のダンジョン』攻略の噂は周辺諸国に一気に広まってストレイア公爵家はこれ以後宝石商人達が目の色を変えて、珍しい宝石を求めてやってくるようになる。
それ以後、宝石商人の間ではエストレイアの街を
『黄金を生む街』
と呼ばれるようになった。
ストレイア城の中央広場の奥の俺達のS級魔獣エルドザランの焼肉コーナーでは、兵士達がエルドザランの肉を切り出そうと躍起になっているが、硬い外皮の為に殆ど肉を切り出せないで
「姫様~~肉~肉が切れませぬ~~どう致しましょうか~~」
「姫様~~」
「姫様~~」
「姫様~~」
「姫様~~」
「姫様~~」
「姫様~~」
早速姫様コールが沸き起こってしまっている。
俺も
「ユリアナ、兵士達じゃ無理かもな~魔力を纏わしたミスリルの剣でやっと切れるエルドザランの外皮だからな。俺とユリアナで40階層目のボス部屋から出た時作った武器で肉を切り出すしかないな」
と言って俺とユリアナで2メートル横50センチの六角形の盾形をした武器で高さ20メートルの位置から徐々に切り出し俺達の手前で待っている侍女20人に次々に渡して鉄板で焼いて並んだ客に次々に渡してゆく。
『小さなステーキ肉1枚が金貨10枚』
そんな肉が無料で振る舞われる!!
そんな噂が噂を呼び。長さ20メートル高さ10メートルの巨大なハサミを2本持ったS級魔獣エルドザランの体が2時間もすると半分の5メートル位になってしまっていた。
「みんななんて胃袋してるのよ!!キリスこれじゃ足りそうに無いわよ。後持って後2時間が良い所よどうしよぉ~~キリス~~?」
とユリアナが俺に心配そうに甘えた声で相談?それとも・・・
ユリアナ?
その目は・・
『俺に狩ってこい?』
『あんただったら何とかできるでしょ?』
って確実にお願いしてきてますね・・
目は正直にものをいう・・って感じだよ・・ね?
俺は
「はいはい解ったから、そんな目をするなよ。じゃ俺はちょっとだけ此処頼むぞ」
とユリアナにお願い
そして念話で
『球ちゃん俺をダルーク森林へ運んでくれないか?』
とお願いすると、淡く俺の体が
『ピカッ』
『ピカッ』
と2回眩しく光った瞬間、俺の体は一気に地上500メートル地点まで一気に上昇
多分付近に居た人間は俺が消えたと思った事だろう。
そして一気に急加速
「ドンッ」
という衝撃波がエストレイアの空一体に響いたがもう俺の姿は何処にも無い。
「ぐ・・ぐ・・・るちい・・・」
「息が・・いきが・・・できねえ・・」
時速1500キロ?
生身の人間がその速度で空を飛んでいるんだ。息なんて出来るはずが無い。
俺は40階層目で取得した8色の宝石の礫の内透明な宝石を変形させシールド化
「やっと息が出来るぜ」
まあしょうがないよな。球ちゃん人間じゃないもんな。俺のこんな苦労なんて全然解らないんだろうな。
まあ俺だけだったらこんなスピードではとてもじゃないけど飛べないもんな~
『よくもま~直径1メートルもあった球が俺の中に同化できたもんだぜ』
あ・・
『タマだからタマタマ入った?』
うをぉ~~~くさいギャグ言っちまったぜ~~
くだらない事を考えてたら、何時の間にか着いてたぜ。
懐かしいなダルーク森林
そしてあのエメラルド色に輝く湖
初めてアリシア・アトリシアと会った湖
『パンツの湖』
イヤイヤイヤ!!違うだろ!!
あの湖には名前も無いんだ!!
『パンツの湖』
なんて名前付けたらアリシアに何言われるか解らねえ
まあ一部の恋人達には
『
なんて呼ばれてるって聞いた事がある。
『アリシアこの世界の何処に居るんだよ!!』
俺の体がこんな赤ちゃんじゃ無かったら俺は一人でも探しに行けるんだけどな~
クソ!!早く大きくなりてぇ~~~!!
『はぁ~』
こうなっちまったんだ!!
今更、出来ない事を言ってもしょうがない!!
今は、S級魔獣エルドザランを探さなきゃ!!
『球ちゃんS級魔獣エルドザランが何処に居るか解るか?』
って聞くと体から光が一直線に西の方向に向かって伸びた。
俺は一気に西に急加速して20メートルを超す大樹が続く森を10キロ程飛行
すると
眼下の森が途切れた小さな草原にS級魔獣エルドザランが2体
互いに戦っている光景が視界に入って来た
『縄張り争い?』
俺は他にも居ないか周りを見渡すと・・
もう一匹・・
『居た!!居たよ!!~~メスが1匹森の中で戦いの終わるのを待っている』
おお~この戦いに勝ったオスと交尾するつもりなのか?
雄2匹がメス1匹を巡って争っている感じだな!!
赤と青と緑の宝石の礫を取り出して速攻長剣の形に変形
一気に3匹の頭を目掛けて飛翔させ頭を一気に貫通させる。
同時に長さ20メートル高さ10メートルの3体のS級魔獣エルドザランが一気に
『ドドーーン』
『ドドーーン』
『ドドーーン』
っという地響きを立てて地面に倒れる。
俺がS級冒険者だった時には超~~固くって3時間もかかったのに、この武器だと紙を切り裂くように簡単に倒してしまえるなんて、何か損した気分だ。
兎に角、エルドザラン3体持って帰るぞ。
と思い今エルドザランが戦っていた場所に着地
今日は簡単すぎて拍子抜けだぜ!!
そう思っていた瞬間
「ドドドドーー」
「ドドドドーー」
「ドドドドーー」
「ドドドドーー」
「ドドドドーー」
「ドドドドーー」
「ドドドドーー」
「ドドドドーー」
「ドドドドーー」
「ドドドドーー」
っと体調10メートルほどの10体の2首龍が森の中から駆け出してきた。
「おおおおおおおおおおおおお~汚い奴らだな!!漁夫の利を狙ってたのかよ~」
俺は瞬間異空間収納から『宝石のダンジョン』で使った両刃剣を回転させながら飛ばして一気に2首龍の首を跳ね?
首がはねられる前に上体を低くして俺の剣をやりすごす。
その間に9体が俺に向かって突進
即座にダンジョンで取得した透明な宝石の礫以外を異空間収納から取り出して一気に武器化
即時に突っ込んでくる2首龍へ向けて飛翔
一気に殲滅?
そう思った瞬間に2首龍が
『ゴーーーーーー』
『ゴーーーーーー』
『ゴーーーーーー』
『ゴーーーーーー』
『ゴーーーーーー』
『ゴーーーーーー』
『ゴーーーーーー』
『ゴーーーーーー』
『ゴーーーーーー』
『ゴーーーーーー』
っと炎を吐いて武器の軌道を変えてしまう。
炎を吐いて武器の軌道を変えた瞬間に俺に突っ込んで来ようとするが、弾かれた武器が再度後ろから2首龍の首を1本首を刎ねる。
2本目は・・後ろに居た2首龍が炎を吐いて首が切断される前に弾き飛ばす。
2首龍10体による巧妙な連携
首を切り落とそうと飛翔させた武器を炎を吐いて武器の軌道を変える
この10体の2首龍結構戦いなれている!!
10体で連携してこの森で狩りをしているんじゃないのか?
狩りをする2首龍なんて聞いた事もないぞ!!
「もっと遊んでいたい気持ちは有るが今日は時間がないんだ!!即効で終わらせてもらう!!」
所詮は図体だけデカい大きなトカゲ
そう言って異空間収納から数十個の色取り取りの宝石の礫を取り出して一気に細い槍に変形その槍の先は2首龍の2つの頭を全部貫いていた。
「ドドーーーーン」
「ドドーーーーン」
「ドドーーーーン」
「ドドーーーーン」
「ドドーーーーン」
「ドドーーーーン」
「ドドーーーーン」
「ドドーーーーン」
「ドドーーーーン」
「ドドーーーーン」
と大きな地響きを上げて森の中にポッカリと空いた草原に10体の2首龍の体が一気に倒れた。
A級の冒険者でもS級魔獣の2首龍1体であっても速攻で即死パターンなのに10体同時に襲ってくるなんて流石ダルーク森林だぜ。
俺は早速狩った3体のS級魔獣エルドザラン、そして10体の2首龍を異空間収納に保存
ダルーク森林からエストレイアの上空まで時速1500キロまで一気に加速し飛翔
王城の手前で気配消去をしユリアナの後ろに着地し徐々に気配同化
「ひっ」
思わずユリアナが小さく悲鳴を上げた後
「脅かさないでよびっくりするじゃない。それでキリス何とかなった?」
と俺を抱き上げながら聞いてくる。
「あ~3体狩ってきた。ユリアナあの横に1体出すから場所を空けるように言ってくれないか」
とユリアナにお願いする。
あのまま出すと確実に10人ほどは下敷きで死人がでそうだからな。
エルドザランの焼肉を始めてもう既に3時間が経とうとしているが既にもう残り1メートルを残す感じになっている!!
凄い早さだ!!
凡そ3時間で高さ10メートル、長さ20メートルのエルドザランの肉を完全に食ってしまうんだから、どんだけ人が集まってるんだよ!!
ユリアナが早速
「皆~エルドザランを解体している傍から一度離れて~もう一体エルドザランをその場所に出すから其処にいると押しつぶされちゃうわよ」
と皆をと遠ざけてくれているのは良いんだけど
『押しつぶされちゃうわよ』
は酷いんじゃね?
まあその通りなんだけどさ~
皆が退避した所で狩ったエルドザラン1体を異空間収納から取り出す。
瞬間
「おおお」
「おおお」
「おおお」
「おおお」
「ひぃ~~」
と驚きの声が一斉に上がる。
まあ当然の反応だよな!!
高さ10メートル、長さ20メートルのエルドザランも体がドンッと突然目の前に現れたら誰だって驚くよな。
ユリアナは俺を抱いたまま、椅子に座って例の宝石の礫で作った武器を飛ばせてエルドザランの肉を切り出している。
「流石に扱いが上手くなったな」
と俺が褒めると
「そうよね~あんな鬼畜の攻撃されたらこんなになるのは当然でしょ?」
とこんなもの普通でしょと言いたげだ。
俺も
「何かダンジョンから帰ったら、物足りない感じがするよな」
と本音
あのダンジョンの30階層以降は怒涛のように宝石モンスターや宝石の花々に襲われ続けた最初は死ぬかと思ったもんな~
もう魔力は底をつきそうになるし!!
最悪の状況だったけど
『結構楽しかった!!』
ユリアナものんびりと座っているように見えるけれど武器を飛ばしながら、エルドザランの肉を切り出している。
兵士達は最初エルドザランの肉を切り出す為に派遣されていたが、自分達では切り出せない為に今はユリアナが切り出した肉を鉄板で焼いている侍女達の所に持ってゆく運び屋と化している。
あの
「姫様~~」
とエルドザランの肉を切り出せなくて泣いていた兵士さん達だ。
最初の1体のエルドザランの解体が完全に終わって今2体目のエルソザランの解体にかかっている。
空中を目にも止まらない速さで飛び回っている宝石の礫で作成された武器
それを大勢の見物客が珍しそうに見ている。
中には魔法使いとか武芸者らしき人が、どういう仕組みであの剣だけが生き物のように勝手に動いてエルドザランの肉を解体しているのかを真剣に見極めようとしている人間も居るが、まさか此処で座っているユリアナが操作しているとは思ってもみないだろう。
中には目利きの人間がいるみたいで、エルドザランの肉を解体している武器の素材に注目している奴も居るみたいだ。
見た所、刀鍛冶をしている人間のようだけど・・・
あれは魔力で生成した武器だから見たとしても作り方までは解らないだろう。
エルドザランの解体した肉を運んでいる兵士達に真剣な表情で指で空を飛び回っている武器を指しながら聞いているようだが・・・
多分・・・
兵士達がユリアナを指差しているから、ユリアナが動かしているのは解ったのだろう。
でも!!
ユルアナを見た瞬間
『恐怖で顔が歪んでいる』
多分
『血塗られ姫』
の噂をしっている人間なんだろう。
まだ10年前の事だからな!!
多分ユリアナにあの武器の事は怖くて誰も聞けないだろうな・・・
だが・・
他の街からやってきただろう裕福そうな身なりの男が望遠鏡まで持ち出してあの空中を飛び回っている武器を見ている。
多分あいつは・・
『宝石商』
あの価値に気づいたのかも知れない。
兵士に細かく聞いているみたいだ。
今このユリアナが座っている場所は、俺達エルドザランの焼肉担当している人間の休憩場所だ。
今20人の侍女達が休んでいる
総勢40人の肉を焼く侍女達
その侍女を半分にし20人1組みで1時間毎に焼くのと、休むのを交代で行っている。
俺はそんな侍女達に
「可愛い~~抱かせて下さい」
「あ~~私も私も~抱かせて~~」
・・・
と俺は休憩中の侍女達に抱っこされてしまっているが・・・
「ぐぶっ・・息ができね~~死ぬ!死ぬ!死ぬ~~~~」
・・
「ぐほっ」
・・
「ぐるちい・・・」
・・・
「死ぬ!死ぬ!死ぬ!!~~~離してくれ~」
・・
「ぐぶっ・・息ができね~~死ぬ!死ぬ!死ぬ~~~~」
・・・
俺は侍女達の豊満な胸に顔を埋められ絶賛死亡フラグが乱立中!!!!!
『死ぬ!』
『死ぬ!』
『死ぬ!』
『死ぬ!』
『死ぬ!』
『死ぬ~~!!』
何とか20人全員に抱かれてなんとかたっぷんたっぷんのお胸の中で窒息を免れた俺!!
なのでこれ以上抱きしめられたら大変と
『ダルーク森林でしか取れない俺しか知らないフルーツを切ってテーブルに出す』
これで侍女達は俺から興味が逸れて、今はテーブルの上のフルーツに夢中!!
今は俺達のテーブルの上には俺がダルーク森林でしか取れない果物が5センチ格のサイコロ状に切られて置かれているのをお休み中の侍女達が美味しそうに摘んでは食べている。
「こんな美味しい果物何処で取れるのですか?」
とサイコロ状に切られた果物を口の中に頬張った侍女が自分の両方のほっぺたを両手で押さえながら幸せそうな表情で聞いてくる
俺が
「ダルーク森林の中でしか取れない果物だから殆ど誰も知らない果物のはずだぞ」
と俺が説明
「キリスはダルーク森林にエルドザラン狩りに行ってたからその時取ってきたの?」
ユリアナもそう言って珍しそうに一口食べて
「う~~んこれ何?何?何なの~~~?凄く美味しいじゃない!!!」
と相当にご満悦だ。
こうして
『宝石のダンジョン攻略祭』
は盛況の内に過ぎていく。
つづく・・・
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