第38話 『新しい武器の材料』

40階層目の階層主の部屋を出ると、目の前には色取り取りの宝石の花の咲く楽園が広がっていた。


ユリアナは40階層に出た瞬間

「綺麗~また宝石の花の花園なんだ~~」

と一面の宝石の花園のあまりの綺麗さに心を奪われている。

30階層目と違うのは、大空には体長20メートルは有ろうかと思われる宝石の龍が多数舞っていた。

多分だが・・・

此処の階層は宝石の花々と宝石の龍が同時に襲って来るのだろうな・・


「この階層はきっと宝石龍と宝石の花の怒涛のような攻撃だぞ」

と宝石の花の花園に気を取られて、解っていないであろうユリアナに忠告


「あ~宝石の龍もあんなに居るんだ~あれじゃ~今の武器じゃキツイよね」

と取り出した両刃剣を見ながら戦闘方法を考えているよう。

30階層目ではダイヤモンドゴーレムが攻撃に使ったレインボーストーンで30階層を乗り切った!!

今回40階層目では・・

8首の龍が攻撃に使ったのは・・

俺は何か無いかと異空間収納の中を探して見つけたのは・・

8つの中が攻撃してきた宝石の礫

赤・青・黄色・緑・茶色・白・黒そして透明

赤くキラキラと輝く宝石の礫を手に持って魔力を流すと・・・


『瞬時に宝石の形が変わる』


試しに


8色の宝石を空中に投げて、安全地帯の外へ飛ばし各8個を薄い縦2メートル横50センチ幅に変形

そのままサークル状に回転させながら宝石の花の上を飛ばすと、一気に群がってくる宝石の花が一瞬で細切れにされてゆく。

それを見た空を悠々と飛んでいた宝石龍が一気に突っ込んでくるが宝石龍も一瞬で細切れになる。


「キリス今のは何?」

とびっくりしてユリアナが聞いてくる。

何も言わずにやっちゃったからな・・

「あれは8首の攻撃してきた時の宝石の礫だよ。魔力を流すと一瞬で形が変わる魔法石みたいだよ?結構使えそう」

「うんうん私にも頂戴。私もやってみる」

とユリアナが言ったので、今飛ばしている8個の魔法石を回収し魔力を抜くと手元に元の宝石の礫の状態に戻る。

それをユリアナに渡して魔力を込めて空中に投げてもらうとユリアナの目の前でユリアナが考えているであろう形に色々と変形してゆく。


ユルアナはどうも剣の形が一番使いやすいうようだ。

8個の宝石の形を剣に変えて一気に40階層の安全地帯の外に飛ばして早速攻撃

「キリスこの宝石魔力効率が凄いよ!!全然魔力を使ってる感じがしないくらいよ」

と凄くご満悦


「じゃ~このまま行けるか?」

「もちろん50階層まで一直線でいっちゃう~早く帰って美味しいもの一杯食べた~~い」

あ~~ユリアナ女の子ですね~~

「じゃ~一気に50階層まで突っ走ろうぜ!!」

俺もそう言って8色の宝石を取り出して一気に展開

さっきのように宝石を変形

『俺の8個の宝石は縦2メートル横50センチの六角形の基本盾だ』


40階層の安全地帯から俺とユリアナは一気に加速して宝石の花園へ突入

ユリアナは手前の宝石龍や、襲ってくる宝石の花だけを8本の剣で切ってゆく

俺は基本シールドのみを展開し、ユリアナの切り飛ばした敵の残骸を異空間収納してゆくだけ。


今までの階層の苦難が嘘のように快進撃

「武器が違うとこんなにも楽だなんて、今までは何だったの悔しい~~」

とユリアナは逆にブーイングだ


確かに俺も思うぞ!!

『今までの俺達の苦労は何だったんだ!!』

そんな感じだ!!


まあ・・ボスを倒して有効な武器の素材を手に入れて、使い方が解ったから、こうやって楽が出来るんだけどな!!

『これをタダの珍しい宝石としか見てなかったら、即時に殲滅されてただろうな』


「キリス~ここの宝石龍、炎を吐いてきたわよ~」

想定外だな

そう言えば、40階層目のボスも魔法使ってたよな!!

俺は透明な宝石を薄い膜にして俺達の体を取り囲むように包む

『これってまるっころシールドだな』


あっという間に40階層踏破

41・42とドンドンと進撃ドンドンイケイケだぜ!!

階層で変わるのは宝石の龍の首が階層を降りるに従って2つ3ると増えてくるだけだ!!今の俺達には全然問題ない。

40階層目で手に入れた宝石の礫が有能すぎる。


本当にこれは魔法石だな。

ユリアナだけで完全に敵を殲滅出来ている。

俺も魔法石を盾型に変形させてはいるが透明な魔法石をシールド代わりに展開している為に魔力消費も殆ど無い!!


そして迎えた50階層目のボス部屋の前

もう空中を高速で飛行して安全地帯に直立する宝石の断崖に衝突しそうになんてなる事もない。

ゆっくりと敵を切り伏せながら、安全地帯に降り立つ俺とユリアナ


断崖の安全地帯の宝石で出来た岩壁に忽然と設置されたオリハルコン製の両開きの高さ100メートルは有ろうかという扉!!


「威圧感が半端ね~~」


「これってさ~今までの扉の大きさと中の階層主の大きさと大体合ってたと思うんだけど・・嫌な予感しない?」

「この扉の大きさと同じ体長100メートルの階層主って事か~~?」

「そう思わないキリス?」

「考えたくね~~」


「ダ・メ・ヨ・キ・リ・ス~現実逃避しちゃ~」

「ユリアナ可愛く言っても現実は変わらねえぞ!!」


「さ~さ~最後でちゅからね~きりちゅちゃ~ん~いきまちゅよぉ~~」

俺の気も知らずに、ユリアナは50階層目の扉を開いてゆく。



どうなるんだ?

50階層目のボス・・・考えたくね~~


つづく・・・

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