第39話 『50階層突破ダンジョンコア』
50階層目の100メートルはあるオリハルコンの扉を開けると・・
眩しい位の光が階層主の部屋から溢れ出し、目が明けていられない程の眩しさで一時、俺とユリアナは目が眩んで動けなかった。
「この眩しさ何?」
ユリアナが訝しそうな表情で俺に聞いてくる。
「この中で戦えって事じゃないのか?」
と言うと
「嘘~~こんな眩しい明るさの中で戦闘って酷くない?」
「だな~この眩しさだけで戦闘力が相当落ちるだろうな~」
「だよね~これじゃ普通に目を開けていることさえ厳しいよぉ~」
「泣き言は言わない!!あとでご褒美やるから!!」
って言うと
「じゃ~~戦闘が終わったら魔力頂戴~~うふっ」
っと満面の笑顔で俺を抱きしめてくる
『終わったらまたあれをやらっるのか~~俺~~おをぉ~~』
と思いながらも
「ユリアナさっさと終わらせて帰るぞ!!」
と言って俺はユリアナをボス部屋に誘導。
ボス部屋の中は・・
高さ500メートル
広さ1キロメートル程もある広い空間
40階層目と同じようにボス部屋全体が40階層目よりももっと眩しく光輝く薄いピンク色の宝石で囲まれていた。
そして床も一面眩しく光る薄いピンク色の宝石
「しかし眩しすぎて目を開けているのが辛い位だぞ」
「キリスボスは見える?」
「見えない!!眩しすぎるからか?」
暫くすると空間の真ん中あたりに真っ黒などす黒い直径1メートル位の球体が出現
その球体を目掛けて床から薄ピンク色の光り輝く宝石が黒い球体を取り囲んで体を徐々に形成してゆく
その姿は・・
徐々に・・
徐々に・・
体となり・・
胴体となり・・
手の形に・・
足の形に・・
しっぽの形に・・
そして首が伸びてゆき・・
高さ100メートルの辺りに頭が形成され・・
それは高さ100メートル、長さ300メートルの巨大な龍の形になった。
「こんなのやつけれるわけ無いじゃない!!」
とユリアナは今から泣き言。
まあ・・無理はないな!!
『こんなデカイ巨体を倒せるとは思えない!!』
「多分だが。。ユリアナ悪いがこいつは絶対に倒せないぞ」
と俺は断言
『そんな感じがするのだ』
「じゃ~、私達勝てないじゃない!!ここで私達終わるの?」
もうユリアナは涙目だ。
「ユリアナ方法は多分有る。長期戦になるから魔力は温存しろ!!ユリアナちょっと耳を貸せ」
と言ってユリアナに方策を伝言し・・・」
「ちゅっ」
っとくちびるにくちづけ!!
『これくらいしておかないとユリアナは多分心が折れてしまうだろうからな・・サービス・・だ!!サービス』
「えへっ」
っとユリアナが笑顔で笑い返してくれる。
なんとか大丈夫だろう!!
「じゃ~準備しろユリアナ。ユリアナは攻撃はしなくていいから防御に徹しろ!!良いな!!」
「解った」
短いユリアナの返事を聞いた後俺はあの8色の宝石の礫を手に握り一気に展開
透明な宝石で体にシールド展開
他の魔法石で薄い盾状態に変形し一気に攻撃
「ガリガリ」
「ガリガリ」
「ガリガリ」
「ガリガリ」
「ガリガリ」
「ガリガリ」
「ガリガリ」
・・・
階層主の龍の体がすごい勢いで削られてゆく。
手が飛び・・・
首が飛び・・・
普通ならこれで終わり!!
だが・・
50階層のボス部屋全体から一気に壁が槍の形に変形し、俺達を、そして階層主の龍の
体さえその槍で攻撃してくる。
無数の槍が階層主の壁から一気に射出され俺達をヒョウが降るように襲ってくる。
俺は異空間収納を全方向に開けて全ての槍を空間収納
40階層で苦し紛れに編み出した防御法
空間収納の為に殆ど魔力は要らない超~エコ使用の防御法
階層主の龍の方は?
壁から無数に打ち出された宝石の槍は龍の体を次々に襲い槍が次々に龍の体を貫く?
と思った瞬間に龍の体に吸収されて無くなった体が次々と修復されてゆく。
「うを~予想の上を行くじゃん!!マジかよ~この部屋全体が階層主じゃん」
と思わず俺は舌打ち
「キリスの予想通りね。そこまで読んでたの?」
「読めるわけないじゃん~嫌な予感しただけだよ!!あの黒い球体が現れた時に見たろ?」
「あ~あれね~じゃ~いくらあの龍を攻撃した所で、階層主の部屋に無尽蔵にある材料で無限に回復されるんだ~」
「ユリアナさん?言葉に出して説明しないでもらえます?そうやって事実を聞かされ
ると落ち込むしかなくなるんですけど~~」
「あははぁ~そうだね~」
「やけに明るいなユリアナ?」
「だって今も無尽蔵にあの宝石の槍打ち込んできてるのよ?あれ全部キリスの異空間収納に格納しつづけている訳でしょ?眩しくて目が明けていられないくらい光ってる
宝石なのよ。もう私達億万長者ね」
とお気楽な発言。
「確かに売りさばけばあの1本の槍だけで一生遊んで暮らせるだろうな」
「でしょ~ラッキー」
だめだこりゃ~~
「ユリアナはお気楽だな!!」
「だって~キリスめちゃめちゃ余裕なんだもの!!何か策が有るんでしょ?」
「あるには有るぞ。でもある程度油断させてからじゃないと俺も出来るかどうか解らないんだ。兎に角30分後に仕掛けるからそれまでは持たせろよ」
「は~い楽勝~楽勝~だって私透明な宝石でシールド展開しているだけだもの!!
引切り無しに壁から撃ち出されて来る無数の槍がこの階層主の部屋を襲っている。
約30分した頃
龍が
「ドン」
「ドン」
「ドン」
「ドン」
「ドン」
「ドン」
と俺達が相変わらず死なない事に苛立って地団駄を踏み出した。
すごい地響きだな!!
あ・・デカくなってる!!
『龍は・・・槍を吸収してドンドンと巨大化している!!』
ユリアナも気づいたようで
「キリス龍の体!!体が5倍くらいに大きくなってるわよ!!」
と教えてくれる。
急に壁から攻撃していた槍の攻撃が止んだ!!
「ドシン」
「ドシン」
「ドシン」
「ドシン」
「ドシン」
「ドシン」
「ドシン」
「ドシン」
「ドシン」
一気に壁からの槍の攻撃がやんだと思ったら、膨れ上がった巨体で俺達を踏みつぶそうと突進してき出した。
「キリス~~潰されちゃう~踏み潰されちゃうよ~私達ぺちゃんこにされちゃう~~」
「これを待ってたんだよ俺は!!」
一気に走ってくる龍に向かって7本の縦を水平に射出し龍のまっ黒な直径1メートル程の玉の上下をスライドさせ輪切り
龍の体に俺は手を差し出して
「アポーツ」
と短く叫んだ瞬間シールドで包まれた俺の手に直径1メートルの真っ黒な球を抱えていた?
抱えると言うよりも大きすぎて俺が球に乗っかっていた!!
一気に黒く侵食されてくる俺の手
「やっぱり!!」
俺は一気に球に魔力を流しその真っ黒な汚れた樹液のような物を焼却
『少しづつ・・珠の真っ黒な異物が・・・』
『消えて壁の色と同じように目を開けているのも痛いくらい眩しく光り輝く部分が真っ黒な部位を押してゆく』
ちょうど水と油の境が出来たように真っ黒な汚れたドロドロの物体が消滅してゆく。
「うぅんんん~~~ん。めちゃめちゃ魔力込めてるけど、なかなかしぶといぞ!!」
「キリス何がしぶといの?」
と意味の解らないユリアナが聞いてきたので
「こいつ呪いに犯されて正気を失ってるぽいんだ」
と言ったは良いものの・・・
悪い奴は悪知恵が働くもので・・すばしっこく逃げて大人しく消滅してくれない!!
魔力がまだあるけど・・
何か反撃された時の為に余力は残しておきたいしな・・・
『後3分の一か・・・』
あ・・
あれがあったな!!
『魔素結晶石』
あったな!!
「痛てっ」
珠の中から攻撃してきやがった!!
でもそれは
『諸刃の剣』
って言葉知ってるか??
俺は珠の中から黒い触手を伸ばして俺の腕を突き刺して来た黒い触手を掴んだ瞬間、手に持っていたい空間収納から取り出したドングリ大の『魔素結晶石』から一気にその黒い触手に魔力を開放
黒いドロドロの呪いとなった呪詛を一気に包み込んだ後、一気に焼却し残った『魔素結晶石』の魔力も一気にその珠の中に注入。
すると直径1メートルの真っ黒だった珠は一気に眩しく光り輝いて目が開けれない位激しく輝き始める。
其れと共に中央に残っていた龍であった体は床に徐々に吸収され元の床に戻っていった。
そして50階層目のボス部屋に静寂が訪れる。
「キリスどうなっちゃったのかな?」
とユリアナが心配そうに聞いてくるが・・
「俺にも解らない。ユリアナ今の所、武装とシールドはそのままで」
「解ったわ」
暫くすると・・・
ボス部屋の中央に9本の鞘に入ったなにかの宝石製なのか透明な剣が空中に現れ、
その下にはオリハルコン製の刀や武具、そして盾などが夥しい数出現
それと同時に50階層目の扉が自動的に開いてゆく。
俺達は空中に浮いた刀をユリアナ1本渡し、その他は異空間収納に格納、オリハルコンの武器も異空間収納に収納し50階層目のドアを俺達じは潜った。
と言っても・・
俺は眩しく光り輝く珠の上に乗っかって移動
どうも俺は球に気に入られたよう?
鑑定:
俺の鑑定を使って見てみた結果
『????』
解らね~~
何なんだ?
まあ~悪いものじゃないようだから良いけど!!
俺とユリアナが50階層目の扉を抜けると・・・
そこは広い神殿の中
そして掘りさ1メートル位の一本道が奥に続いていて一番奥には光の柱が天に向かって一筋の眩しい光を放っている。
一本道の横は水が一面に張っていて深さは解らないが、何処までも深く澄んだ透明な水が一面を覆っている。
そしてその水中から何本もの宝石の支柱が立ち並び宝石で出来た天井を支えている。
ユリアナと眩しく光り輝く球に乗った俺はその一本道を光の柱、まで歩いてやってきた。
そこには何処までも上に向かって続く光の柱が1本上空に向かって何処までも続いている。
この空間からは考えられない高さだ。
その光の柱の高さ10メートル位の位置に
『神々しく光を放つ何かが存在していた』
そうただ其処に光っているだけのもの!!
俺達がその光の柱の前に着くと
『良くぞ此処まで到達してきました初めてこの地を訪れし一番最初の挑戦者よ。手前の石版に手を翳して力を示しなさい』
と言葉がその光を放っている当たりから聞こえてくる。
「力を示せって何をすれば良いのかな?キリス?」
と聞いてくるから
「あの石版に手を翳して魔力でも込めれば良いんじゃないか」
と助言。
ユリアナは俺が言った通り、光の柱の前に行き、腰の高さ辺りに設置された石版に手を載せて魔力を込めた。
すると石版は眩しく輝きだしで、そしてゆっくりと光が収束してゆく。
『ユリアナ・ストレイア 此処に名前を刻み此処を攻略した事を認めましょう。報奨としてレベルアップをします』
と声がして
黒い石版に
宝石のダンジョン攻略者
ユリアナ・ストレイア
と表示
そして光の柱にユリアナのステータスが表示される
ユリアナ・ストレイア
レベル 80
年齢 16歳
筋力 :30000
体力 :30000
防御力 :60000
秒速俊敏性:2000
魔力量 :1500000
対魔力 :1500000
魔法 火属性 風属性 魔力強奪 魔力操作
女神の加護
キリスに発情中
「おお~ユリアナ軒並みレベルが100倍にアップしてるじゃないか!!」
おい!!
年齢の所は何なんだ?
21歳じゃ無かったのか~~?
16歳って俺から魔力強奪したからか~~??
魔法が、魔力強奪 魔力操作が増えてるな
『女神の加護』ってこののダンジョンマスターは女神様なのか?
怖くて聞けねえ~~
「キリス~めちゃめちゃレベルあがっちゃった~~ありがとう~~」
そう言って
「ちゅっ」
っとおれのくちびるにキス!!
最後の一文・・・どうするんだ~~・・
俺はふあんな気持ちになりながらも
ユリアナ続いて眩しく光り輝く球に乗ったままで黒い石版に手を乗せ魔力を込める。
黒い石版が真っ白な光に包まれた瞬間、神殿全体が激しく揺れてそして収束して元の状態に戻った。
『キリス・ストレイア 此処に名前を刻み此処を攻略した事を認めましょう。報奨としてレベルアップをします』
黒い石版に
宝石のダンジョン攻略者
ユリアナ・ストレイア
キリス・ストレイア
と表示され・・・
「レベルアップ・・」
「レベルアップ・・」
「レベルアップ・・」
「レベルアップ・・」
「レベルアップ・・」
「レベルアップ・・」
「レベルアップ・・」
「レベルアップ・・」
「レベルアップ・・」
延々と同じ言葉が続く・・
俺は思わず手を離すと・・
「人の子よ。面白い子ですね。私の手ではレベルアップできませんでした。代わりに良い事を教えてあげましょう。
人の子よ、ソナタの乗っているその珠は『龍神の魂』
邪神討伐によりその身に呪いを受けて、この地に封印されていました。
呪いが解け封印が解けた今、ソナタはソレに好かれたようですね。
まだ小さき子よ、体が動くようになったならば『龍神の祠』に向かいなさい。
その時良い事があるでしょう。
では良き人生を」
そういった瞬間に・・・
俺達は・・
石段が山の中腹まで続いた中腹の亀裂の前に立つ真っ黒な高さ10メートルは有る石版の前に転送されていた。
外は・・・朝日が昇った頃か?
この岩山の中腹から朝日が見えやがる。
『朝帰りになっちまったな・・・』
あれからダンジョンに潜ったもんな~
50階層を激走したつもりだったが・・
「キリス~帰ってきたね~~お腹すいた~さ~帰ろうか~」
と元気いっぱいのユリアナ
と下を見ると・・・
凄い数の兵士が・・・
数にして500人と言った所か・・
「何も言わずにお城を抜け出して来たからな~大変だなユリアナ!」
と俺は声をかけると
「大丈夫でしょ~私は10年前一人でお城に攻め込んだんだから、そうは心配していないわきっと・・」
「まあ、それなら良いけどさ~」
その内下の兵士達が騒ぎ出した。
「おいあれは何だ?眩しくて目を開けていられん」
「おいあの光は何だ?」
・・・
ざわざわと騒ぎは大きくなっているみたいだな。
「まあこれだけ大きな珠がめちゃめちゃ光ってれば驚くのも無理は無いな。おい珠さん俺の異空間収納に入れるか?」
と何がなく聞くと・・・
俺の乗っていた物凄い光を放つ珠は徐々に俺と同化して完全に俺の体の中に入ってしまった。
「すっげ~~俺の体より大きい珠が俺の体の中に吸収されやがったぜ」
「私もびっくりね。まさかキリスの体と同化するなんて思っても見なかったわ」
そんな話をしていると
「姫様だ~姫様が居られたぞ~あの石版の前だ!!」
と一人の兵士が言った瞬間に500人もの兵士が一気に階段を駆け上がってきた。
一気に『宝石のダンジョン』に入る中腹の亀裂の前には身動きできない程の兵士で埋め尽くされる。
『おいこんな狭い通路にこんなに上がって来るなよ』
そう言いたい気分だぜ
騎士団長だろう男性が
「姫様勝手に、それもお子様連れでダンジョンに潜られては困ります。お怪我はありませんか?して何階層まで潜られたのでしょう?」
と俺達に聞いてくる。
『ギルド長がお城に方向でもしたのか・・』
そんなユリアナは静かに黒い石版を指差すのだった。
そこには・・
宝石のダンジョン攻略者
ユリアナ・ストレイア
キリス・ストレイア
と金色の文字で一番上の欄に俺達2人の名前が刻まれていた。
騎士団長はそれを見上げた瞬間
「今まで誰も成し得なかった、宝石のダンジョンを攻略・・」
と言ったまま、泡を吹いて気絶してしまった。
つづく・・・
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