第32話 『目指せ40階層』

30階層の転移結晶をユルアナと同時に触れた瞬間俺達は31階層の安全地帯に立っていた。

この階層は・・・

見渡す限り宝石のバラの花の楽園だった。

30階層とすこし違うのは、小高い丘があったり、小川が流れて少し起伏があるような世界。


30階層は全てが宝石で出来た世界だったが、この31階層は宝石のバラの花と


自然の風景が混在した世界

「ユリアナ、小川の上だったら宝石の花の攻撃が手薄になると思うから小川の上を高速で飛ぶからな」

と声をかけ、俺とユリアナは両刃剣を出現させ、小川の流れの上を高速で飛翔

一気に襲いかかってくる宝石のバラの花


『予想通りだ』


上層と同じように回転させた両刃剣で襲ってくる宝石のバラの花を切り刻み同時に異空間収納してゆく流れ作業。

もう30階層で幾度となく繰り返された流れ作業、ユリアナも両刃剣も慣れたもの両刃剣を回転させながら攻撃してきた宝石のバラの花を切り刻んでいる。



突然の下からの危機感知

シールドを張った瞬間


「シュッ」


「シュッ」


っと突然空気を切り裂く音と共に


「カツッ」


「カツッ」


とシールドに当たる音が響く。

小川の水が水の刃となって襲ってきたみたいだ。


「嘘だろ」


「卑怯よね」

俺とユリアナは同時に絶句!!

だって自然の水が襲ってきたんだ!!

魔獣でもない物が俺達を襲う。

信じられない光景


俺達は一気に速度を上げ、亜音速で空中を飛ぶ

宝石のバラの花が俺達の周りから襲い、下からは小川の水が水の刃を撃ってくる


それを俺とユリアナの両刃剣で防ぎ、下からの水の刃を俺のシールドで防ぎながらドンドンとスピードを上げてゆき31階層をクリアー


まあスピードを上げすぎて、またまた32階層への入口の絶壁に危うく衝突しそうになったのは愛嬌だぜ・・・


ユリアナが

「キリス!!前!!前!!前!!前!!前!!前!!前!!激突しちゃう~」

と涙目で俺の首を絞めてきたので慌てて一気に急上昇

壁に激突を免れた俺だったが、首を占められて危うく窒息死する所だったぜ。


『パニックにさせないようにしなければ・・』

と思った俺だった。


32階層から35階層も基本、宝石の花々の階層だったが地形が山があったり、


峡谷になってその峡谷の間を飛ばなければいけない所があったりとそう代わり映えはしなかった。


36階層から39階層は宝石の木が出現

ユリアナが

「いや~~来ないで~あんなの耐えられない~」

と四六時中叫びまわっていた。


出現した宝石の木々は

はっきり言って!!


『変態だった』


確かにユリアナが逃げたくなるのは頷ける!!

宝石の木々は宝石で出来ていて見た目だけは綺麗だった!!

タダ!!

宝石の木々は木の根を足のように変形させて2本の足で


「ダダダダダダダダダーーー」


っと地面を高速で蹴って飛行している俺達を追ってきた。

そして枝を伸ばしてユリアナのスカートにその手を差し込んできたり・・

木が顔型に変形しその顔がユリアナのスカートを覗き込んでユリアナのパンツを模倣

『ユリアナの模倣したパンツをご丁寧に頭に被って追いかけてくる』


正真正銘


変態木へんたいぼく


終いには、空中に足場を形成し、足場を蹴って俺達を追いかけてきた確実ストーカー!!

確実にこの変態木はユリアナに発情していた!!


39階層を走破した頃には、ユリアナはめちゃめちゃ疲れていた


『殆どが精神的な披露』


だったとだけ言っておこう。


そして迎えた40階層への階層主の部屋

大きな岩の絶壁のど真ん中に設置された高さ五〇メートルの両開きの金属製の分厚い扉


「今度の階層主は植物系のボスなのかな?」

と俺はユリアナに聞いてみると


「絶対にあの木系のボスだったら渡し嫌だからね!!」


と不機嫌に答えてくる。

「まああれは流石に酷かったな」

「でしょ~なんで木の股間にあんな物が付いてる訳??」


『ユリアナ突っ込む所はそこかよ!!』


俺とユリアナはあの木系の階層主で無い事を祈りながら40階層目の扉を開けるのであった。


つづく・・・

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