第23話 『新技で行こう!!』

『宝石のダンジョン』1階層の中は至る所で宝石モンスターとの戦闘が行われている。

しかしそのパーティーも苦戦しているみたいだ。

『魔物自体が宝石なのだ!!兎に角硬い!!』

普通の魔物と違い剣では真面に切れない!!

ソロで宝石モンスターと交戦している者もいるみたいだが、レベルが低い為に相当に苦戦しているよう。


交戦しているのは、人の体ほどもあるルビー蟻1匹

コレを狩れば、本当に一攫千金・・

「なんで無茶するかな」

俺はそんな光景を見ながらそうため息をつくしかなかった。

「自分の実力を解らないお金に目の眩んだ冒険者には何を言っても無駄よ」

とユリアナは興味ないという風にダンジョンの奥へと進んでゆく。


俺は木々の影に気配を感じてその方向に目を向けると・・

2メートル程もある大カマキリが人を抱えて頭から丸かじりしている光景が目に入ってきた。

「普通の昆虫系の魔物も居るんだな」

と俺は単純に感想を言う。

するとユリアナは

「あのカマキリの目を見て。あの赤い目はルビーで出来ているわよ」

と俺の気づかなかった事を教えてくれる。

「体全体が宝石で出来ているって訳でも無いんだな」

「動物でもいろんな動物が居るでしょ?それとおんなじよ」

とユリアナはさも当然といった感じで軽く流す。


まあ~考えてみれば、ダンジョンの中にこんな森林が有る位だから、色んな魔獣が居ても当然か!!


そろそろ俺達も戦闘準備をしておくか

そう思いユリアナに

「俺達もそろそろ準備するか?」

声をかける。

「そうね私達は一気に30階層まで突っ走るわよ。倒すのは襲ってくる魔物だけで良いからね」

とユリアナ

『ユリアナはブレないな~興味あるのはレインボーストーンだけってか?』


俺はオリハルコンの短剣を1本異空間収納から取り出して空中の目の前で回転させ始める。

それを見てユリアナが

「キリス何をしているの?」

と不思議そうに聞いてくる。

俺は

「あ~少しでも魔力消費と操作の負荷を減らしたいから、短剣一本だけ魔力を這わせたまま回転させながら気配感知があった場所に攻撃するんだ」

と伝えると

「それ良いわね。キリス私にも教えて」

とユリアナが言ってくるから、ユリアナの腕から魔法式をユリアナの体の中で展開しユリアナの魔力を操作して短剣だけを空中に出現させ回転させ頭上高くを飛んでいた人の大きさほどのエメラルド蜂を真っ二つに両断しそのまま狩った獲物を異空間収納する。


「こんな感じだけどユリアナ自分で操作できるか?」

                           

と俺は自分の魔力操作を切ってユリアナに聞くと

「う~~~んなかなか難しいわね」


と言いながらも、何回か試行錯誤して、短剣を何度も暴走させてその中~の生えている木々を全部切り倒しているユリアナ!!


『怖ぇ~~~ユリアナ怖ぇ~~超~~怖いぞ~流石『血塗られ姫』って言われるだけは有る!!絶対本人には言えないけど!!』


しかし、徐々に制御できるようになってきて、10分後俺の考えた技を自分の物にしたようだ!!

しかし・・


俺達の周り100メートルの範囲が完全に木々が切り倒されて空き地になっているのは流石に怖いぞ!!


「ユリアナ凄いな・・・練習だけで周りに居た魔物めちゃめちゃ倒してるみたいだぞ!!これだけで金貨200枚くらいかせげてるんじゃないのか?」


そう言いながら、倒した魔獣を異空間収納する俺だった。


つづく・・

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