第22話 『無謀な冒険者達とダンジョンの魔物達』
『宝石のダンジョン』は日によって来訪者の人数によって入場制限を設けているらしい。今日は来訪者がおおく30分に一度ダンジョンの扉を開けて50人づつダンジョン内に入れているみたいだな。
両開きの分厚い鋼鉄製のドアが開いた扉の中に入ってゆくと、外の景色とは全然違って広大な大森林が続いている森林エリアだった。
みんな我先にと『宝石のダンジョン』1階層の中に走り込んでゆく。
「魔獣はにげないだろうに、何ではしっていくのかな」
おれはそんな疑問を無意識に口にしていた。
「それはね。ここのダンジョンの魔獣が硬くて1階層が限界な者がおおいから1階層で少しでもお金になるより高価な魔物の取り合いが発生するのよ。より高価な魔物を倒したならば1年程は遊んで暮らせるような高額なお金が簡単に手に入るのよ。倒せればの話だけどね」
とユリアナがため息交じりに俺に話してくれる。
「じゃ~下層にいけば好きな魔物と好きなだけ戦闘できるんじゃないのか?」
と言うと
「端的に言うとそうなんだけどね。相当な高ランクでもなければ2階層より下の階層は殆どの人が死ぬだけだわ」
「そいうやユリアナが言ってたな。ここの魔獣は硬いって」
「半端なかたさじゃ無いわよ。魔力を武器にまとわせてないと直ぐに武器が折れてしまうから皆すぐに魔力切れになっちゃうのよ」
俺達が話ながら歩いていると、歩いている先ではもう戦闘が行われていた。
確かに硬そうだ!!
新人なのか4人がかりでエメラルド宝石の人間ほどもある大きさの蜂2匹と交戦中だったが、全然剣が通らない!!
「ありゃ~死ぬな」
「そうねもって1分という所ね。この階層じゃ珍しいエメラルドのモンスターだから、自分達だけで無理して倒したいんでしょうね」
「絶対にアホだな」
と俺が言うと
「あの宝石モンスターの値段に目が眩むのよ。あの大きさのエメラルドモンスターを1匹でも狩れば金貨数100枚が転がり込んでくるからね」
とユリアナは真実を指摘する。
「そうだな金貨数100枚もあればあの1匹を狩っただけで普通の人間なら数年遊んで暮らせるからな。無理しても狩りたい気持ちは解らなくもないが、命あってのものだろうに」
「キリスみたいに現実をちゃんと見て行動できる人間は少ないわ。欲に目が眩んでしまうのよ」
「そうだな」
「ギャーー」
「ウワァーーー」
「ギャーーー」
「グェーーー」
俺達が話している内に4人は長さ50センチはあろうかというエメラルドの針に刺されて一瞬で心臓を突かれて即死したみたいだ。
「ユリアナが言った通り1分だったな」
「あの動きだとそんなものでしょ?」
「あ~レベルが低すぎだ」
4人が死んだのを見ていたパーティー4人組がその後直ぐに入ってエメラルドの蜂と交戦を開始する。
タダ蜂達もただ単純に殺される馬鹿では無いようだ。
仲間を何匹か呼んだよう。
人間大のエメラルド蜂が4匹一瞬で応援に来て一瞬で4人を取り囲む。
「ありゃ~無理だな死ぬな」
「30秒持たないわね」
とユリアナも事実を突きつける。
俺は4人のパーティーに向かって
「手助けは要るか~~」
と一応叫んでみる。
「要らねえっつうの此れは俺達の獲物だとっとと他に行け!!」
とやはり予想通りの答えが返ってきた。
俺は
「じゃ~な」
と言ってユリアナに目で先に行こうと合図をすると
」そうねあの人達が死ぬ前に離れましょうか」
といってダンジョンの中へと足を進める。
「ギャーー」
「ギャーー」
「ギャーー」
「ギャーー」
後ろの方で人数分の悲鳴が上がった。
「良く持ったほうだなあの数の蜂を相手に1分持ったぞ」
「そうねよくやれた方だわ。あの人達も蜂の赤ちゃんの餌になれるんだから本望でしょ」
と不気味な事をさえらっと言ってくるユリアナ
「そういう事で人間を襲ってくるのか?」
俺は思わずユリアナにきいてしまっていた。
「そうよエメラルド蜂はあの冒険者の体を巣に持ち帰って蜂の幼虫に農研者の肉をあの顎でかみきりながら与えるの。あの大きさでしょ?多分1匹の幼虫に1日1人は餌として必要ね。でもエメラルド蜂も偉いわよ~弱い相手を見つけて攻撃してたでしょ?つよそうだと仲間を呼んで集団で狩るのよ。だから強い私達には攻撃してこなかった訳なの」
「結構賢いんだな」
「エメラルド蜂だって生きる為ですもの、餌が潤沢にある内は無理はしないわ!!でも下層は違うわよ。弱い人間は下層にはいって来ないから強い冒険者相手でも集団で連携して襲ってくるのよ」
俺とユリアナは他の冒険者の戦いを見物しながら魔獣の強さを計りながらダンジョンの奥へとはいってゆくのだった。
つづく・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます