宝石のダンジョン
第18話 『レインボーストーンの伝説』
普通の赤ちゃんは母乳で育つもの!!
それが常識!!
でも
俺の場合、ユリアナのお腹の中に生を受けた時から意識が有る。
そしてユリアナのお腹の中では、魔力操作の練習と、魔素結晶石の錬成を行っていた為に俺の体は普通と違う進化をした?
その間に消化器官なんかも進化したのかもしれない?
こればかりは、体の中を切って調べてみるしか無い訳だが・・
切られるのは嫌だ!!
切られたら多分死ぬ!!
って言うか、確実に死ぬ!!
だからそれは断固拒否だ!!
「キリス本当にステーキ肉食べて大丈夫なの?もし駄目なら母乳のますからね!!」
とユリアナも疑心暗鬼?
うん!!普通はそうなるよね
『俺の勘がそう言っているから、多分大丈夫!!』
「俺はユリアナのお腹の中に生を受けた時から魔力操作の訓練をお腹の中でやってた
から多分だけど魔力操作で消化出来ると思う」
と俺が言うと、ユリアナもそれ以上は追求しなかった。
それから30分くらいして
『コン』
『コン』
っとドアが2階ノックされ、
「お食事の準備が整いました。お持ちいたしましたのでライザ入ります」
と声がかかった後ドアが静かに開いた。
そして俺達の所まで来ると小さなテーブルを隅のほうから出してきてそこに持ってき
たスープとパンそして俺の頼んでいたステーキをそのテーブルに置いてゆく。
椅子は人数分持ってきたけれど・・・
「奥様、キリス様の椅子はどう致しましょうか?」
と俺とテーブルの方を交互に見ながら悩んでいるよう。
普通に考えれば、赤ちゃんが座れる椅子なんて普通おいて無いよな~
まあ俺は浮いてれば良いわけだし、大丈夫なんだけどな!!
「椅子があっても座ることが出来ません、僕は、空中に受けますから椅子は不要ですよ」
とユリアナとライザに向かって声をかける。
「キリス急に言葉使い丁寧になっちゃったけどどうしたの?」
ユリアナ突っ込む所そこですか~
貴族の子息なんだから、丁寧な言葉使いに慣れなきゃいけないと思いまして。
「そ・・・そうなの・・ライザが持ってきてくれたのだから暖かい内に食べましょうか」
何か不満そうな表情ですが・・・
納得していない?
まあ、話を反らせたからどうにか納得したかんじなのかな?
俺も
「はい食べましょう」
と言ってユリアナの手から抜け出てステーキの前にスーっと浮いて、ステーキ肉を自
分の目の目の前にスーっとお皿から浮かせ、再度ステーキ肉をお皿に戻してゆく。
ライザもユリアナも不思議そうに首を傾げている。
ふふ・・解らないようだな!!
「皆見ているだけじゃなく食べませんか?」
と言葉をかけてから、フォークを宙に浮かせ魔力操作の要領でフォークをステーキ肉
に刺して小さく切れたステーキ肉のブロックを口に運んで魔力でアミノ酸とタンパク
質に分解体の中に吸収し体を構成する所までを魔法によりプログラム
そうステータスのある『Virtual reality world』そのままの世界がそのまま作成さ
れその世界の中に俺が生まれたんだ!!
だから!!
『思いは現実になる!!』
俺の中で導き出された結論!!
『きっと出来る!!』
ユリアナもライザも心配そうな表情で俺とステーキ肉を交互に見ている。
ユリアナはステーキ肉に顔が着く位に近づけてステーキ肉を凝視し始め・・・・
自分のフォークをステーキ肉のど真ん中に突き刺してそのままグリグリッと徐に揺ら
すとステーキ肉が一瞬で四角い小さなブロックの形にバラバラに崩れる。
ユリアナは呆れたように俺をみながら
「キリスステーキ肉を一旦空中に浮かせた時に何かやったでしょ?」
と聞いてくる。
俺は正直に
「重力魔法で固定して形が崩れ内容に一瞬で風魔法で小さな欠片にステーキ肉を切って戻しただけですよ?そう難しい事はしていないはずですよ?」
とユリアナに微笑みながら話すと、急に頭を抱えて
「はぁ~」
と深いため息を吐た後
「おのねキリス貴方には簡単な事なんだろうけど、私にだってそんな事あんな一瞬で誰にも気づかれないように2つの魔法を同時に使ってこんな風にお肉を細かく切る事は出来ないのよ」
「そ・・そうですね。では解らないようにやります」
その言葉に再度ハァ~と深いため息をつくしかなかったユリアナであった。
でもライザは今一状況が飲み込めていないっぽい
頭の上に????マーク一杯にお花が回っているっぽい。
そしてユリアナと同じようにステーキ肉に顔を近づけてじっと見て・・・
『大きく口を開けた瞬間自分の口を押さえて・・固まった』
俺は空かさず
「ライザさん驚くのが遅いですよ?戦闘ならば一瞬でこうなっちゃうんですからね」
と満面の笑顔で答えてあげると
『ウン』
『ウン』
っと頭を上下に振って答えてくれる。
その仕草、結構小動物みたいで可愛いですよライザさん。
『ライザさんもこのステーキ肉みたいに一瞬で小さな四角のブロックミンチ肉にはなりたくないよね』
何か言われそうだから、言葉に出しては言いませんけどね!!
「キリス常識はずれの強さよね。どれほど強いの?」
とユリアナが聞いてくる
「僕はそれほど強くありませんよ?今日生まれたばかりで筋力は全然無いですから、今さっきの戦闘みたいに魔法を使って全力で応戦して1分が限度です。今の状態ではそれ以上は頭の処理能力が追いつきません。安全圏を取れば全力戦闘で30秒って所でしょうか」
「全力30秒、リミット全力1分それでも凄いわキリス!!私宝石のダンジョンに行ってみたかったのよ。今日これから行きたいんだけど一緒に行ってくれないキリス」
そう言ってステーキ肉を無心に食べてる俺をユリアナが覗き込んでくる。
「其れは良いですけど、ユリアナは、なんでそんなにも宝石のダンジョンにいきたいのですか?」
俺がそう聞くと、ユリアナは真っ赤に顔を染めて恥じらう乙女みたいな表情で両手を前に組んでお祈りするようなポーズになって
「小さい頃に聞いた話なんだけどね~宝石のダンジョンの30階層目のダンジョンの王はダイヤモンドゴーレムなんだって~
そして未だにその30階層のダイヤモンドゴーレムを倒す事はできていないのよ。
そのダイヤモンドゴーレムはダイヤモンドのランスを矢継ぎ早に投げてくるの。
其れを凌ぎ切るとねレインボーストーンっていう宝石を怒涛のように撃ってくるらしいの。
そのレインボーストーンはこの世のものと思われないくらい凄く綺麗らしいんだけど、鉄の盾なんて簡単に貫通してしまうらいんだ~。そんなレインボーストーンを怒涛のように撃ってくるもんだから、未だに30階層を突破出来ないでいるのよ。
そのレインボーストーンを1個握ったまま命からがら逃げてきた人が居て皆に見せたらしいんだけど、この世のものとは思えない美しさだったって伝説に残ってるの。もしもそれがこの世の中に出ていたらお城が一つ立つくらいの値段はするだろうと言われているわ!!」
っそう語り終えたユリアナの瞳は夢見る少女そのものだ。
『こいつもいっぱしの女の子だって事か!!ユリアナそんな風にしてると凄く可愛いぞ』
「それでそのレインボーストーンって宝石はどうなったんだ?」
俺は気になった事をユリアナに聞いてみた。
「それがね~宝石のダンジョンを出た途端に綺麗さっぱり消滅しちゃったんだよ。30階のダイヤモンドゴーレムを倒さなきゃダイヤモンドゴーレムに吸収されちゃうんじゃないのかな」
「取り逃げは許さないって感じなのかな?」
「だよね~倒さずにお宝は渡しませんよって感じかもね~」
「それって俺に一緒に行けって言ってる?」
「うんうん~キシスは話が解るわね~エドワードなんてもう少しで30階層の王の間だったのにその前に魔獣に首を落されかけてビビッてチビッて帰ってきちゃって2度といってくれないのよ!!酷いと思わないキリス?」
『旦那にトラウマ植え付けたのはアンタか~~~!!』
そうまでしてレインボーストーン手に入れたいのかユリアナ・・・
まあ夢見る宝石だもんな~
「レインボーストーンそんなに欲しいのか?」
と俺が単刀直入に聞くと
真っ赤に顔を染めて
両手で膝のスカートを握って
「はい欲しい・・です」
と・・・
まるで少女の反応じゃありませんか~~ユリアナさん!!
『言いませんけどね・・』
「あ~~あ~~解ったその『宝石のダンジョン』一緒に行ってやるよ。だけど最大30秒で攻撃交代してくれよな?30秒交代で交互に攻撃な?それで良ければ一緒にいってやる」
って言うと
「ありがとうぉ~~~キリス~~~~」
と涙を流しながら俺に抱き着いてきた。
おいどんだけ『宝石のダンジョン』に行きたかったんだよユリアナ?
つづく・・・
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