第14話 『分捕った魔道具は外れ魔道具ばかり?』

俺とユリアナはこの戦闘を行ってから、凄く仲の良い関係になった。

キ・・キス・・・されたからじゃ無いからな!!

あ・・あくまでも・・・戦闘仲間って感じだからな!!


俺がユリアナに一方的に弄ばれているって言葉が一番当てはまる!!

悲しいかな、俺はまだ何もできない今日生まれたてホヤホヤの幼児だからな。


体の傷はユリアナの回復魔法で無くなったわけだが、着ている物までは回復しない。

真っ白な産着はズタズタに引き裂かれて見るも無残な状態だ。


俺の傷を治した後、開けたままになっていたサドレイン公爵家から強奪した宝物類の中をユリアナは絶賛物色中である。

何でも、サドレイン公爵家から分捕ってきた財宝類は国王達にバレたら不味いと此処にそのままぶちまけて隠したらしい。

因みに、この宝物庫ユリアナの両親が作ったヘソクリ用・・・の隠し宝物庫だったらしいのでユリアナの両親とユリアナしか知らない。


ちょっと行きたい所が有ると、路銀に使うと言って金貨のいっぱい詰まった宝箱を宝物庫から2つ取り出してきて一つをユリアナの異空間収納へもう一つを俺の異空間収納に入れる。

宝箱一つで金貨100万枚は入っていそうだぞ?

そんな宝箱がこの奪ってきた財宝の中に山のように有るんだが・・


サドレイン公爵どうやってこんな財宝貯めたんだ?

クーデター起こすくらいだから真っ当な稼ぎ方はしてないんだろうな・・


『サドレイン公爵どんだけ悪行を重ねてきてたんだよ』


10年も時が経ってしまえばユリアナが強奪したこの財宝も時効だよな?まああの混乱時に無くなっちゃった訳だし、この財宝はユリアナしか知らない事だから気にする必要は無いかも!!


ユリアナはこの金貨を自分の為に使おうとは思っていなかったのかな?

まさか、忘れててって事は・・・無いよな?

俺はその不安を恐る恐るユリアナに聞いてみると・・


「あ~あの頃は、混乱しててとてもじゃな無いけど其処まで考えがまわらなかったのよ」

俺はさり気なく

「それってさ~忘れてたって言わないのかな?」

って控えめに聞いてみると


「そうとも言うわね」


とツンとお澄まし顔で返答!!

『ツンデレキタ━(゚∀゚)━!着ましたよ~~ツンデレ』

「忘れてたのかよ?で・・・俺の武器の事で何かないかと思案してた時、偶然にに思い出したと?」

「キリスあんた結構頭良いわね」

「あのですね結構は余計ですユリアナ!!精神年齢だけだったら15歳超えてんだから当然それくらい気づくだろ!!でユリアナは何か探しているみたいだけど一体何を探してるんだ?」


と俺は聞いてみた。

だって財宝の山の中を掻き分けて、何か取り出しては首を傾げているユリアナをみてれば誰だって解るだろ!!


ユリアナは魔道具を拾い上げながら

「何か良い魔道具が無いか探してるんだけど、一体何に使う魔道具か、見ただけじゃ全然解ら無くって使ってみる訳にも行かず悩んでいる所なの」


と俺に持ってるものを見せる。

俺は『鑑定』能力を発動して見て、ユリアナに内容を告げる

「あ~それは使用した者の幻影を見せるだけの魔道具だな」

「全然使えないじゃない!!」

「使えない・・・?まあ使い所次第かな」

「じゃ~あげるわ」

そう言って俺に渡してくるので異空間収納に収納。


そしてまた一つ魔道具を拾い上げて

「これはどんな機能か解る?」

と聞いてきたので、鑑定すると

「これは自爆用魔道具だな。魔道具のスイッチを押して起動した所を中心に10メートル範囲の物を破壊するって機能みたいだな。『起動したら確実に死ねます』ってコメントがあるぞ?」

って伝えると

「それじゃ~自殺にしか使えないじゃない。全然使えない魔道具ね~」

ってプンプンと怒っているユリアナ


俺はそんなユリアナに

「まあ機能通りに使ったら全然使えないけど、使い所さえ考えれば結構使えるぞ。この辺に100近く同じの転げてるから俺が一緒に貰っても良いか?」


と言ってユリアナの持っている魔道具と其の辺に転げている同じ魔道具100個を異空間収納。


「本当に使えない魔道具ばかりね」

ユリアナは外ればかり続けて引いた為に結構ご立腹だ。

まあ~俺が見ても正直外れ魔道具だな!!


ユリアナはまた魔道具の山の中から何か拾い上げて少し顔を赤くしている?よう・・・

俺はそれを見て

「ユリアナそれは使わないほうが良いぞ」

と一言

当然ユリアナは


「なんで?」


と聞いてくるから

「それはな~見ての通り女性専用の大人のおもちゃだな。でもそいつは使用した者を贄にして使用者の体内に悪魔召喚する魔道具だぞ?良いのか?」


って言うと


「ヒッ」


っと短く悲鳴を上げて、投げ捨てて、ハンカチを取り出して手を丁寧に拭きながら

「サドレイン公爵こんな物何に使ったのよ」

とまたまた不機嫌になるユリアナ


俺は

「あの魔道具、本来は女性専用だが、サドレイン公爵が使って使えない訳じゃないから、自分が使って悪魔召喚して体乗っ取られた為にクーデター起こしたのかもな?そうじゃなければ軍事国家のナール帝国があの頃暗躍してた頃だから、サニア山脈から流れるルーア川を使ってサドレイン公爵とナール帝国が繋がってたのかもしれない。サドレイン公爵が死んでる今となっては何が本当だったかは解らないけどな」


「キリスが言った最初の可能性は想像したくないわね。後の方が可能性高いんじゃ?」

「俺もそう思うよ」


「じゃ最初のは何で私に言ったのよ?」

「そんな事が本当にあったら面白いかなともってさ~」

「うわ~~私キリスにからかわれてたんだ~」

「からかってはいないぞ?サドレイン公爵がアレを使ってる所想像してみたら・・・相当におもしろいじゃないか?」

「う・・・キリス思わず想像しちゃったじゃない!!」


この辺で、この話は終わりにしよう・・・

変な方向に話が流れたら大変だからな!!


そう思い、当たりを見回して魔道具を鑑定

一ついい物メッケ!!


そう思い落ちてる魔道具を拾い上げて

「ユリアナこれなんかどうだ?一回使用毎に魔力チャージしなきゃいけないが、光の矢を枝の先端から1分間連続で出せるみたいだぞ?」


とそう言ってユリアナに渡す。

「唯一真面な魔道具ね。私が貰うわ」

とやっと笑顔になってくれた。

ほんと、ユリアナは体は大きいが精神年齢はおこちゃまだな。


つづく・・・

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