第13話 『死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!~~』

「死ぬ!!死ぬ!!死ぬ!!~~ユリアナ俺を殺す気だろ~~!!」

「そんな事言ってる暇が有ったら動く事ね。油断してると本当に死んじゃうわよ」


くっそ!!何なんだよ!!いきなり殺しにかかるって本当の戦闘狂なんじゃ?

うをぉ~頭が痛い!!

頭の中がブチ切れそうだぜ!!

処理速度が全然追いつかねえ~~~俺の頭はキャパシティーオーバーで煙を吐きそうだぜ・・・


体力使わない代わりに処理で頭めちゃ使うじゃん

あと持って1分・・って所か!!


『今のままじゃダメだ!!』

剣を思い通りに動かそうと考えるんじゃなく、考えた所にそこに有る!!

そんな感じじゃなきゃ殺られる


「シャリッ」

「シャリッ」

「シャリッ」


う・・

もう一歩遅かったら体が真っ二つになってたぜ!!

お蔭で腕を浅く切っちまった


『自由に動いていた頃の体だったならば対等に戦えたかもしれないが、今の筋力も何も無いこの体じゃとてもじゃないが勝てない・・・無い物ねだりしてもしょうがない!!今俺に出来る事!!それを全力でやるだけだ』

「カキンッ」

「カキンッ」

「カキンッ」

ユリアナからの剣の攻撃を紙一重で対応

今のままじゃ、ユリアナの剣を受けるだけで精一杯、勝てる所までは無理!!ジリ貧確実


勝てる要素が有るとしたら、この領域全部を俺の魔力で満たして制御すれば・・


そうすれば・・


なんとか一気に逆転可能?かも

でもそれは今の俺の能力からするともって数秒



でも

それをやると少し隙が出来て大怪我するかも・・


『やるしかない!!』


俺はそう決心し

一気に魔力を増大

この領域を一気に俺の制御領域に!!


「ピシッ」

「ピシッ」

「グサッ」


う・・

少し切られたか・・

でもこの位じゃ死なない!!


「エイッ!!これで終わりだ!!」

そう言った瞬間





4本の短剣と2本のロングソードがユリアナの体を包囲し空中で止まった



俺は静かに

「ユリアナ降参してくれないかな?」

と告げる


空中で静止した俺と直立不動のユリアナはその状態のまま

見つめ合う


少しの間沈黙



そしてユリアナは静かに両手を上げて


「降参よ」


と満面の笑顔で俺に告げてくる。

その瞬間、俺の気力はプツッっと切れて、石床に向かって落下する。

其れをみてユリアナは俺の体を素早くキャッチした瞬間石床に俺を抱いたままダイブした。


俺は

「もうこれ以上無理!!脳の処理がキャパシティーオーバー!!魔力操作すら出来ねえ」

そんな俺の言葉を受けてユリアナも

「私も魔力全部使い果たして魔力枯渇でこれ以上動けないわ」

と言って俺のくちびるにユリアナは自分のくちびるを重ねてくる!!



「うむっ・・うむうむっ・・・」

おい!!

此れは何の罰ゲームだよ!!

なんで俺ユリアナにキス・・


キスされてるんだよ~~~~~~~~~~???????

わかんね~~~~


俺はユリアナの突拍子もない行動にパニック!!パニック!!


『???????????????????????????』


『へ?なに?なに?なに?』

何なんだよこの感覚は~~~!!

そんな驚きもつかの間




「ぶはっ~~」


勢いよく俺のくちびるからユリアナのくちびるを離した瞬間

「う~~~ん満タン!!満タン!!生き返ったわ」


と満面の笑顔でそんな言葉をノタマッテいる!!


俺は!!

「おい何俺から魔力MPドレインしてんだよ!!それも口移しで!!一瞬焦ったじゃねえか」

そう一瞬焦ったさ!!

前世ならば確実に一気にボッキしてたハズだ!!

「うふっ、焦っちゃった表情も可愛いわ~大きくなったら最後までしてあげますからね~」

「おい何恥ずかしい事、サラッと言ってんだよ」

「あれ~キリスは不定はしないんだ~」

「あのですね・・俺だって精神年齢だけだったらユリアナとそう違わないんだぞ?お前みたいな可愛い奴に迫られたら俺だって耐えられねえっつの!!」

「うふふっ」

「おい意味深な笑いをするな~~ドキドキするじゃないか!!」

「うんうんもっとドキドキして良いよ~」


もう何処までもエロイ話しになりそうだ・・

『確実に俺はユリアナにからかわれているな・・・』


そんなユリアナの態度に


「はぁ~~」


と深いため息をつくしか無かった俺。

俺は話しを変える為に気になった事をユリアナに聞いてみる。


「ユリアナさ~サドレイン公爵家の居城に一人で殴り込みかけて全部ヤッツケちゃったんだろ?俺との今の戦いで全魔力使い切ったってさ~サドレイン公爵家に殴り込みかけた時はどうやって戦ったんだ?」


うんうん解るよね。今の戦いでさえ全魔力使い言ったくらいなのに!!

一人でサドレイン公爵家の居城攻め落とすなんて考えられねえじゃん?


ユリアナは遠い目をし思い出すように

「あ~あれね~あの時は両親をサドレイン公爵の者に暗殺されて頭に血が上ってたから、1人でサドレイン公爵家の居城に乗り込んで今みたいに剣を振り回してたんだけど・・・

5万もの軍隊はとてもじゃなく対応できるはずもなくって、私完全に囲まれちゃってね、『一撃必殺の魔道具』を使ったのよ!!


『一撃必殺の魔道具』は魔力を5000倍にアップして一気に放出する魔道具なのよ。私はそれを使って5万人の武器を乗っ取って一気に切り裂いたの。

でも5万人の武器を乗っ取る程の魔力を一気に使っちゃったから10秒で魔道具が壊れちゃったし、魔力枯渇でその後はMP回復薬を飲みながら殲滅したのよ。


もう二度と出来ない芸当ね」


「恐ろしいな魔道具」

「そうね。使い方次第では相当に危険な物ね。使う人次第で強力な武器にもなるし、使い物にならない愚物にもなるものね」


「まあ魔道具を活かせたのもお前の力だ。誇って良いぞ」

「キリスも人の武器の制御を乗っ取るなんて芸当やるなんて思ってもみなかったわ」

「そうでもしなきゃ、勝てなかったからな・・それにお前俺に常に手加減してたろ?常にギリギリ攻撃を躱せる位置に攻撃してただろ!!手加減されながらの戦いは勝てたとは言わねえよ」

「あはっバレてたんだ」

「ハイしっかりとバレテマシタヨ?」


「う・・痛てぇ~ロングソードで切られた所が痛ぇ~それに体中切り傷だらけだ。早く動かせる体になりたいぜ」

そんな俺の嘆きに

何のツボに入ったのか

「あはははぁ」

っとユリアナが笑いだす。

「は・・恥ずかしい・・・ぞ・・何笑ってんだよ」

「だって全然子供っぽくないんだもの」

「それだったらお前にも言えるぞ?全然大人らしくない」

「くすっじゃ~キリスの恋人って事でどうですか?」

「こっぱずかしいからヤメロ~~~」

「くすっ」


あ~~~完全に俺ユリアナに遊ばれてるな・・・



つづく・・・

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