特別編ファイナルラスティ ウメハラがミルダム前後に遊んだゲームと人まとめ

●Ultimate Chicken Horse

 通称・アルチキ。

 一画面固定のマルチプレイで、ゴールまでの早さを競うだけのゲームなのだが、全員同時に罠を仕掛ける事前準備がまずあるのがキモ。その罠でいかに他人を邪魔できるかと、自分がその罠を突破してクリアできるかの境目を探るパーティーゲーム。

 コメントに勧められ、複数名で楽しめそうなアルチキを選んだウメハラ。アールとこくじんを呼び出してのゲーム配信をしようとするのだが。このゲームは4人プレイが可能だった。

 もうひとり誰か追加したいのけれど適当なメンツがいない。「あのさあ、コメントでしょうへいを推す声があるんだけど」「しょうへい……? え? ウメハラの知り合い?」「全然。ナッシュ使いで、30人しかいない村に住んでるやつ」「誰?」「アールさあ、向こうの配信で声かけてきてよ」「おい待てウメハラ、呼びに行ったらしょうへいのリスナーさんが『ここがチャンスだぞ』『爪痕残せよ』って応援の声半端ないんだが」「やっぱりやめとく?」「今やめたらかわいそうだろ!」

 と言った経緯で呼ばれたしょうへい自身も良くわからないまま、「皆さんはじめまして……?」と、おじ3名に混ざってプレイ。

 ウメこくアールの3名の手腕で配信は盛り上がり、しょうへいもおじを静かに皆殺しするゲームのうまさは見せることが出来たが、面白いことは言えず爪痕は残せず。


●カタン

 Discordをつないでマルチプレイゲームを始めた当初から、ウメハラは「カタンやりたい」と言い続けていた。意外にカタンが好きらしい。

 カタンとは、海外製の超有名ボードゲーム。街を作り道を伸ばして資源を得て交渉し得点を伸ばしていく、地味ながら奥深いアナログゲームだが、コンピューターゲームとして移植もされている。

 これも4人プレイが楽しいゲーム。「またしょうへい呼ぶ?」「いや、あいつは暇だろうけど……喋らないしな……」「じゃあケンジ呼んでみるか」こうして試しに呼び出されたのは、ウメハラやアールとつながりのあるプレイヤーであるケンジこと、超林健治。

 独特の語りと語彙力でカタンの交渉の面白さを存分に引き出し、「野田林業さんとはよろしくやらせていただきたいので」「ではこの件につきましては一旦弊社の方に持ち帰らせていただきます」など、名シーンを量産した。


《超林健治》

 ストリートファイターZERO3のZ春麗使い。

 喋らせたときのおもしろワードの開発ぶりが図抜けており、ウメハラもその点を高く評価しているようで、このあとも雑談配信などに頻繁に呼ばれるようになる。過去にもBeasTVクロダスペシャルなどで、ウメハラ配信に時折登場はしていた。

 他のプロゲーマーや配信者と違い、本業は普通に社会人のため、あまり気楽に配信に呼び出せないというネックがある。


●KSKにレイド

 カタン後に、ミルダムのレイド機能を初めて使ってみることにしたウメハラ。前回も説明したが、レイドとは、放送が終わる際に今見ている視聴者を他の配信に送ってあげるシステムだ。

 配信終わりにウメハラは視聴者に訪ねた。「誰か俺の知り合いに、ミルダムで今配信やってる人いる?」ここで藤村やジョニィといった現在付き合いのあるプレイヤーに並んで名前が上がったのが、総師範KSKだった。

 「あいつはやめとけ」「コンプラ的に平気かウメちゃん?」などの声も上がる中、圧倒的にKSK推しのコメントが多かったために「じゃあいいよKSKで」とウメハラがレイド。

 近年全く親交がなかったウメハラにレイドされたことをKSKは驚き、「ありがと~ウメハラ~。俺もう何やっても100人しか視聴者いねえんだわ。コロナでタイにも帰れないし。なんかやるならいつでも呼んでってウメハラに伝えといてくれ」と発言。

 後日ウメハラに「レイド後にKSKがこう言ってたよ」と視聴者コメントで話が伝わり、事態は急展開を迎える。


《総師範KSK》

 ゲーマーズVISIONという有名ゲーセンの元店長であり、日本のeスポーツシーンの先駆けとなった賞金制大会ゴッズガーデンの元主催者であり、YouTubeすらなかった頃から格ゲー動画をネットで流していたパイオニアであり、ベテラン配信者。

 ゲーセン店長時代は、店員にときどやマゴ、こくじんもいた。プロゲーマーではないものの、日本の格闘ゲームシーンを支える立役者のひとりだったはずだが、色々あってタイに住まいを移して日本とタイを往復する生活に。

 口を開けば、重たい話があっけらかんと出てくる。全方位に不幸話をぶつけられる強烈なカウンター力を持っているのだが、悲壮感を出さない辺り、何らかの人徳。

 「下ブロワーオ」「ダンの超必殺技に特攻」「サイゴンの悲劇」「KSKの滝昇り」など、ゲームをするとなんらかの珍事を起こす星の下に生まれついた人でもある。


●仲直り配信

 カタンを引き続き配信で遊びたいウメハラ、しかしケンジは社会人であり常に誘うのが難しく、誰かもうひとりメンツを開拓したい。

 コメントから「KSKがいつでも呼んでって」と聞いたウメハラだったが、こくじんとKSKは仲違いしている。かつては同じゲームセンターの店長と店員であり公私ともに付き合いがあったのにも関わらず。

 だがこれはこくじんに限った話ではなかった。格闘ゲームシーンの一線から退いたKSKは、ゲーム配信は続けていたものの、以前に交流のあった人たちに微妙に距離を置かれ、どうにも近づきがたい存在になっていた。

 ウメハラがレイドしたときのコメント欄でもそうだったが、配信で名前が出るだけで一部の視聴者が荒れるレベル。今現在のウメハラ配信でのKSK人気を見るにつけ、信じられないような状況だった。イメージが先行してなんとなく周囲から距離を置かれることの、怖さを感じる。

 また、同じくウメハラ配信で共にゲームをする、アールは少し特殊な状況にいた。アール・せんとす・KSKの三者で『まだ走りたい』という定期放送を8年も行っており、格ゲー界隈では最もKSKと関わりのあった人物のひとりだろう。

 今もKSKと親交のある人、仲が悪くなってしまった人、配信を介してどちらも同じ場にいる。ウメハラが提案した。


「こくじんとKSKさ、お互いに言い分あるみたいだから話してみたら? それで和解できたらそれでいいじゃん」

「まあ……俺もKSKさんと仲直りできるならそれに越したことはないけど……」


 こうして生配信で突発的に行われることになった仲直り。

 格闘ゲーム業界での視聴率が異常に高かったようで、この配信にあちこちでざわついた。何のゲームもしてないただのおっさん同士の和解トークに、数千人もの視聴者が集まってしまった。

 配信上では話せないような内容はLINEで裏でやり取りしつつ、途中エンタメでもなんでもないマジのケンカから再度仲違いに発展しそうなギスギスなども経て、二人の仲直りは成立。こくとKSKは配信終了後すぐにAPEXをやってた。

 この仲直り配信内だけでも「こいつ話作ってるぞ」「お前も敵か?」「あの頃の俺は記憶が曖昧で……」などの過去のトラウマ名セリフが量産され、一瞬でネタワードに昇華されて、未だに配信中に繰り出されている。


※自分で書いておきながら即座に訂正すると、仲直り配信が行われた4/13のミルダムアーカイブを確認したところ、「二日連続でケンジとカタンやりたいんだけどケンジが来るまで時間かかるから、それまでKSK呼んでこくじんと話させようぜ」という、限りなくウメハラの暇つぶしがきっかけだった。記憶が美化されてた。ただの王の戯れじゃんねえ。


●洞窟物語

 フリーゲームとは思えない出来栄えで一昔前に流行ったシューティングアクション。今でもPCでフリープレイ可能で、SteamやNintendo Switchなどで製品版も発売されている。

 ウメハラは相変わらずソロプレイのゲームも続けていたのだが、そんな中で特に手こずったのがこの洞窟物語。

 既にフリーゲームとして何度もプレイしてやりこみ要素だけを追求したい人向けに、洞窟物語の製品版には、ハードモードが搭載されていた。「アクションゲームをやる時は全部ハードで遊ぶ」と豪語していたウメハラが、いつものノリでハードを選んでしまったことで、難易度が異常な上がり方をする。

 ロックマンで一発被弾したらゲームオーバー、またはRPGでボスしか倒さずに低レベルで強引に進むような、何度も同じゲームをクリアした既プレイ勢専用の縛りプレイに、初見で手を出してしまったような形。

 ボス一体倒すだけでアンダーテールのラスボス並に苦戦し、最終ステージは毎日何時間もノータイムでコンティニューし続けて、丸々24時間ほどかけてようやく攻略するなど、苦行に近い配信になった。

 ゲームプレイを流しているのではなく、プロゲーマーのやばさを流しているような配信だった。クリアしたときのウメハラの脱力ぶりがすごい。


●Project Winter

 通称・雪山人狼。

 雪山に取り残された8名が、素材を集めて道具を作り野生動物を倒し救援を呼んで脱出する30分のサバイバルゲーム。しかしこの8人の中には、脱出を阻止することで勝利する2名が隠れている。彼らの邪魔や嘘や襲撃をかいくぐって、無事サバイバーは雪山から脱出できるのかという、人狼要素ありのアクションゲーム。

 複数名で遊べるゲームのひとつとしてこのゲームを勧められたウメハラ。経験者の説明を聞いたほうがこのゲームはわかりやすいということで、若手プレイヤー代表のナウマンを呼んでレクチャーを受ける。


《ナウマン》

 EVO japan 2020をさくらで制した、若手成長株。

 「昔はいかにもエンジョイ勢の学生っぽいなーって思ってたよ」とウメハラが評するに値するさわやかっぷりなのだが、言動や行動に時折ヤバめの性格が見え隠れ。

 ウメハラがスト5で対戦して勝利し、「俺このゲームでしかナウマンに勝てねえ」と言ったほど、何のゲームをやらせても勘のつかみ方やプレイングがうまく、称賛と畏怖の思いを込めて『ナウマン側』と呼ばれている。

 ゲームがうまくなるとみんな「お前ナウマン側か?」と言われる流れになっているが、実質ナウマン側にはナウマンしかいないようだ。

 ちなみにこの『ナウマン側』という言葉の初出は、雪山人狼がうまくなったと自称するこくじんが言い放ったものであり、ナウマン自身は一切発していない言葉なのに、いつも「ナウマンはナウマン側だな」と言われている。


 ナウマン先生のもとに集って雪山人狼の操作説明を聞いたのは、ウメハラ、アール、こくじん、総師範KSK、しょうへい、カワノ、どぐら、板橋ザンギエフと、そうそうたるメンツ8人。

 一人用で相手を倒すゲームを極めてきた格闘ゲーマー、びっくりするほど話を聞かずに勝手に動き回るので、ナウマンはかなり説明に苦労していた。相手はレジェンドばかりなので叱れないし。

 説明とゲーム開始のセッティングだけで数時間かかった。

 しかもこの後なんと三時間、人狼側との完全協力プレイを行っても一回も雪山を脱出することすら出来ず、格闘ゲーマーの人間力を見せつけられた。

 「格闘ゲーマーは協力したら死ぬんか?」の煽りコメントがアツい。


《カワノ》

 おじプロゲーマーたちが「今や若手トップのカワノではなく、日本のプロ格闘ゲーマーの中でトップレベルのカワノ」と称するほどの、若手成長株の更にもうひとり。

 年齢差はあるがウメハラと仲が良く、同年齢のしょうへいとは特に仲は良くない。「プロではカワノ君とは一番仲がいいぐらいですよ」と言われたのに「しょうへいさんとは仲が良くはないですね」とはしごを外したり、大会の直接対決で実力差を見せつけたりした。

 スト5が本当に強いし、リスキーなネタで年上も同年代もガンガンいじっていく。

 ちなみに9月末から始まるSFLでは、ウメハラのチームにカワノとナウマンが両方所属している。おじと若手の最強チームに期待したい。


《どぐら》

 昔の名前は生駒デビル。

 ギルティギア、スト4、ブレイブルー、鉄拳、ドラゴンボールなど、複数のゲームで成績を残すマルチプレイヤーだが、今はスト5でベガ&セス使いとして活動。

 やたらネタをぶっこむ。ずっとボケてるノンストップ関西弁。ラインを超えてるようなネタが特に好きなので、ほっとくと危険な人。

 格ゲー以外をやるとすぐ死んだりして、とにかくいじられキャラ。それでいて、「年齢的に若手とおじの潤滑油になるのが俺やから」と周りを見渡してポジションを理解するバランス感覚もある。でもネタは常に危険なぶっこみ系。

 小野さんのモノマネが得意。

 奥さんのぎゃすさんとの掛け合いもいいコンビすぎる。


《板橋ザンギエフ》

 ウメハラと同い年のベテランプロゲーマー。その名の通りザンギエフを使い、投げキャラ使いとして有名。

 読みと太い選択肢を通していくそのプレイスタイルや使用キャラのごつさとは裏腹に、当人は柔和で温厚。

 独特な喋り方にも特徴があり、「やりたみあります」「いけんく」「メシゆるぼ」「お~ん」など珍しい語彙を持つ。KSKのことは「オワちゃん」と呼ぶ。

 高学歴プレイヤーでもありまして、ここカクヨムの小説コンテストで審査委員を努めていたこともあるんですが、アレに応募できなくて俺は悔しかったです。お~ん。


 かくして雪山人狼で一気に増えた、ウメハラ配信の参加者たち。

 単体でも面白い格闘ゲーマーおじさんたちが、8人集まって会話しながら騙し合いと協力をするゲームが面白くないわけがなく、雪山人狼はウメハラ配信のメインコンテンツとして育っていく。

 しかもである。長年ウメハラやその周囲の格闘ゲーマーの関係性に触れてきた人たちにはまさかの、ウメヌキがきゃっきゃして遊ぶ様子が、これから毎日のように見られるようになるのだった。

 ウメハラ配信に格ゲー五神の参戦である。




《追記》

 以上、ウメハラ特別編ファイナルラスティでした。

 次回、ウメハラ特別編ファイナルラスティアルティメットアゲインにてお会いしましょう。


《追記2》

 このシリーズを書く前からこうなる予感はしてたんですが、これ、書いてる最中にもウメハラ配信が毎日続くものだから、書かないといけないネタがどんどん増えて、終わらないし追いつけないですね……。

 適当に切り上げるつもりではある。だけど、ウメハラ格ゲー初心者講座とか拾わないわけにもいかんだろ! と言う思いもある。

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