第67話 第三者
アーレンビー家の居間に通されると、シンはキャロルに促されるままに中央のテーブルセットに着き、ソフィアはお茶を入れるためにキッチンへと向かった。
当初はアレクがお茶を淹れる旨を申し出たのだが、他3名により却下された為、彼女もテーブルへと着く。キャロルもアレクの隣の椅子に座し、お茶が入るまでの間、シンとクナートの様子や冒険者の宿の事など、軽い雑談を交わした。
ほどなくして、キッチンから香ばしい香りが漂ってきた。嗅ぎなれない香りに、思わずシンがキッチンの方を見やると、キャロルが心を読んだかのように微笑んでさり気なく「
彼の予想通り、ソフィアがワゴンに載せて運んできたお茶は
「……うん、美味しい! 香ばしくて不思議な味だなぁ。僕、初めて飲んだよ」
「好き嫌いが分かれる味と言われますが、シンさんは前者の様ですね」
「私も好きだぞ! ソフィアは?」
「……よく分からない」
答えたくないからではなく、本当に分からない為、困った様に眉間に皺を寄せてソフィアは短く答えた。たまに口に入れて驚くものはあったとしても、美味しいか不味いかと問われると、未だに返答に迷う。――だが、聖夜祭の翌日、シンと共に屋台で買って食べたパンケーキ。あれはソフィアも自分が“美味しい”と感じている事が分かった。それから、ティラーダ神殿の神官からもらったカモミールティに蜂蜜を入れた飲み物。口に含むと、飲み下すのが勿体ないと思えるほどの――“美味しい”味が広がって、反応に困った事を覚えている。
だが、その2つの様ではないからと言って、美味しくないという訳ではない――はずだ。
(好きとか嫌いとかって、難しいわ)
ソフィアが真面目な顔で考え込んでいると、不意に膝の上に置いた己の右手に温もりを感じた。ぎょっとして見ると、シンが手を重ねていた。むっとして抗議しようと彼の顔を見上げると、シンと視線がぶつかった。ソフィアと目を合わせる直前まで、シンのその双眸には迷いの影があったが、彼女の水色の瞳と目が合った途端に消えて無くなった。訝し気な表情で眉間に皺を寄せて見つめると、シンは微笑んでから正面に座るキャロルへと視線を動かした。
「キャロルさん、今日突然ご訪問させて頂いた事について、お話ししても良いでしょうか」
「ええ、もちろん」
凪いだ水面の様に微笑みを湛えたまま、キャロルは悠然と頷いた。
* * * * * * * * * * * * * * *
それからシンは時間を掛けて、キャロルとアレクに、ソフィアと会ってからの出来事を出来るだけ詳細に語って聞かせた。それに何の意味があるのかはソフィアには分からなかったが、それでも彼の語った事は、初耳な事が多かった。
特に、ネアとシアンの記憶に欠落が生じているという事が語られた際は、“自分と同じような状況に陥る人間が他にいたのか”と衝撃を受けた。しかし、それはすぐにシンの口から語られた補足で否定された。――曰く、「ソフィアと似た状況だけど、思い出すきっかけを与えても思い出さない事から、ソフィアとは明らかに異なる」という事だ。――その言葉に、更にソフィアは衝撃を受けた。
(あたしが……時々、記憶がおぼろげになる事、シンにはバレてたんだ……)
バツが悪そうに俯く。そういえば、シン本人を目の前にして、その事を口にした事もあった。――“あなたとは顔見知りでも何でもない”と。
俯いたままのソフィアの小さな手を、ぎゅっと握りしめてシンはそっとソフィアに声を掛けた。
「ソフィアの場合は、多分……辛い事や、悲しい事、そういったものから身を守る時に、無意識に忘れようとしているんじゃないかなって思うよ。だから、気にしないで」
「そんな事、言われても……」
シンに握られた手を抜き取ろうと身を捩りながら、ソフィアは表情を硬くした。その様子に、シンは困った様に眉を下げる。
「ソフィアを責めてるんじゃないからね」
「……」
「ソフィア……」
途方にくれた様に名を呟くシンに構わず、ソフィアは右手を彼の手から抜き取り、己の膝の上で自らの左手で握りしめた。
「シンがそういうつもりで言ったんじゃないって事は分かってる。話しを遮って悪かったわ。続けて」
つい、と目を逸らしたまま言うと、シンは少し迷ってから小さく頷き、視線を正面に戻して説明を続けた。
シンが話し終える頃には、西の窓から橙色の柔らかい光が部屋の中に差し込んでいた。
伝えられる情報を、覚えている限り伝え終わったシンは、乾いた咽喉を潤すために、ティーカップに残っていた既に冷えきった
その様子をじっと見つめてから、キャロルは「ふむ」と呟くと、細い顎に白い指を添えて思案顔になった。
「……いくつか確認したい事が」
「あ、はい、どうぞ」
「シンさんがご存知であればシンさんでも構いませんが、ソフィアさんの事で」
「え」
「あたし?」
「ええ」
思いがけない言葉に、シンは驚いて目を丸くし、ソフィアは戸惑ったようにキャロルを見た。宝石の様に深い青の双眸が、微笑んでいる表情とは裏腹に、射貫く様に真っ直ぐにソフィアへと向けられている。無意識に息を呑んでから、ソフィアは躊躇いがちに了承の意を込めて頷いた。……傍らでは心配そうにシンが何か言いたげな表情をしているが、そこは気付かない振りをした。
「まず、ソフィアさんがクナートへ来た時の事なのですが」
「え?」
どんな事を聞かれるのかと身構えていた為、拍子抜けした様に鸚鵡返しをする。
「あたしが来た時?」
「どのような状況だったのでしょう?」
「どんな……って、ええと、さっきシンが話した感じで……
「“気付いたら”?」
「? え?」
キャロルの問わんとする事が分からず、ソフィアは困惑して口ごもった。だが、傍らに座るシンはハッとした様にソフィアを見て、それからキャロルへと視線を動かして声を上げた。
「奈落の滝から落ちたとしたら、“滝の真下にある町”に最初に着くはずだ……!」
「? え……え? でも、クナートには滝なんて……」
「そうだよ、何で気付かなかったんだ……ヴルズィアで奈落の滝があるのは商業都市エランダの北の端、その水の落ちる先――テイルラットで滝つぼがあるのは、」
「ええ。南の果ての町フェールズ、です」
耳慣れない地名に、ソフィアはシンとキャロルを交互に見て眉を顰めた。
「聞いた事無い地名だわ」
「テイルラットの大陸の最南端の町だよ。そこに、ヴルズィア側の奈落の滝の水が落ちてくる滝つぼがあるんだ」
「でも、あたしは違ったわ。だって、アトリが
“この世界”で最初に目を覚ました時――アトリが“この神殿近くの森で倒れていた”と言っていたのだから、南の森の事で間違いないはずだ。
「なるほど」
微笑んだまま、キャロルが小さく頷いた。それに対し、アレクがたまりかねた様に頭を両手でかきむしりながら身悶えする。
「ぬぁ~にが“なるほど”だよ! 私はさっぱり分からん!! おいキャロル! 自分だけ納得してないで、ちゃんと説明しろよ!!」
「ええ、その前に。もう一つだけ。――シンさん、エルテナ神殿の収穫祭の時の事ですが」
「はい?」
ソフィアが熱を出した時の事であり、シンが初めてソフィアを看病した時でもある。何か話してなかった事や、疑問に持たれるような事があっただろうか、と内心で首を捻りながらも、シンはキャロルの言葉を待った。
「ソフィアさんが神殿の仕事をお休みするという事は、エルテナ神殿の神官の女性……アトリさんが部屋を訪ねて、彼女が倒れていたから分かったのでしょうか?」
「いえ。アトリちゃんが言うには、神殿にソフィアは休むって知らせがあって」
「知らせ?」
「はい。それで、心配したアトリちゃんが部屋に見に行ったら、ソフィアが倒れてて……あ!」
説明途中で、シンは焦った様に口元に手を充てた。
「そうだ……そうだった。あの時、神殿に伝言があったってアトリちゃんが言って、僕は“誰が”って――そうだよ、宿の人でもなかったんだ。だって、ソフィアはアトリちゃんが見に行った時、部屋で倒れてたって言って――」
そのまま、言葉を切って息を呑む。
――――
冷たい氷の塊を腹の中に飲み込んだかの様に、シンは身震いしてキャロルを見た。彼は相変わらず表情の読めない微笑みを浮かべたまま、穏やかに口を開いた。
「どうやら、シンさんやソフィアさん、他の誰もが把握できていない登場人物が、まだ1人いる様子ですね。しかも、ソフィアさんの近しい場所に」
「え……」
キャロルの言葉に、ソフィアは困惑の声を零す。――身に覚えが全く無い。
「“その人物”が、ソフィアさんが奈落の滝から落ちてきた後、クナートの南の森に移動させたと考えるのが妥当でしょう」
「で、でも、運ぶ……って言っても、遠いんでしょ?」
「古代語魔法の中の一つ……遺失魔法とも呼ばれる古い魔法に“転移術”というものがあります。これを使えば、町から町の移動も可能です」
「でも、何で? 何でこの町? 別の町だってあったじゃない!」
思わず椅子から立ち上がり、ソフィアは強い口調で反論した。対するキャロルは微笑みを崩さず涼しい顔で応えた。
「それは……さて、何か理由があったのか、適当な町としてクナートを選んだのか、分かりませんが」
「そんな、勝手な……っ」
その場に立ち竦んだまま、ソフィアは絶句した。最初に目覚めた町がクナートではなかったら、最初に行った冒険者の宿が
(そうしたら、シンはこんな風に――)
「ソフィア!」
唐突に鋭い声が飛び、ソフィアはハッとして声の主を見た。同じように席を立ったアレクと目が合う。「何よ」と言おうとして、上手く口が動かず、ソフィアはよろけて両手をテーブルの上に突いた。
「……――あ……え?」
「ソフィア?!」
傍らのシンが慌てて立ち上がり、ソフィアの身体を支える。いい、平気、と言おうにも、急激に視界が狭まり、ソフィアはそのままシンの腕の中に倒れ込んだ。
「キャロル!」
「サンディ、客間へ」
「分かった! シン、こっちだ!」
アレク、キャロルの声、――身体を包む温かい腕。――そこでソフィアの意識は途切れた。
* * * * * * * * * * * * * * *
ソフィアを客間へ運ぶと、アレクが彼女をベッドに寝かせてしばらく様子を見ると申し出てくれた為、シンは再びキャロルの残る居間へと戻った。
「キャロルさん、さっきのソフィアは……」
「ええ、以前お話しした、サンディがソフィアさんの生命の精霊に干渉を試みた時と同じ状況に陥ったようですね」
「でも、今回は誰もソフィアに干渉しませんでしたよね?」
「そうですね……しかし、精霊力のバランスは崩れた様子がありましたね」
確かに、シンの目から見てもソフィアは“なぜクナートを選んだのか”という事に対し、「適当だとしたら勝手だ」と憤りの様なものを感じていた様子だった。――シンとしては、クナートで良かったと思うのだが。
「何かソフィアさんの心の中で強い感情の変化があった様にも見えました」
「はい」
「もしかしたら、その動きに呼応する形で、何らかの力が働いた可能性がありますね」
「……」
冷静に話すキャロルとは対照的に、シンは落ち着かない様子で客間の方へ視線を向けた。
「シンさん」
「え? あ、はい」
慌ててキャロルの方へ向き直ると、彼は微笑みを浮かべたままシンに椅子に座る様促した。
「ソフィアさんは、サンディが付いているので大丈夫ですよ。もう少しお話しを伺ってもよろしいですか?」
頭の中がソフィアの様子を窺う事ばかり、という事を見透かされたような気持ちになり、シンは少し赤くなりながらも、平静を装って「分かりました」と返しながら示された椅子に座った。
「ありがとうございます。……さて、シンさんがお話しされた事は、事細かに全て……という訳には恐らく行かないと思います。シンさんご自身が“取るに足らない事”と思われている事や、些細な事であれば忘れてしまう事もあるかと」
「そうですね、そういう事はあると思います」
出来る限り話したつもりだが、キャロルの言う通り、漏れがあってもおかしくはない。
「絞り込んで確認させて頂きます。ソフィアさんの事は先ほど確認できましたので、後は――シンさんの懸念事項としては、ネアさん、シアンさんのお2人の記憶、という点でしょうか」
「はい」
特に、シアンは間違いなくシンに何か伝えようとしていたのを目の当たりにしている。
「では、先にネアさんから」
「え、ネアちゃんですか?」
「ええ。……確か、一緒に冒険者の仕事を請けたのでしたね。ソフィアさんと一緒に」
「あ、はい。テアレムの
「確か、ソフィアさんが攫われたんでしたっけ」
「……はい。後で知ったんですが、ソフィアはどうやらその前にクナートで人身売買組織の一人に目を付けられていたらしくて、それで」
「ふむ」
口元に白く細い指先を添えて、キャロルは何やら思案した。少し間を置いてから、再び口を開く。
「その、攫った人たちが人身売買組織の方と知ったのは、入れ墨があったから、ですね」
「はい。丁度ネアちゃんが直前に組織殲滅の依頼を請けていて、その組織のメンバーの利き腕とは逆の二の腕に鬼灯の入れ墨を入れているって知ってたみたいで。入れ墨は僕も確認しました」
「なるほど。……その組織が使用していたという小屋ですが、捜索はされたんですか?」
「ええ。出来る限りは。――あ! そういえば、あの時僕、袋を……ええと、このくらいの」
指で20cm四方の形を作って見せてから、シンは言葉を続けた。
「巾着袋みたいなものを見つけて、中を確認しようとしたらネアちゃんが…………あー! そうだ! アレの事、僕まだ聞いてなかった!」
「おや、何かあったんですか?」
「僕が見つけた巾着袋を、ネアちゃんがとっちゃったんですよ! あの後、何も言ってこないし、他に色々あったから、すっかり忘れてた……!」
「それは、思い出せて何よりです。もしよろしければ、ネアさんに確認された結果を教えてください」
にっこりと微笑んでから、キャロルは小首を傾げた。
「ネアさんがシアンさんに黙って調べようとしていた事に関わるものなのかどうかは分かりませんが……何か手掛かりになるかもしれませんね。あともう一つ。シアンさんがシンさんに伝えようとした事もエイクバに関してでしたよね」
「! そ……う、ですね……恐らく」
「エイクバで人身売買組織の拠点に忍び込んで、何か気付いた事があった可能性は十分に考えられますね」
「ええ。……僕もそう思います」
「ならば、その拠点に囚われていた女性――シュウカさんは何も情報を持っていないのでしょうか?」
「え……?!」
まるで考えていなかった事を指摘され、シンは目を瞠った。
「彼女から話しは」
「……すみません、聞いてないです」
「謝らなくても結構ですよ。単に私が気になっただけですし。……普通、犯罪組織が
笑んだまま緩く片手を振り、キャロルは重ねて「気にしない様に」と付け加えた。
「ただ、肝心のシアンさんが何があったのか思い出せない以上、その現場に居合わせた可能性のある彼女に聞くだけ聞いてみるのも良いと思います。シュウカさんは
「ええ」
「大陸中央で
「そうですね。僕も初めて会いました」
「その“見つけるのも難しい
「た、確かに……?」
間違いなく違和感はあるのだが、キャロルの指す“引っ掛かり”が明確に何か分からないため、シンは曖昧に頷いた。シンの内心がバレているのかどうかは分からないが、キャロルはほんの少し柔らかく微笑んだ。
「お手数ですが、彼女に何か気になる事や、覚えている事が無いかどうか、確認してもらえますか?」
「分かりました」
「それと、記憶に関してですが」
「はい」
「ネアさんとシアンさんは、明らかに
「? え??」
今度こそ、キャロルの言わんとする事が分からず、シンは間抜けな声で聞き返した。
「ネアさんとシアンさんはともかく、ソフィアさんの場合は――
「? は、はぁ……?」
「いずれにせよ、正確に判断するには、まだ少し情報が必要ですね」
「は、……い?」
キャロルの思考について行けず、シンは曖昧な返答を繰り返す事しか出来なかった。気にした様子も無く、キャロルは言葉を続けた。
「ああ、そういえば、」
――言いさして、彼は言葉を切って停止した。口元に指を添えたまま、じっと考え込んでいる。
何度か彼の名を呼んでみたが反応が無い為、少し迷ったがシンは黙って彼が再び口を開くのを待つことにした。
しばらく時間が経ち、「あ、これは石化しているのかもしれない」とシンが思い至った矢先、居間にアレクが戻って来た。
「……ソフィアが落ち着いたみたいだから、戻ってきてみればこれか」
彼女は呆れ顔になると、キャロルの傍らまで歩み寄り、彼の目の前に片手を振って確認した。
「んー、これ長くなるわ。シン、もう遅いしソフィアはあんなだし、もし明日朝に予定が無かったら今日は泊ってきなよ」
「え、いいの?」
「もちろん! 私にとってソフィアは家族同然だし、シンはソフィアの家族同然なんだろ? なら、私とシンも家族同然だ!」
からりと笑って大分大雑把な事を言いながら、アレクはキャロルの冷えた肩に柔らかそうな布を掛けた。
「こいつ、こうなると長いからさ。ある程度経ったら叩き起こして部屋に連れてくから、シンも休むと良いよ」
「ありがとう。ソフィアの部屋に僕も泊まらせてもらっても良いかな」
「うん。ベッド狭いかもしれないけど」
「問題無いよ。抱きかかえて眠るから」
「うはぁー」
「?」
「良いけど、ソフィア起きたら怒るんじゃない?」
「そうだね……怒る……かも?」
「でも、ソフィアは頼ってって言っても絶対頼ってくれないんだもの。だから僕からどんどん行かなくちゃね」
「あー、なるほどねぇ」
シンとソフィアの関係性が見えたのか、アレクは笑って頷いた。それから、少し笑みを収めて続けて言った。
「まぁ、それもありだと思うけど。でも、“頼って”って言われて本当に頼ってくるヤツなんて、誰かに頼るって事を知っているヤツだぞ」
「え?」
「ソフィアみたいな、“頼るって事自体を知らない”ヤツには、いっくら「頼って」って言っても通じないんじゃない? 知らないんだし。……それよりさ、ソフィアが困った時に「頼っても良いんだ」って――顔を思い出せるような存在になるのが、先決だと思うけどな。少なくとも、私ならそうする」
そう言うと、アレクはシンに向かってニヤリと笑うとウィンクした。
「んじゃ、私も適当な時間にキャロル起こして寝るよ! シンも早く休みな!」
「……うん、……ありがとう、アレク」
「いーって事よ!」
ひらひらと片手を振ると、アレクはキャロルの座る椅子にもう一つ椅子を寄せてそこに自分も座り、彼の肩から下がる温かい布に自分も包まってシンに笑いかけた。
「あ、客間に適当に食い物も置いておいたから、腹減ったら摘まんで良いからな! おやすみ~!」
「うん、おやすみ」
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