第36話 アーレンビー家でお泊り会(シンとキャロル、時々ソフィア)

 初めて口にした紅花茶サフラワーティは独特な香りだったが、思ったよりも飲みやすい薬草茶だった。アーレンビー家にソフィアが滞在した際にキャロルが文献を元に淹れ方を彼女に教えたそうだが、その手順を未だにきちんと守って淹れているからこそ、渋みやえぐ味が出ずに澄んだ赤橙色と雑みの無い香りが出せるのだ、と、女性2人が夕食の支度を行っている間の書斎の片づけ手伝い中に、キャロルがシンに説明してくれた。

 その書斎は驚くほど多くの書物があり、本棚に収納し切れない書物が床にも机にも溢れ返っていた。主に古代語の文献で、キャロルは古代語魔法と、魔法で栄えるも今では滅んだ古代の文明の研究しているのだという。


 その日の夕食は、数種類の豆と根菜をたっぷりの香味野菜の束ブーケガルニで煮込み、ベシャメルソースを加えたというシチューに似たスープと、溶かしたチーズを乗せた黒パンだった。

 妖精エルフであるキャロルが肉を好まない為のメニューらしいが、スープは香味野菜のスパイスや旨みとたくさんの野菜から出る出汁でこくがあり、食べ応えのあるものだった。特にベシャメルソースはシンの好物という事もあり、食が進んでお代わりを3杯頂き、ソフィアに呆れた眼差しを向けられてしまった。

 それにしても、このシチューに似たスープを作ったのがソフィアだと聞いて、シンは非常に驚いた。というのも、好物という事はさておき、とても美味しかったからだ。どちらかというとソフィアは食に対して積極的に美味しさを追求するという印象は無い。「食べられれば良い」「身体が動かせる程度に栄養が取れれば良い」と平然と言いそうなイメージだった。だからこそ、この温かくて味わい深い、優しい味のスープを彼女が作ったと言うのは意外だった。

 因みに、黒パンはアレクの手作りだそうだが、程よい歯ごたえと麦の香ばしい香りがチーズと良く合い、これもまた2つほどお代わりをしてしまった。



* * * * * * * * * * * * * * *



 食事を終えると、ソフィアは今日泊まる客間へアレクに案内されて退出した。部屋に残されたのは男性陣――シンとキャロルだ。ひとまず、今日のお詫びとお礼を言わなくては、とシンは口を開いた。


「突然宿泊させて欲しいなどと、厚かましい事を言って、申し訳ありません」


 きちんとキャロルの方へ身体ごと向き直り頭を下げる。するとキャロルは「お気になさらず」と微笑んだまま軽く応えた。


「ところで、シェルナンさん」

「はい。――あ、シンで構いません」

「ではシンさん、何か飲まれますか? 葡萄酒か蜂蜜酒ならご用意できますが」


 微笑を絶やさぬままキャロルは立ち上がり、壁沿いの棚を手で示す。


「いえ、ですが」

「サンディは下戸でして。私もそんなに量を飲まないので、お嫌いでなければ1杯お付き合い下さいませんか」


 そのまま棚の戸を彼が開けると、中には未開封の酒瓶がいくつもあった。飲まないのなら、そもそもなぜ酒が棚の中にあるのか――という点はやや気になるところだが、あえて触れず、シンはにこりと笑顔で「では、蜂蜜酒を」と返答した。



 手びねりのグラスに琥珀色の蜂蜜酒ミードが注がれ、甘いアルコールの香りが立つ。そういえば、出会ったばかりの彼女が名乗った偽名が“ミード”だった事を思い出し、シンはこっそりと口元に笑みを浮かべた。あれからそんなに時は経っていないはずなのに、もう彼女とは数年共に過ごした様に感じられる。出会う前の自分がどんな生活をしていたのかが思いだせない程、シンの内面に彼女は深く関わっており、欠ける事は考えられない存在になっていた。


 物思いに耽っていると、いつの間にかテーブルの上には乾燥した木の実の乗った皿が置かれていた。


「どうぞ、お酒の合間に摘んで下さい」

「ありがとうございます」


 素直に礼を言って皿から松の実を1つ摘み、口に運ぶ。乾煎りされた松の実は香ばしく、蜂蜜酒の甘さをより引き立ててくれた。思わずため息をついて頬を緩ませる。


「美味しいです」

「ふふ……」

「?」

「緊張されてらっしゃいますか」

「え、あー……そうですね、少し」


 バツが悪そうに、シンは頬を掻いた。


「そう気を張らずに。――気楽に話しましょう」

「気楽に」

「ええ」


 にっこりと揺るがない微笑のまま、キャロルは頷いた。とはいえ、どういう話題を持ち出すべきか……ソフィアの事で色々聞きたい事はあるが、どう切り出したら良いものか、と考えをめぐらせる。だが、あまり頭脳労働が得意ではない為、ひとまず当たり障りの無い話題を口にした。


「キャロルさんはおいくつなんですか? あ、僕は75歳になったばかりなんですが」

「年齢ですか? そうですね……300を越えた辺りから、数えるのが億劫になりまして。あまり良く分かりません」


 300、と思わず鸚鵡返ししそうになりつつも飲み込む。妖精エルフは長命と聞くが、この目の前の20代半ば程の青年に見える彼が300歳を越えるというのは、知識として理解していても驚かずにはいられなかった。孤児院に入り浸っている冒険者仲間のシェラも妖精エルフだが、彼女は年若く、確かまだ120歳前後と言っていた。――それでも驚く年齢だが。因みに、人間の成人年齢は15歳だが、妖精エルフの成人年齢は100歳。平均寿命は500年とも600年とも言われている。


「まぁ、サンディと出会ってからは、お互いの誕生日は祝う様になりましたので……出会う前までが300歳として、出会ってから5年目なので305歳って事にしましょうか」


 あまり年齢にはこだわりが無いのか、キャロルはアッサリと己の年を“今”決めてしまった様だ。そう言えるほど、キャロルにとって大切なのは、妻と出会ってから今までの日々なのだろう。


「……すごいですね……」

「そうですか?」

「――あの、」

「はい?」

「あ、いえ」


 あはは、と曖昧に笑いながら、シンは思わず口から出掛かった言葉を誤魔化そうと蜂蜜酒に口をつけた。


「酒の席ですから、無礼講です。遠慮なさらず、思われた事を口にして頂いて構いませんよ」

「…………」


 こくり、と口の中の蜂蜜酒を飲み込んでから、目の前に座る妖精エルフをシンは見た。相変わらず微笑を浮かべているが、老成の彼はシンが言わんとした事を既に察していてもおかしくない。そう思うと、あれこれと別の話題で誤魔化そうとするのも愚かに思えて、シンは素直に口を開いた。


「怖くないんですか?」

「怖い、と言いますと?」

「アレクは……人間、ですよね。――妖精エルフであるあなたとは、生きる長さが違う。いつか訪れる別れが、怖くないんですか?」

「生きる長さが違うのは、種族が異なるからですし、別れはどのような種族にも訪れるものです。どちらも特段怖がる事ではないと思いますが?」


 そうじゃない、と言いかけて、キャロルがシンの言いたい事を分かっていて、あえてシンが迷いを己の口で言葉にする様に仕向けていると感じとり、思わず苦虫を噛み潰した。

 とはいえ、自分から相手の内面に踏み込むような問いを投げかけておきながら、己の腹の内を晒さない事など、出来ない。シンはのろのろと言葉を続けた。


「――僕なら、怖い。大切な人が目の前からいなくなると考えると、恐ろしくてたまらない。……キャロルさん、あなたは怖くないんですか?」

「さぁ、どうなんでしょう。誰も先の事など分かりませんし、種族ごとの寿命と言っても、単に平均値ですからね。それに、」


 視線をシンから部屋の扉の方へ移し、キャロルは柔らかく目を細めた。その方角には、今夜アレクとソフィアが眠る部屋がある。


「私は彼女サンディだからこそ妻に、と望んだのですよ。彼女以外の女性など、私には何の価値も無い。彼女が、人間だろうと妖精エルフだろうと、他の種族だろうと、何であっても関係ないんです」


 宝石の様な青い瞳にハッキリと強い愛情の色が浮かぶのが、シンにも分かった。


「――私は300年以上妻帯しませんでしたが、それはサンディに会わなかったからなのだと、彼女に出会った瞬間に確信したんですよ。彼女が私の唯一で、生涯の伴侶なのだと」


 そう言いながら、キャロルはシンに視線を戻し、最上級の微笑を浮かべた。


「それに、私は彼女に出会った時は、失う怖さより、手に入れられない怖さの方が大きかったんですよ。――何せ、あの人ときたら無茶ばかりするし、無鉄砲で――それだけならまだしも、天真爛漫で、老若男女に好かれていまして。油断しようものなら、別のライバルに奪われかねませんでしたからね。こちらは待ちに待った魂の片割れベターハーフなのですから、必死で口説いたものですよ」


 懐かしむように笑うキャロルの言葉に、目からうろこが落ちたような心持ちで、シンは「そうなんですか」と呆然と頷いた。


「ところで、」


 ほんの僅かに楽しそうな笑みを浮かべ、キャロルが話題転換の言葉を口にする。


「私の話しが、お役に立てたのなら幸いなのですが、どうでしたか?」

「!」


 思わず蜂蜜酒の残ったグラスを取り落としそうになりながらも、シンは辛うじて頷いた。


「ええ、と……そ、うですね」


 酔うほど酒を飲んでいないにも関わらず、頬に熱が集まった気がして慌てて誤魔化す。その様子を見たキャロルは「それは何よりです」満足そうに頷き、グラスに残っていた蜂蜜酒を飲み干した。


「さて、そろそろ夜も更けましたし、我々も休みましょうか」

「あ、すみません、もう1つお聞きしたい事が」


 立ち上がろうとするキャロルに、反射的にシンは声を掛ける。気を悪くすることなく、キャロルは微笑んで「なんでしょう」と小首を傾げた。


「キャロルさんって古代語魔法や古代文明を研究してるんですよね」

「ええ、そうです」

「僕、古代語魔法は基礎しか分からなくて……精霊魔法もですけど。それでですね。その……例えば、人の記憶を操作したり、忘れてしまったりするような魔法ってあるものなんでしょうか」


 たまたま思いつきで、“当たり”は期待せずに口にした問いだったが、予想に反してキャロルは少し考えてから「似たものなら」と答えた。


「あるんですか?!」

「ある、とは言えません。あくまでも似て非なるものです」


 飲み終えた2人分のグラスをトレイに乗せながら、キャロルは言葉を続けた。


「最も近しいものを上げるとしたら小悪魔インプ系の妖魔モンスターが使う記憶封じの呪いです。その呪いにより森で若い娘がかどわかされ、今までの一切の記憶を失い、魔物の仔を孕んで戻る話しなど、稀にですがヴルズィアでもテイルラットでも聞きます」


 淡々と説明される内容に、シンは思わず顔をしかめた。“彼女”がそんな目にあったかもしれないなどと、想像するだけでもおぞましい。


「後は、もう1つ。こちらは古い話しなので、信憑性は低いです。ヴルズィアでもテイルラットでもない遠い場所――時の流れからも隔離された世界だけに存在するという忘却魔法の伝承です。その魔法は、その世界の者達の中でも長とその血族のみに継承され、その世界に誤って迷い込んだ者や、その世界から外の世界へと出て行こうとする者に、“その世界を隠匿する為”に使われたのだそうです」

「それは……――初耳です」

「そうですね。残っている文献も少ないですしね。――私がその資料を目にしたのも、180年ほど前だったと思います。その資料が保管されていた書庫は150年前の戦火で失われてしまいましたし」

「150年前……――魔境ガラコス大戦マルテでしょうか」

「はい、よくご存知ですね。あの戦争で、ヴルズィアは大陸の半数近くが焼け野原になりましたから……失われた文献は相当数あったかと」

「それにしても、そんな魔法があったとは……」

「あくまでも“伝承”ですよ」


 ほんの僅かに苦笑しながら、キャロルは今度こそ席を立った。


「もしそのような魔法が実在していたとしても、閉じられた世界でのみ使われていたと言われていますから、文献が外の世界にある事自体、矛盾があります。――吟遊詩人が語った夢物語を、誰かがいたずらに文献としてまとめた可能性の方が濃厚ですよ」


 言いながら肩を竦めると、「では、おやすみなさい」と優雅に一礼し、グラスを載せたトレイを持って部屋を去って行った。立ち上がってキャロルの後姿に挨拶を返すと、シンは再び椅子に座り、小さく息を吐き出した。

 今日はシンも客間の一つを借りている。酒を飲んだにも関わらず、まだ眠気は全く無いが、だからといってこのままアーレンビー家の居間に居座るのも気が引ける。部屋に行き、眠くなるまでごろごろと横になるしか無さそうだ。


 天井付近を漂う光の精霊ウィル・オー・ウィスプに声を掛け、自分の頭上へ移動させると、ゆっくりと宛がわれた部屋へと足を運んだ。



* * * * * * * * * * * * * * *



 平屋建てのアーレンビー家の一番入り口近くにある客間のドアを開こうとした時、伸びた廊下の先に人影を見て、シンは目をすがめた。


「そこにいるのは誰?」


 小さく、低く、鋭く言い放つと、その人影はびくりと小さくおののいた。その反応で、一気にシンは緊張を緩めた。


「――ソフィア?」


 言葉尻は疑問形だが、内心では確信して呼びかける。人影はしばしの間、迷っている様に見えたが、観念したのか小さく頷いた。


「暗いのに灯かりも持たないでどうしたの?」


 確か、ソフィアは夜目が利かなかったはず。段差や角につまずいたりぶつかったりして転んだり怪我をしたらどうするんだ、と心配を抑えきれず、シンは彼女の方へ歩み寄ろうと足を一歩踏み出した。


「こ、こないで」


 ソフィアの小さな声がシンを制した。


「お、お後架こうかよ。いちいちこっちに来なくていい」


 お後架こうかと言われてしまうと、さすがのシンも追求は出来ないが、それでも彼女の言葉の語尾が僅かに震えた事をシンは聞き逃さなかった。


「本当?」

「ええ」

「場所分かるの?」

「ええ」

「ソフィアって夜おトイレ行く方だったっけ」

女性レディにそういう事を聞くのは大人としてどうなの」

「ねぇソフィア」

「何よ」


 スタスタ、とまっすぐにシンはソフィアの方へ歩み寄る。彼の頭上の光の精霊ウィル・オー・ウィスプも忠実に指示に従ってついて来た為、ソフィアが止める間もなく彼女の姿が光の中に浮かび上がった。その透き通った水色の瞳は薄っすらと涙の膜が張っており、目元は赤くなっていた。


「やっぱり……」


 泣いていると思った。と、シンは心の中で呟いた。ソフィアはというと、気まずそうにそっぽを向くとわざとらしく不機嫌そうな顔を作っている。


「何がやっぱりなのよ。意味が分からない。あたしは単に、お後架こうかに行こうとしてて、それでその、そう、暗かったから壁にぶつかって、思わずちょっと目に来たというか、だから」

「もう、そんな今更いいって」


 苦笑してシンはソフィアの頭に手を伸ばした。案の定、ぎくりと彼女は身を強張らせたが、無視スルーしてよしよし、と撫でる。


「……怖い夢、見たの?」

「ちがう」

「嘘」

「嘘じゃない」

「もう、意地っ張りだなぁ」


 そんなところも可愛いんだけれど、と心の中で付け足しながらも、シンは微笑んでソフィアの小さな身体を抱き上げた。


「!!? ちょっ……」

「あ、もう……随分冷えてるじゃない。いつから廊下にいたの?」

「……」

「ソフィア」

「い、いちいち言いたくない。関係ないでしょ」

「関係なくないよ。こんなに冷たくなって……」


 眉を下げてシンはソフィアの身体を温めるように両腕で包み込む。怒られるか抵抗されるかと思ったが、予想に反してソフィアは静かにしていた。


「……」

「ソフィア?」

「……たまに」

「うん?」

「夜中、自分の声で、目が覚めるから」


 ソフィアは眠りが浅く、たまに夢を見ると決まって悪夢でうなされる。自分の悲鳴や呻き声で、自分自身が目を覚ます事も多々あった。

 今日は同室にアレクがいる。彼女と話しをした後、いつの間にか眠ってしまっていたが、先ほど悪夢により不意に目を覚ました。悲鳴こそ上げなかったが、目覚めた後は心臓が早鐘を打ち、声を上げて逃げ出したい衝動を堪えるのに苦労した。

 そして、またもし眠ってしまったら、次は大丈夫だろうか、と、気にし始めたら止まらなくなってしまった。

 しばらく悶々とベッドの中で時間を潰していたが、アレクの安らかな寝息が聞こえ、自分がその安眠の妨げになっては、とそっと部屋の外へ出た。夜明け近くまで時間を潰して、そっと部屋のベッドに戻るつもりでいた。そして、今に至る。


 と、このような説明をシンには全くしていないのだが、それでも彼は何かを察したらしい。


「じゃあ、僕の部屋においで。ホラ、僕ソフィアと一緒に寝てても朝までぐっすりだったもの。大丈夫って実証済みだから安心でしょ」


 抱き上げたまま、シンはソフィアに顔を寄せて優しく微笑んだ。


「風邪引いたりしたら、アレクもキャロルさんも心配するし、僕もソフィアが苦しい思いするのは嫌だ。皆のためだと思って、ね」


 拒否しようとしたところで、“皆のため”と言われ、ソフィアはうぐ、と言葉を詰まらせた。


「よし、決まりだね! 今日はもう遅いから、おしゃべりは出来ないけど、それはまた今度のお楽しみに取っとこう」


 ふわり、と嬉しそうに笑って、シンはソフィアを腕に抱いたまま宛がわれた部屋へ入った。



 それから、身を寄せ合って2人ともぐっすりと朝まで眠り、起きてきたアレクに「ソフィアにフラれたぁ!」といじけられ、ソフィアは必死で言い訳をする事になった。

 ――因みに、シンとキャロルは笑って見ているだけで、フォローしてくれなかった為、最終的にはソフィアまで不貞腐れてしまうのだった。

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