第23話月

「三日月。上弦の月。小望月。満月。そして今晩は満月だ。」と雫は言いながらイヤホンを付け直してHey○udeの曲に合わせて狂に人格と体を預けた。


雫は、脳の片隅でHey○udeを聴きながら静かに眠った。そして夢を見た。髪の毛を金髪に染めてムースで髪の毛をオールバックにして派手な竜の刺繍がしてある学ランを着ている少年と砂漠のグラウンドをはしるのを。たぶん、その少年は狂だと思った。


狂と雫は、競争するように砂に足を取られながら走った。まるで砂漠のグラウンドは造花のように変化がない。走っているうちに雫は足を取られて砂漠の上で転んだ。狂は、雫を見ながらゲラゲラ笑ってヤッホー!と叫んで、すごい速さで走って行ってしまった。

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