第22話ラジオ
三回目の謹慎が解けた久しぶりの教室は前よりも更に陰湿で冷たい空気が流れていた。お前をみんな避けてるぞと狂は言うが本当は狂を避けているんだと言ってやりたかった。雫は、誰とも口を聞きたくなかったし誰にも関わって欲しくなかった。しかし、森脇は余計なお世話な発言をしてくれた。「みんな仲良くするように。」三十五人の生徒みんな仲良しだったら何人子供が出来るんだよ!アホ!と狂は森脇に指でタイマンをして言った。
四時限目の国語の授業が自習になって教室中が歓喜の声を上げて騒ぎ始めた。同時に雫もスマホでラジオを聴き始めた。しかし、ラジオからは鬱陶しいDJの声しかしなかったのでYou○uでビー○ルズを聴き始めた。狂は、曲に合わせてエルビィス○レスリーのようなダンスをし始めた。雫は、静かにイエス○デイを聴いて、この曲は雨が降った湿った日に聴くと一番良いと感じていた。
そんな調子でいると、ゴレムと昇が雫の机を蹴り飛ばした。そして雫の首をゴレムは掴み上げようとしたが身長175cmのゴレムは180cm近くある雫に見下ろされてムカついたのか雫の醒めた瞳に恐怖したのかそのまま殴り飛ばした。雫は、何事もなかったようにゆっくり立ち上がって机を直して座りまたイエス○デイを聴き始めた。今度は、血走った目をした昇が雫のイヤホンを乱暴に掴み取ると「この狂人が!」と叫んで殴り付けて来た。昇の細胞から繰り出された拳は雫の左目に直撃した。狂は、ワォッと愉快そうに叫んだ。
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