第19話花瓶

学校に行くと雫の机の上には花瓶が置いてあった。雫が、教室に入ると騒いでいたクラスメイトが静寂の中に閉じ籠った。まるで死刑囚を見送る神父のように哀れむような顔つきだ。


狂は、花瓶を手に取って昇に投げつけた。そして「このクソ野郎!」と叫んで昇に馬乗りになり殴り付けた。「殴りたければ殴れば良いだろ!この二重人格者が!」と昇は口から血を流して叫んだ。昇の鉄錆臭い血で雫と狂の手が染まる。やめろ!狂、これ以上やったら死んでしまうぞ。うるさい!こいつは俺様を死んだ者にしたんだぞ。裏切り者のユ○より酷い奴だ。しんじまえ!しんじまえ!と狂は殴り続けた。


騒ぎを聞きつけた教師数人がかりで雫の体を昇から引き離した。「こいつはユ○だ!裏切り者で金に目が眩んで自殺したユ○だ!」と狂は叫び続けた。

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